森海コラム
【動物博士の生きものがたり】オシドリはおしどり夫婦ではない
仲の良い夫婦をおしどり夫婦と呼びますが、実はオシドリはおしどり夫婦ではありません。子育てが始まると、雄は別の新しい伴侶を求めて去ってゆきます。 小鳥たちでは、卵から孵った雛は目も開いておらず、羽毛もほとんど生えていません。雛は自分では餌を取ることができません。雛の羽毛が生え揃うまで親鳥が雛を抱いて温め、餌を与えます。 ところが、カモやチドリの仲間では、雛は卵から孵った段階ですでに目も開き羽毛も生えそろって、まるで毛玉のように見えます。毎年初夏の風物詩のように報道されるカルガモの親子の行進を思い浮かべていただければ、羽毛の雛をご理解いただけるでしょう。雛は生まれてすぐに自力で移動できるし、餌をついばむこともできるのです。親の役割は、餌のあるところに雛を連れて行くことと、雛を外敵から守ることです。 オシドリの場合も子育ては片親でもなんとかなるのです。いかに自分の子孫をたくさん残すかと考えた時、子供たちの養育をペアの相手に押し付けて、自分はもう一度繁殖すれば、もっとたくさんの自分の子供を残せます。もし自分が手伝わないことで1回目の子供がキツネに少々食べられてしまっても、次の繁殖でそれを上回る子供が残れば良いのです。オシドリの場合、雌が卵を抱き始めると雄はサヨナラしてしまうのです。そして、雄は次の繁殖相手の雌を探し始めるのです。 オシドリでは、雄は雌に自分の魅力を伝えるために派手な色をしていますが、雌は雄に比べるとずっと地味な色をしています。できるだけ外敵に見つからないようにすることで、自分と雛たちの危険を少なくしようとしているのです。 雄の協力なしでヒナを育てる雌は大変ですが、オシドリの場合、雛も大変です。オシドリの巣は、木の高いところの穴にあって、お腹が減っても母親は餌を運んできてくれません。母親は、木の下で巣立ちを促すようにピーピー鳴くだけです。卵から孵ってまだ24時間以内の雛たちは、ペンギンのような小さな翼を必死に動かしながら、時には地上5mもの高さから落下して行くのです。それが、巣穴から新しい世界への旅立ちなのです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【動物博士の生きものがたり】オシドリはおしどり夫婦ではない
仲の良い夫婦をおしどり夫婦と呼びますが、実はオシドリはおしどり夫婦ではありません。子育てが始まると、雄は別の新しい伴侶を求めて去ってゆきます。 小鳥たちでは、卵から孵った雛は目も開いておらず、羽毛もほとんど生えていません。雛は自分では餌を取ることができません。雛の羽毛が生え揃うまで親鳥が雛を抱いて温め、餌を与えます。 ところが、カモやチドリの仲間では、雛は卵から孵った段階ですでに目も開き羽毛も生えそろって、まるで毛玉のように見えます。毎年初夏の風物詩のように報道されるカルガモの親子の行進を思い浮かべていただければ、羽毛の雛をご理解いただけるでしょう。雛は生まれてすぐに自力で移動できるし、餌をついばむこともできるのです。親の役割は、餌のあるところに雛を連れて行くことと、雛を外敵から守ることです。 オシドリの場合も子育ては片親でもなんとかなるのです。いかに自分の子孫をたくさん残すかと考えた時、子供たちの養育をペアの相手に押し付けて、自分はもう一度繁殖すれば、もっとたくさんの自分の子供を残せます。もし自分が手伝わないことで1回目の子供がキツネに少々食べられてしまっても、次の繁殖でそれを上回る子供が残れば良いのです。オシドリの場合、雌が卵を抱き始めると雄はサヨナラしてしまうのです。そして、雄は次の繁殖相手の雌を探し始めるのです。 オシドリでは、雄は雌に自分の魅力を伝えるために派手な色をしていますが、雌は雄に比べるとずっと地味な色をしています。できるだけ外敵に見つからないようにすることで、自分と雛たちの危険を少なくしようとしているのです。 雄の協力なしでヒナを育てる雌は大変ですが、オシドリの場合、雛も大変です。オシドリの巣は、木の高いところの穴にあって、お腹が減っても母親は餌を運んできてくれません。母親は、木の下で巣立ちを促すようにピーピー鳴くだけです。卵から孵ってまだ24時間以内の雛たちは、ペンギンのような小さな翼を必死に動かしながら、時には地上5mもの高さから落下して行くのです。それが、巣穴から新しい世界への旅立ちなのです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【動物博士の生きものがたり】動物も感極まるのか
宮城県の離島できれいな夕焼けに出合いました。太陽が対岸の牡鹿半島に沈みつつありました。その時、ニホンザルが次々にやってきて、海辺の崖に設置された手すりに座ったのです。そして、みんなで夕焼けを見ているのです。 サルは十頭以上。後ろ姿しか見えないので、本当に夕焼けを見ているのかわからないのですが、どのサルも顔は夕焼けの方向に向けています。その状態が、暗くなるまで五分以上続きました。 発情期にメスのお尻が赤くなることから、ニホンザルは色が見えると言われています。私には、彼らが夕焼けを見て、何かを感じていたように思えてなりません。同様の観察はチンパンジーにもあります。京都大学におられた鈴木晃さんは、タンザニアで一頭の若いチンパンジーが、高い木に登って、暗くなるまで夕陽を眺めているのを観察しています。 動物の中でも、チンパンジーには高度な感情があるといわれています。京都大学名誉教授の杉山幸丸さんは、ギニアの森で、チンパンジーの群れがイチジクの実を食べようとするところを観察しました。イチジクの木は大木で、幹が太すぎて、チンパンジーには登れません。そこで、近くの木の枝を折りとって、イチジクの枝をたぐり寄せようと試みたのです。 何頭かが失敗した後、五十分ほど経って、ついに一頭がイチジクの枝を掴むことに成功しました。そのチンパンジーは「ケャーッ」と声をあげながら木に登ると、イチジクを食べることも忘れて、興奮して樹上を走り回ったのです。その後、全員が登ることができて、チンパンジーたちは樹上でひしひしと抱き合ったり、走り回ったりの大騒ぎになったそうです。彼らは感激の絶頂に達したのです。 私たち人間だけが感情を持つ特殊な生き物だと思うより、多くの動物にも感情があることを忘れないようにしたいものです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【動物博士の生きものがたり】動物も感極まるのか
宮城県の離島できれいな夕焼けに出合いました。太陽が対岸の牡鹿半島に沈みつつありました。その時、ニホンザルが次々にやってきて、海辺の崖に設置された手すりに座ったのです。そして、みんなで夕焼けを見ているのです。 サルは十頭以上。後ろ姿しか見えないので、本当に夕焼けを見ているのかわからないのですが、どのサルも顔は夕焼けの方向に向けています。その状態が、暗くなるまで五分以上続きました。 発情期にメスのお尻が赤くなることから、ニホンザルは色が見えると言われています。私には、彼らが夕焼けを見て、何かを感じていたように思えてなりません。同様の観察はチンパンジーにもあります。京都大学におられた鈴木晃さんは、タンザニアで一頭の若いチンパンジーが、高い木に登って、暗くなるまで夕陽を眺めているのを観察しています。 動物の中でも、チンパンジーには高度な感情があるといわれています。京都大学名誉教授の杉山幸丸さんは、ギニアの森で、チンパンジーの群れがイチジクの実を食べようとするところを観察しました。イチジクの木は大木で、幹が太すぎて、チンパンジーには登れません。そこで、近くの木の枝を折りとって、イチジクの枝をたぐり寄せようと試みたのです。 何頭かが失敗した後、五十分ほど経って、ついに一頭がイチジクの枝を掴むことに成功しました。そのチンパンジーは「ケャーッ」と声をあげながら木に登ると、イチジクを食べることも忘れて、興奮して樹上を走り回ったのです。その後、全員が登ることができて、チンパンジーたちは樹上でひしひしと抱き合ったり、走り回ったりの大騒ぎになったそうです。彼らは感激の絶頂に達したのです。 私たち人間だけが感情を持つ特殊な生き物だと思うより、多くの動物にも感情があることを忘れないようにしたいものです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【動物博士の生きものがたり】最も優秀なハンター:ネコ
最近はネコブームのようで、テレビコマーシャルでもよくネコが出てきます。かわいい仕草やのんびりした寝顔などに、癒やされると感じる人は多いでしょう。私も、十年ほどネコと一緒に暮らし、楽しい思いをさせてもらいました。今もその時の写真をスマートホンの待ち受け画面にしています。 ネコの魅力のひとつは、優秀なハンターの持つ美しさでしょう。丸顔の理由である噛むための筋肉、鋭い歯、音もなく歩ける肉球と格納できる鋭い爪、高く遠くまで跳べる筋肉と柔らかい体、さまざまな姿勢で発揮される平衡感覚と反射神経。これらはすべて、陸上のあらゆるところで獲物を襲うために進化してきたのです。 この優秀なハンターは、他の野生動物にとっては、脅威でもあります。完全に室内で飼われているネコ以外は、飼いネコであろうと、野良ネコであろうと、野外をうろついています。彼らのほとんどは、人間から何らかの形で餌をもらっているにもかかわらず、野生の生き物を襲っています。小さな昆虫から、野鳥、野生のネズミやリス、ウサギなどです。 私はかつて奈良公園で、ネコがムササビを殺すところを目撃しました。小笠原島ではネコが絶滅危惧種の野鳥を襲って大きな問題になったことがありました。私が大学在職中に学生が軽井沢で野良ネコの食物を調べたところ、ペットフード以外に、野鳥や野生のネズミを食べていました。町のネコが何を食べているかはまだわかりませんが、少なくなっているスズメを食べているかもしれません。海外での調査では、ネコが野生動物の絶滅の原因となっているところもあります。 〈ネコを屋内に留めるのはかわいそう〉と思う人もいるかもしれません。しかし、ネコはイヌほど運動が必要ではありません。家の中で遊べるようなちょっとした工夫で充分です。飼いネコを屋外に出すことは、交通事故やネコ同士の喧嘩による病気の感染等、危険がいっぱいです。さらに、近年では人と野生動物の共通の感染症を運ぶことも指摘されています。安全で、生態系にも影響を与えない室内飼いが一番です。先述の小笠原では、ネコを捕まえて本土に移送し、獣医師会が協力して、ペットとしてもらわれていきました。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【動物博士の生きものがたり】最も優秀なハンター:ネコ
最近はネコブームのようで、テレビコマーシャルでもよくネコが出てきます。かわいい仕草やのんびりした寝顔などに、癒やされると感じる人は多いでしょう。私も、十年ほどネコと一緒に暮らし、楽しい思いをさせてもらいました。今もその時の写真をスマートホンの待ち受け画面にしています。 ネコの魅力のひとつは、優秀なハンターの持つ美しさでしょう。丸顔の理由である噛むための筋肉、鋭い歯、音もなく歩ける肉球と格納できる鋭い爪、高く遠くまで跳べる筋肉と柔らかい体、さまざまな姿勢で発揮される平衡感覚と反射神経。これらはすべて、陸上のあらゆるところで獲物を襲うために進化してきたのです。 この優秀なハンターは、他の野生動物にとっては、脅威でもあります。完全に室内で飼われているネコ以外は、飼いネコであろうと、野良ネコであろうと、野外をうろついています。彼らのほとんどは、人間から何らかの形で餌をもらっているにもかかわらず、野生の生き物を襲っています。小さな昆虫から、野鳥、野生のネズミやリス、ウサギなどです。 私はかつて奈良公園で、ネコがムササビを殺すところを目撃しました。小笠原島ではネコが絶滅危惧種の野鳥を襲って大きな問題になったことがありました。私が大学在職中に学生が軽井沢で野良ネコの食物を調べたところ、ペットフード以外に、野鳥や野生のネズミを食べていました。町のネコが何を食べているかはまだわかりませんが、少なくなっているスズメを食べているかもしれません。海外での調査では、ネコが野生動物の絶滅の原因となっているところもあります。 〈ネコを屋内に留めるのはかわいそう〉と思う人もいるかもしれません。しかし、ネコはイヌほど運動が必要ではありません。家の中で遊べるようなちょっとした工夫で充分です。飼いネコを屋外に出すことは、交通事故やネコ同士の喧嘩による病気の感染等、危険がいっぱいです。さらに、近年では人と野生動物の共通の感染症を運ぶことも指摘されています。安全で、生態系にも影響を与えない室内飼いが一番です。先述の小笠原では、ネコを捕まえて本土に移送し、獣医師会が協力して、ペットとしてもらわれていきました。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【動物博士の生きものがたり】人と犬の絆
私たち人間は、野生動物の中からいくつかを選んで、家畜やペットにしてきました。衣食住に使われる動物は生活の必然だったと思われますが、興味深いのは、精神的なつながりを求めたペットです。これは人間が高等な精神性を持っていることと関係していると思われます。そして、そのことがペットであるイヌの進化につながっていることが最近わかってきました。 麻布大学で伴侶動物学を研究する菊水健史先生のグループは、イヌと飼い主との関係を観察すると共に、オキシトシンの濃度を測定しました。オキシトシンは別名「愛情ホルモン」ともいわれ、子供が親に甘えたり、目を見つめたりすることにより、親の体内で増加します。また、親の愛情深い育児行動を受けた子供の体内でも増加します。こうして親子間でお互いにオキシトシンを増加させるサイクルが、親子の絆のようなものを形成していくといわれています。 そこで、菊水先生たちは、人間の親子のような関係がイヌと飼い主の間で生じているかを調べました。すると、イヌに見つめられた飼い主はオキシトシンを多く分泌し、イヌを撫でたり、抱き上げたり、話しかけたりというような親和的な行動を起こすことがわかりました。それによってイヌもオキシトシンの分泌を増やして、また飼い主を見つめるというサイクルが回っていることを発見したのです。 そして、興味深いことに、飼い慣らしたオオカミと飼い主の間で同じ実験をしたところ、オオカミは飼い主とじゃれ合っていても、飼い主を見つめる行動はほとんど行なわず、オキシトシンも増加しなかったのです。 つまり、イヌは人間とこのような絆を形成できたという点で、起源であるオオカミと、まったく異なっていたのです。イヌは、進化の過程で人間との親密な関係性を結んだことによって、オオカミとは別の道を歩んできたらしいのです。イヌは私たちにとってちょっと特別な存在であるようです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【動物博士の生きものがたり】人と犬の絆
私たち人間は、野生動物の中からいくつかを選んで、家畜やペットにしてきました。衣食住に使われる動物は生活の必然だったと思われますが、興味深いのは、精神的なつながりを求めたペットです。これは人間が高等な精神性を持っていることと関係していると思われます。そして、そのことがペットであるイヌの進化につながっていることが最近わかってきました。 麻布大学で伴侶動物学を研究する菊水健史先生のグループは、イヌと飼い主との関係を観察すると共に、オキシトシンの濃度を測定しました。オキシトシンは別名「愛情ホルモン」ともいわれ、子供が親に甘えたり、目を見つめたりすることにより、親の体内で増加します。また、親の愛情深い育児行動を受けた子供の体内でも増加します。こうして親子間でお互いにオキシトシンを増加させるサイクルが、親子の絆のようなものを形成していくといわれています。 そこで、菊水先生たちは、人間の親子のような関係がイヌと飼い主の間で生じているかを調べました。すると、イヌに見つめられた飼い主はオキシトシンを多く分泌し、イヌを撫でたり、抱き上げたり、話しかけたりというような親和的な行動を起こすことがわかりました。それによってイヌもオキシトシンの分泌を増やして、また飼い主を見つめるというサイクルが回っていることを発見したのです。 そして、興味深いことに、飼い慣らしたオオカミと飼い主の間で同じ実験をしたところ、オオカミは飼い主とじゃれ合っていても、飼い主を見つめる行動はほとんど行なわず、オキシトシンも増加しなかったのです。 つまり、イヌは人間とこのような絆を形成できたという点で、起源であるオオカミと、まったく異なっていたのです。イヌは、進化の過程で人間との親密な関係性を結んだことによって、オオカミとは別の道を歩んできたらしいのです。イヌは私たちにとってちょっと特別な存在であるようです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
【開催レポート】シカと森と人の関係を知るツアーin山梨県道志村【森海スタディツアー】
" 11月4日に開催した『シカと森と人の関係を知るツアーin山梨県道志村』 今回は14歳~72歳という幅広い年齢層の方々が参加してくださいました。 事前に「シカ専門家の南正人さん」によるオンラインセミナーを2回実施し、 更に道中のバス内でも生態系のお話をしていただき、参加者の皆さんも知識とイメージはバッチリ。 山梨県道志村に到着し、「森海の理事である川村徹也さんとハンターの方々」と森を散策。 まだ山中に深く立ち入らない麓で、鹿が何度も通っているだろう獣道が見られ、 周りの植物が部分的に食べられている様子を見ることが出来ました。 道志村サテライトオフィスへ戻り、ハンターの方から村と森の現状を聞きました。 その後の昼食は、「道志村で獲れた鹿肉のシチューとボロネーゼ」 鹿肉ってこんなに柔らかくて美味しいの!?と驚きの声があがり、 帰りの道の駅でお土産として購入している方もいました。 ※特にシチューが大好評で品切れ状態 最後は、狩猟された「鹿一頭丸ごと解体体験」 森海ツアー開始以来、初事例となる交通事故にあった鹿でした。 希望者はハンターの方に教えていただきながら、 実際にナイフを使って皮を剥ぎ、部分ごとに切り分け、解体を行いました。 参加者の中には、近寄ることも怖いという方もいらっしゃいましたが、 これが命を頂くことだと真の意味で理解できたと仰っていました。 帰りのバスの中では感想シェア会を行い、 「シカ専門家の南正人さん」による生態系講座を聞きながら東京へ戻りました。 終了後の参加者アンケートの感想を受けて、 参加者の皆さまの満足度が大変高く、今回のツアーを通じて 「シカと森と人の関係」を知っていただけたと感じております。 次回、この記事をご覧になっている皆さまのご参加をお待ちしております。 この森海ツアーの様子を、「森海アンバサダー」であり、 インフルエンサーの「難聴うさぎさん」が動画にしてくださっていますので、 ぜひご覧くださいませ。難聴うさぎさんの動画はコチラ♪ 一般財団法人森から海へは、オーガニックの国産鹿肉ペットフード「鹿のめぐみ※」を通じて、 愛犬と愛猫の健康と、鹿の命を無駄にせず使い切ること、...
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冬の愛犬の健康管理:オーガニックウェアと鹿肉ペットフードのすすめ
寒い冬は、犬の体にとってストレスが増える季節です。 特に小型犬や短毛種、高齢犬は体温調節が正しいため、適切な防寒対策が必要です。 また、寒さに伴う運動不足や免疫力の低下を防ぐためには、質の高い食事を与えることも重要です。 1. 冬の犬の健康リスク 冬は寒さが犬の体に与える影響が大きい季節です。以下のリスクに注意が必要です。 体温の低下する 小型犬や短毛犬種、高齢犬は体温が下がりやすく、寒さによる体調不良が起こることがあります。 関節痛や筋肉のこわばり 寒冷環境は、関節や筋肉に負担がかかり、特にシニア犬には痛みの原因となる場合があります。 免疫力の低下 冬は寒さだけでなく、乾燥による影響で免疫力が下がり、感染症や皮膚トラブルがなくなりやすくなります。 不足と体重増加 散歩や外出運動の機会が増えるため、運動不足から肥満につながるリスクがあります。 2. オーガニックウェアの活用 冬の防寒対策として、犬用のウェアを活用するのは有効な手段です。 特にオーガニック素材のウェアには以下のメリットがあります。 オーガニックウェアの特長 肌に優しい素材 化学繊維を含まないオーガニックコットンなどの自然素材は、敏感肌の犬にも安心してお使いいただけます。 保温性と通気性のバランス オーガニック素材は暖かいを保ちながら、通気性にも優れているため蒸れにくい特徴があります。 環境に優しい選択 サステナブルな製品を選ぶことで、飼い主として環境保護に貢献できます。 ウェア選びのポイント 犬のサイズに合ったフィット感のあるものを選びます。 敏感肌の場合、タグや縫い目チクチクしない設計のものを選びます。 水や雪を防ぐ防水・撥水加工が施されたウェアもおすすめです。 3....
冬の愛犬の健康管理:オーガニックウェアと鹿肉ペットフードのすすめ
寒い冬は、犬の体にとってストレスが増える季節です。 特に小型犬や短毛種、高齢犬は体温調節が正しいため、適切な防寒対策が必要です。 また、寒さに伴う運動不足や免疫力の低下を防ぐためには、質の高い食事を与えることも重要です。 1. 冬の犬の健康リスク 冬は寒さが犬の体に与える影響が大きい季節です。以下のリスクに注意が必要です。 体温の低下する 小型犬や短毛犬種、高齢犬は体温が下がりやすく、寒さによる体調不良が起こることがあります。 関節痛や筋肉のこわばり 寒冷環境は、関節や筋肉に負担がかかり、特にシニア犬には痛みの原因となる場合があります。 免疫力の低下 冬は寒さだけでなく、乾燥による影響で免疫力が下がり、感染症や皮膚トラブルがなくなりやすくなります。 不足と体重増加 散歩や外出運動の機会が増えるため、運動不足から肥満につながるリスクがあります。 2. オーガニックウェアの活用 冬の防寒対策として、犬用のウェアを活用するのは有効な手段です。 特にオーガニック素材のウェアには以下のメリットがあります。 オーガニックウェアの特長 肌に優しい素材 化学繊維を含まないオーガニックコットンなどの自然素材は、敏感肌の犬にも安心してお使いいただけます。 保温性と通気性のバランス オーガニック素材は暖かいを保ちながら、通気性にも優れているため蒸れにくい特徴があります。 環境に優しい選択 サステナブルな製品を選ぶことで、飼い主として環境保護に貢献できます。 ウェア選びのポイント 犬のサイズに合ったフィット感のあるものを選びます。 敏感肌の場合、タグや縫い目チクチクしない設計のものを選びます。 水や雪を防ぐ防水・撥水加工が施されたウェアもおすすめです。 3....