森海コラム
[動物博士の生きものがたり] 動物と植物の闘い③
哺乳類の一部は、食料として植物を利用しています。その典型はウシやシカなどの草食獣です。彼らは、完全に植物に依存して生きています。しかし、自分の力では植物の葉にあるセルロースを分解できません。どうするかというと、胃の中で飼っている細菌などの微生物でセルロースを分解します。口で噛み砕いた植物を胃に送り、それらの微生物と混ぜ合わせます。また、いったん胃に入れた植物を吐き戻して、口の中でさらに細かくして微生物と混ぜ合わせます。こうして、セルロースを微生物に分解してもらうわけです。草食獣は分解してもらったものを吸収して栄養とするだけでなく、そうやって増えた微生物も食べてしまいます。微生物は貴重な動物タンパクです。つまり、草食獣は胃の中で牧畜をしているのです。 しかし、植物も一方的に食べられているわけではありません。イネ科植物の葉の中にはケイ酸というガラスのような硬い物質が含まれていて、噛めば噛むほど、草食獣の歯は削られていきます。草食獣は、歯が最後まで削られてしまったら、植物を細かくすることができず、栄養を取れなくなって死んでしまいます。つまり、イネ科植物は食べられながらも反撃しているわけです。 私たち人間も、植物を利用しています。ワインに含まれて心地よい苦みを感じさせるタンニンや、お茶に含まれるカテキンは、植物が自分を攻撃する細菌や動物から身を守るために作り出した物質です。人間はこうした物質を拝借して、細菌などから身を守っているのです。また、私たちが使っている薬の中にも、植物や微生物などの天然資源を利用したものがあります。ペニシリンやストレプトマイシンなどの抗生物質は、カビや細菌が他の菌の増殖を抑えるために作った物質です。私たちはいわば、生物間の競争や闘いのために作られた物質を利用しているわけです。そして、こうした物質は、生態系の中にまだまだあるはずです。生態系を守る理由の一つは、未知の有用な物質を守ることにもあるのです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
[動物博士の生きものがたり] 動物と植物の闘い③
哺乳類の一部は、食料として植物を利用しています。その典型はウシやシカなどの草食獣です。彼らは、完全に植物に依存して生きています。しかし、自分の力では植物の葉にあるセルロースを分解できません。どうするかというと、胃の中で飼っている細菌などの微生物でセルロースを分解します。口で噛み砕いた植物を胃に送り、それらの微生物と混ぜ合わせます。また、いったん胃に入れた植物を吐き戻して、口の中でさらに細かくして微生物と混ぜ合わせます。こうして、セルロースを微生物に分解してもらうわけです。草食獣は分解してもらったものを吸収して栄養とするだけでなく、そうやって増えた微生物も食べてしまいます。微生物は貴重な動物タンパクです。つまり、草食獣は胃の中で牧畜をしているのです。 しかし、植物も一方的に食べられているわけではありません。イネ科植物の葉の中にはケイ酸というガラスのような硬い物質が含まれていて、噛めば噛むほど、草食獣の歯は削られていきます。草食獣は、歯が最後まで削られてしまったら、植物を細かくすることができず、栄養を取れなくなって死んでしまいます。つまり、イネ科植物は食べられながらも反撃しているわけです。 私たち人間も、植物を利用しています。ワインに含まれて心地よい苦みを感じさせるタンニンや、お茶に含まれるカテキンは、植物が自分を攻撃する細菌や動物から身を守るために作り出した物質です。人間はこうした物質を拝借して、細菌などから身を守っているのです。また、私たちが使っている薬の中にも、植物や微生物などの天然資源を利用したものがあります。ペニシリンやストレプトマイシンなどの抗生物質は、カビや細菌が他の菌の増殖を抑えるために作った物質です。私たちはいわば、生物間の競争や闘いのために作られた物質を利用しているわけです。そして、こうした物質は、生態系の中にまだまだあるはずです。生態系を守る理由の一つは、未知の有用な物質を守ることにもあるのです。 <一般社団法人倫理研究所「職場の教養」誌に「野生の教養」というタイトルで掲載された文章を加筆・修正し、写真をつけました。> 南 正人:理学博士。麻布大学特命教授。軽井沢で15年間自然ガイド業を行った後、麻布大学で13年間教鞭を取った。宮城県の離島・金華山でシカの研究を35年間続けている。「森から海へ」評議員、NPO法人あーすわーむ代表理事。
ルビーとのお散歩コース
2024年元旦の能登地震がルビーとの散歩中に起きた。30年近く3代の愛犬と歩いて来た散歩コースの途中に目の前でアスファルトが弾け出した、ルビーと抱き合って,震えながら見ていました。そこから家まで残っていた1km程の道は障害物競走を思い出すような体験でした。地震後マトモに散歩できるようになるまでは半月以上かかりました。 1月中旬から避難させて頂いた能登町の友人の離れは九十九湾のすぐ近くでしたのでその頃からはお散歩コースが森から海へ変わりました。精神状態は先のことで不安で一杯でしたが毎朝の散歩に海辺の風景が見れて新鮮でした。能登町に避難しながらほぼ毎日珠洲の家に戻って、時々元の散歩コースを歩いて、地震に会った所に来るとその時の恐怖感を思い出しました。ルビーは今でもそこを通ると早足に変わって、さっさと過ぎて行こうとするからきっと同じように思い出しているでしょう。 一年を通して、それぞれの季節に散歩の楽しみがあります。春には山菜、蕗のとうから始まる。秋にはキノコ、数年前から散歩中に見つけたハタケシメジとタマゴタケが秋の食卓の定番となりました。毎日同じコースを歩いていると自然界のイロハがわかって来て、楽しみが増えて行く一方です。しかし、昨年の地震の影響で私にとってとても残念なことがありました。地元を離れて行く人が増えたと共に道端に除草剤を撒く量も増えました。30年近く愛犬と歩いて来た道路沿いに人体に(もちろん犬体にも!)確実に害のあるラウンドアップを膨大に撒かれるようになりました。ルビーの前に飼っていた愛犬が農薬摂取で亡くなったこともあって、仕方がなく、今年の6月から散歩コースを変更することにしました。新しいコースにはかなり長い急な登り坂があって、最初はふうふう言いながら登って行きました。 夏の暑い時にはルビーが特に嫌がって、家を出ると前のコースに向かって行こうとしましたが今では喜んで毒のない道について来てくれるようになりました。新しい散歩コースには毎日新しい発見があります。土砂崩れの工事が数カ所で行われていましたが最近工事が終わり、それぞれの集落へ行く道が開通し今まで行けなかった南山方面にも行けるようにな理ました。猪の親子に出会って、ちょっとビビったこともあったがルビーが一丁前に追いかけてくれました。食べられるキノコを見つけるにはまだ時間がかかりそうですがこれからの紅葉が楽しみです。
ルビーとのお散歩コース
2024年元旦の能登地震がルビーとの散歩中に起きた。30年近く3代の愛犬と歩いて来た散歩コースの途中に目の前でアスファルトが弾け出した、ルビーと抱き合って,震えながら見ていました。そこから家まで残っていた1km程の道は障害物競走を思い出すような体験でした。地震後マトモに散歩できるようになるまでは半月以上かかりました。 1月中旬から避難させて頂いた能登町の友人の離れは九十九湾のすぐ近くでしたのでその頃からはお散歩コースが森から海へ変わりました。精神状態は先のことで不安で一杯でしたが毎朝の散歩に海辺の風景が見れて新鮮でした。能登町に避難しながらほぼ毎日珠洲の家に戻って、時々元の散歩コースを歩いて、地震に会った所に来るとその時の恐怖感を思い出しました。ルビーは今でもそこを通ると早足に変わって、さっさと過ぎて行こうとするからきっと同じように思い出しているでしょう。 一年を通して、それぞれの季節に散歩の楽しみがあります。春には山菜、蕗のとうから始まる。秋にはキノコ、数年前から散歩中に見つけたハタケシメジとタマゴタケが秋の食卓の定番となりました。毎日同じコースを歩いていると自然界のイロハがわかって来て、楽しみが増えて行く一方です。しかし、昨年の地震の影響で私にとってとても残念なことがありました。地元を離れて行く人が増えたと共に道端に除草剤を撒く量も増えました。30年近く愛犬と歩いて来た道路沿いに人体に(もちろん犬体にも!)確実に害のあるラウンドアップを膨大に撒かれるようになりました。ルビーの前に飼っていた愛犬が農薬摂取で亡くなったこともあって、仕方がなく、今年の6月から散歩コースを変更することにしました。新しいコースにはかなり長い急な登り坂があって、最初はふうふう言いながら登って行きました。 夏の暑い時にはルビーが特に嫌がって、家を出ると前のコースに向かって行こうとしましたが今では喜んで毒のない道について来てくれるようになりました。新しい散歩コースには毎日新しい発見があります。土砂崩れの工事が数カ所で行われていましたが最近工事が終わり、それぞれの集落へ行く道が開通し今まで行けなかった南山方面にも行けるようにな理ました。猪の親子に出会って、ちょっとビビったこともあったがルビーが一丁前に追いかけてくれました。食べられるキノコを見つけるにはまだ時間がかかりそうですがこれからの紅葉が楽しみです。
みうちゃまそこは動線上です
日中、陽射しは暑く感じるものの夏の殺人的な暑さからは脱したなぁと感じるこの頃。 秋の風が確実に吹きはじめているのですが、なかなかすっと気持ちよく切り替わって涼しくはなってくれません。 おりく坊は連日へそ天で床に転がっています。 さて一方のメンヘラのみうちゃま、1年以上たった今でもおりく坊のようにへそ天や変な格好で寝る・・・ということはしてくれません。 男の子の方が変な格好で寝ることが多いのか、単にみうちゃまの性格なのか。 未だに昼寝にすら没入しないことが多いです。なにせ、ストレッチし始めたら寄って来るし、寝転がったら寄って来るし、場所を移動したら付いて来ます。 この前、試しにトイレのドアを開けて入ってみたら見事に付いてきました。人間で言うと何歳児くらいなのかな…このどこまでも付いてきて「ねぇねぇ」とひたすら話しかけてくるのは。 そして実は彼女は付いてくるだけにとどまらなくて「ちょいちょい・・・」と日々私たちにツッコまれています。 なぜ動線上にくるのか ストーカーだけならまだ良いんですけど、彼女はなぜか私たちの進行方向へ必ず歩いてゆきます。先導しているようにトコトコと。 リビングからキッチン、玄関からリビング。 先導しているという意識なら良いのですが、彼女はむしろ逆で追いかけられていると認識して、急ぎ足で逃げるという全く意図していないシチュエーションが多発。 にゃーにゃー言いながら被害者意識満載で逃げるため、旦那さまに毎度「追いかけているわけじゃないのよ・・・」と呆れられている始末です。 こっちとしてもさっさと抜かしたいけど、絶妙にさっと抜かすほどでもない速さと距離感なのでこっちが後ろでちょっともたつく。そんなことありませんか、駅の構内や路上で。前を歩く人との間隔の中で。 みうちゃま本人は全くの無自覚でやっているんだからどうしようもないですけどねぇ。猫と人間では生活導線は被るわけないんですけど。 猫はシンプルだからこそ意味不明 キャッツ達を見ていると、「状況判断」「因果関係」というものから行動するってゼロなんだなとつくづく実感します。ただ行きたい方向がこっち。ただそうしたいからする。 「○○だから」という理由付けが背景にあって行動する、そんなフクザツなことはこの地球上で人間しかしていません。そして、「気を遣う」なんてことももちろんしない(笑) シンプルだからこそ、意味不明な行動になる。なんだか不思議。
みうちゃまそこは動線上です
日中、陽射しは暑く感じるものの夏の殺人的な暑さからは脱したなぁと感じるこの頃。 秋の風が確実に吹きはじめているのですが、なかなかすっと気持ちよく切り替わって涼しくはなってくれません。 おりく坊は連日へそ天で床に転がっています。 さて一方のメンヘラのみうちゃま、1年以上たった今でもおりく坊のようにへそ天や変な格好で寝る・・・ということはしてくれません。 男の子の方が変な格好で寝ることが多いのか、単にみうちゃまの性格なのか。 未だに昼寝にすら没入しないことが多いです。なにせ、ストレッチし始めたら寄って来るし、寝転がったら寄って来るし、場所を移動したら付いて来ます。 この前、試しにトイレのドアを開けて入ってみたら見事に付いてきました。人間で言うと何歳児くらいなのかな…このどこまでも付いてきて「ねぇねぇ」とひたすら話しかけてくるのは。 そして実は彼女は付いてくるだけにとどまらなくて「ちょいちょい・・・」と日々私たちにツッコまれています。 なぜ動線上にくるのか ストーカーだけならまだ良いんですけど、彼女はなぜか私たちの進行方向へ必ず歩いてゆきます。先導しているようにトコトコと。 リビングからキッチン、玄関からリビング。 先導しているという意識なら良いのですが、彼女はむしろ逆で追いかけられていると認識して、急ぎ足で逃げるという全く意図していないシチュエーションが多発。 にゃーにゃー言いながら被害者意識満載で逃げるため、旦那さまに毎度「追いかけているわけじゃないのよ・・・」と呆れられている始末です。 こっちとしてもさっさと抜かしたいけど、絶妙にさっと抜かすほどでもない速さと距離感なのでこっちが後ろでちょっともたつく。そんなことありませんか、駅の構内や路上で。前を歩く人との間隔の中で。 みうちゃま本人は全くの無自覚でやっているんだからどうしようもないですけどねぇ。猫と人間では生活導線は被るわけないんですけど。 猫はシンプルだからこそ意味不明 キャッツ達を見ていると、「状況判断」「因果関係」というものから行動するってゼロなんだなとつくづく実感します。ただ行きたい方向がこっち。ただそうしたいからする。 「○○だから」という理由付けが背景にあって行動する、そんなフクザツなことはこの地球上で人間しかしていません。そして、「気を遣う」なんてことももちろんしない(笑) シンプルだからこそ、意味不明な行動になる。なんだか不思議。
おりく坊七変化
つい先ほど、昼食の準備をしていたらどこからか猫の声が聞こえました。 くぐもった声。外にいる野良猫・・・?と思いましたが、いや待てよ。この聞きなれた声・・・おりく坊だ。 以前2階で、彼は反対側に開いたドアのせいで袋小路となって閉じ込められたことがあります。その時もこんな声で鳴いていました。 耳を澄ませてみると、意外と近い。お風呂場です。 案の定、彼はまた閉じ込められていました。 そう言えばついさっきお風呂の掃除でカビ取りスプレーをしたんですが、あの独特なにおいがきついので戸を閉めたんだった。 戸を閉めたちょうどその時、彼は「このニオイは何だろう」とお風呂場を覗きに行っていたんでしょう。 おりく坊は猫部屋で寝ているとすっかり思っていたので、まさか中にいるとは想像もつかず確認しませんでした。ごめんね。 閉じ込めのことは置いておいて、まさかスプレー液を舐めたりしていないよね!?そっちの方が心配でしばらく様子を見ていましたが大丈夫そうです。こういううっかりが事故につながるんだと反省中。いたずらしない子で良かった・・・ 解放された直後はいつも以上に私にべったりでした。 多彩な鳴き声を持つおりく坊 冷静にこの時のことを振り返ると、私はよく瞬時に「これは助けを求めている声だ」と分かったなと思いました。いつもの鳴き声と明らかに違うと分かったのは母性というやつなのか、毎日声を聞いているからなのか。 おりく坊もみうちゃまもおしゃべりさんなので、私たちの元に来るときは必ずと言っていいほど「来たよー」みたいなノリで鳴きながらやってきます。 そんなノリじゃなくて、実はしっかり何かを要求しているのかもしれませんが、大概は「なでて」「遊んで」「ごはん」ですね、たぶん。 そのおしゃべりの中でもおりく坊って、かなり鳴き声のバリエーションが多いんです。 時々「あなたは誰ですか?」と問いかけるくらい違う声を発してくるので、旦那さまとよく笑っています。 通常の声は「わーん」と「あーん」の中間みたいなどこか間の抜けた声。 みうちゃまとケンカして興奮している時は遠吠えのような図太い声を出し、ひょんな拍子に出す声は「あぁん」という女の人の甲高い声。しょんぼりしたときは「くーん」と鳴き、最近は「はーん」「ひーん」「ふーん」「ほーん」というハ行の声を出すようになりました。 もしもおりく坊に「この声出して」っていうお願いが出来たら、バラエティ番組で人気者になれるんですけどね。
おりく坊七変化
つい先ほど、昼食の準備をしていたらどこからか猫の声が聞こえました。 くぐもった声。外にいる野良猫・・・?と思いましたが、いや待てよ。この聞きなれた声・・・おりく坊だ。 以前2階で、彼は反対側に開いたドアのせいで袋小路となって閉じ込められたことがあります。その時もこんな声で鳴いていました。 耳を澄ませてみると、意外と近い。お風呂場です。 案の定、彼はまた閉じ込められていました。 そう言えばついさっきお風呂の掃除でカビ取りスプレーをしたんですが、あの独特なにおいがきついので戸を閉めたんだった。 戸を閉めたちょうどその時、彼は「このニオイは何だろう」とお風呂場を覗きに行っていたんでしょう。 おりく坊は猫部屋で寝ているとすっかり思っていたので、まさか中にいるとは想像もつかず確認しませんでした。ごめんね。 閉じ込めのことは置いておいて、まさかスプレー液を舐めたりしていないよね!?そっちの方が心配でしばらく様子を見ていましたが大丈夫そうです。こういううっかりが事故につながるんだと反省中。いたずらしない子で良かった・・・ 解放された直後はいつも以上に私にべったりでした。 多彩な鳴き声を持つおりく坊 冷静にこの時のことを振り返ると、私はよく瞬時に「これは助けを求めている声だ」と分かったなと思いました。いつもの鳴き声と明らかに違うと分かったのは母性というやつなのか、毎日声を聞いているからなのか。 おりく坊もみうちゃまもおしゃべりさんなので、私たちの元に来るときは必ずと言っていいほど「来たよー」みたいなノリで鳴きながらやってきます。 そんなノリじゃなくて、実はしっかり何かを要求しているのかもしれませんが、大概は「なでて」「遊んで」「ごはん」ですね、たぶん。 そのおしゃべりの中でもおりく坊って、かなり鳴き声のバリエーションが多いんです。 時々「あなたは誰ですか?」と問いかけるくらい違う声を発してくるので、旦那さまとよく笑っています。 通常の声は「わーん」と「あーん」の中間みたいなどこか間の抜けた声。 みうちゃまとケンカして興奮している時は遠吠えのような図太い声を出し、ひょんな拍子に出す声は「あぁん」という女の人の甲高い声。しょんぼりしたときは「くーん」と鳴き、最近は「はーん」「ひーん」「ふーん」「ほーん」というハ行の声を出すようになりました。 もしもおりく坊に「この声出して」っていうお願いが出来たら、バラエティ番組で人気者になれるんですけどね。
チャチャ日記19 犬友達
チャチャのお陰で何人かの犬友ができた。 犬友と言っても犬同士の友達という意味じゃない。犬同士が仲良くなったお陰で飼い主同志が友達になった関係のことだ。 最近の若者たちは友達づくりが下手だという。 部屋の中で一人でゲームばかりしているから生の人間とのコミニュケーションがうまくできないのじゃないだろうか。 出会いがないから結婚ができないと若者は言うがそれは言い訳だ。 僕らの時代に比べれば出会うためのツールはいくらでもあるじゃないか。 公衆電話から彼女に電話を掛けながら、お父さんや兄貴が出たらどうしようとビクビクした経験など今の若者にはないだろう。 スマホがあれば好きな人と直接繋がれる時代。メールやラインを使えば夜中にだってメッセージを伝えることができる。 異性と出会えるチャンスはとても多いと僕は思うのだ。 それでも「出会いがない。」と言う人たちは、出会いがあっても最初の一歩が踏み出せないからだろう。どうやって話し掛けたらいいのか、どうやって仲良くなったらいいのかを躊躇ってしまう。 そんな人たちに僕は犬を飼うことをお勧めしたい。 犬には見栄も外聞も遠慮もない。 当然、犬見尻なんてしない。 道端で会った途端に尻尾を振ってにじり寄りお互いに臭いを嗅ぎ合う。そして気にいればじゃれ合ったりする。 そんな状態になったら飼い主は会話するしかなくなる。 「すいませんね。」「ヤンチャなんで。」などと謝りながら「なんていう犬種なんですか?」「お名前は?」「何歳なの?」などと話し出すのだ。 そして数回会っているうちに「相変わらず暑いですね?」「どの辺りにお住まいですか?」などという雑談ができるようになり、数カ月経つと「3丁目に最近できたイタリアンは美味しいですよ。」とか「夏場は軽井沢に行ってるので遊びに来てください。」などという関係に発展したりする。 僕でさえチャチャを飼ってから、近所の見知らぬおばさんや若い女性と会話する機会が多くなった。あまりに愛想が良くなった僕に妻もビックリだ。 僕がよく散歩する国立競技場の回りでも犬連れ同志が立ち止まって会話をしているシーンをよく見かける。 その中には70過ぎのおじいさんと30代と思えるOL女子や50代後半の頭が禿げたサラリーマンと20代の女子大生なんて組み合わせだってある。 普通に暮らしていたらそんな男女が親しく会話するなんてありえないだろう。 しかし、犬連れならありえるのだ。 そして、一緒にディナーを楽しむ友達へと発展していった人たちもいる。 年齢層が近い男女ならさらに親しくなれる可能性は高い。 だから見栄も外聞もなくすぐに友達になってしまう犬の行動を見習おう! ただし、犬のように会った途端いきなり相手の匂いを嗅いだりしたら嫌われるので要注意だ!
チャチャ日記19 犬友達
チャチャのお陰で何人かの犬友ができた。 犬友と言っても犬同士の友達という意味じゃない。犬同士が仲良くなったお陰で飼い主同志が友達になった関係のことだ。 最近の若者たちは友達づくりが下手だという。 部屋の中で一人でゲームばかりしているから生の人間とのコミニュケーションがうまくできないのじゃないだろうか。 出会いがないから結婚ができないと若者は言うがそれは言い訳だ。 僕らの時代に比べれば出会うためのツールはいくらでもあるじゃないか。 公衆電話から彼女に電話を掛けながら、お父さんや兄貴が出たらどうしようとビクビクした経験など今の若者にはないだろう。 スマホがあれば好きな人と直接繋がれる時代。メールやラインを使えば夜中にだってメッセージを伝えることができる。 異性と出会えるチャンスはとても多いと僕は思うのだ。 それでも「出会いがない。」と言う人たちは、出会いがあっても最初の一歩が踏み出せないからだろう。どうやって話し掛けたらいいのか、どうやって仲良くなったらいいのかを躊躇ってしまう。 そんな人たちに僕は犬を飼うことをお勧めしたい。 犬には見栄も外聞も遠慮もない。 当然、犬見尻なんてしない。 道端で会った途端に尻尾を振ってにじり寄りお互いに臭いを嗅ぎ合う。そして気にいればじゃれ合ったりする。 そんな状態になったら飼い主は会話するしかなくなる。 「すいませんね。」「ヤンチャなんで。」などと謝りながら「なんていう犬種なんですか?」「お名前は?」「何歳なの?」などと話し出すのだ。 そして数回会っているうちに「相変わらず暑いですね?」「どの辺りにお住まいですか?」などという雑談ができるようになり、数カ月経つと「3丁目に最近できたイタリアンは美味しいですよ。」とか「夏場は軽井沢に行ってるので遊びに来てください。」などという関係に発展したりする。 僕でさえチャチャを飼ってから、近所の見知らぬおばさんや若い女性と会話する機会が多くなった。あまりに愛想が良くなった僕に妻もビックリだ。 僕がよく散歩する国立競技場の回りでも犬連れ同志が立ち止まって会話をしているシーンをよく見かける。 その中には70過ぎのおじいさんと30代と思えるOL女子や50代後半の頭が禿げたサラリーマンと20代の女子大生なんて組み合わせだってある。 普通に暮らしていたらそんな男女が親しく会話するなんてありえないだろう。 しかし、犬連れならありえるのだ。 そして、一緒にディナーを楽しむ友達へと発展していった人たちもいる。 年齢層が近い男女ならさらに親しくなれる可能性は高い。 だから見栄も外聞もなくすぐに友達になってしまう犬の行動を見習おう! ただし、犬のように会った途端いきなり相手の匂いを嗅いだりしたら嫌われるので要注意だ!
ルビーの腹時計
Caroline & Ruby in Suzu 初めまして、能登半島の先端にある珠洲市に住んでいる渡邊キャロラインです。 アメリカの大学で日本文学を専攻して、縁があって、卒業直後1987年に珠洲に移住しました。愛犬ルビー(本名ルバーブ)と過疎化が進んでいる能登の里山に暮らしています。 有機家庭菜園、養鶏、養蜂、薪作り、陶芸などは私達の日常生活を豊かし田舎暮らしを満喫しています。ルビーが4代目の愛犬として2020年の秋に家族に加わりました5歳のダルメシアンです。 これから能登での私達の生活や思いを綴ります。どうぞ宜しくお願いします。 地震直後のルビーの住まい。 元々そんなに規則正しい生活を送っていた訳ではないですが2024年元旦の能登地震以来はルビーとの生活リズムが狂ったのは事実です。ルビーの朝晩のご飯の時間はそれなりに守る事はできましたが避難状況により食べる場所が今までのように一定ではなかった。避難所にはルビーが入れなかったので最初の半月ほどは車の中で食べる事が多かった。家のストッカーに入っていたルビー用の猪肉は停電でいつまで持つか気になったが幸い夏ではなかった。蛇口からは水は出なかったが家の周りには水路の水がいっぱい流れていて、雪も積もっていましたので作業場にあったストーブでルビーのご飯が作れました。1月前半は夕方暗くなる頃に隣のお婆ちゃんを乗せて避難所(旧上黒丸小学校)へ行き、朝明るくなったら、隣のお婆ちゃんと一緒にそれぞれの家に戻るパターンになりました。その内ガソリンが買えるようになって、街まで行けば電波もあって、家族や友人と連絡をとる事ができました。隣の能登町に住んでいた友達の家には被害がほとんどなくて、断水はしていましたが電気がありました。その友達も動物が大好きな方で、家の横にある離れをルビーと一緒にどうぞ使って下さいと気前よく言って下さいました。 避難先の初日は机の下でやっと落ち着いて寝ました。 自宅に鶏と猫達が居たのでほとんど毎日能登町から家までの片道30kmを通う事になりましたがルビーの朝晩のご飯はその時から避難先の部屋で落ち着いて食べれるようになりました。しかしルビーの日常には朝ご飯と晩ご飯の他に回数多くオヤツをもらえるように心がけています。朝起きたら私は先ずコーヒーを淹れます。ルビーがコーヒーマシンの音を聞くとオヤツがもらえるのは当たり前のことです。それからお散歩に出かけます。ほとんど放し飼いでの散歩なので、車が現れたら私の足元まで走って座ったらご褒美が貰える。お散歩の後に朝ごはんを食べてしばらく休みます。午後にはまた決まりのおやつの時間があります、3時にはミルクボーンが当たる。私は畑仕事しているとわざわざ3時に家に戻ってルビーにオヤツをあげる事はしないですがここ数ヶ月家の工事で職人さんが来て頂くことが多くて、3時の一服を忘れないように心がけています。しかし私が忘れようとしても、ルビーがちゃんと知らせてくれます。彼女の腹時計が頼りになる。 地震直後ルビー用の猪肉を炊いている
ルビーの腹時計
Caroline & Ruby in Suzu 初めまして、能登半島の先端にある珠洲市に住んでいる渡邊キャロラインです。 アメリカの大学で日本文学を専攻して、縁があって、卒業直後1987年に珠洲に移住しました。愛犬ルビー(本名ルバーブ)と過疎化が進んでいる能登の里山に暮らしています。 有機家庭菜園、養鶏、養蜂、薪作り、陶芸などは私達の日常生活を豊かし田舎暮らしを満喫しています。ルビーが4代目の愛犬として2020年の秋に家族に加わりました5歳のダルメシアンです。 これから能登での私達の生活や思いを綴ります。どうぞ宜しくお願いします。 地震直後のルビーの住まい。 元々そんなに規則正しい生活を送っていた訳ではないですが2024年元旦の能登地震以来はルビーとの生活リズムが狂ったのは事実です。ルビーの朝晩のご飯の時間はそれなりに守る事はできましたが避難状況により食べる場所が今までのように一定ではなかった。避難所にはルビーが入れなかったので最初の半月ほどは車の中で食べる事が多かった。家のストッカーに入っていたルビー用の猪肉は停電でいつまで持つか気になったが幸い夏ではなかった。蛇口からは水は出なかったが家の周りには水路の水がいっぱい流れていて、雪も積もっていましたので作業場にあったストーブでルビーのご飯が作れました。1月前半は夕方暗くなる頃に隣のお婆ちゃんを乗せて避難所(旧上黒丸小学校)へ行き、朝明るくなったら、隣のお婆ちゃんと一緒にそれぞれの家に戻るパターンになりました。その内ガソリンが買えるようになって、街まで行けば電波もあって、家族や友人と連絡をとる事ができました。隣の能登町に住んでいた友達の家には被害がほとんどなくて、断水はしていましたが電気がありました。その友達も動物が大好きな方で、家の横にある離れをルビーと一緒にどうぞ使って下さいと気前よく言って下さいました。 避難先の初日は机の下でやっと落ち着いて寝ました。 自宅に鶏と猫達が居たのでほとんど毎日能登町から家までの片道30kmを通う事になりましたがルビーの朝晩のご飯はその時から避難先の部屋で落ち着いて食べれるようになりました。しかしルビーの日常には朝ご飯と晩ご飯の他に回数多くオヤツをもらえるように心がけています。朝起きたら私は先ずコーヒーを淹れます。ルビーがコーヒーマシンの音を聞くとオヤツがもらえるのは当たり前のことです。それからお散歩に出かけます。ほとんど放し飼いでの散歩なので、車が現れたら私の足元まで走って座ったらご褒美が貰える。お散歩の後に朝ごはんを食べてしばらく休みます。午後にはまた決まりのおやつの時間があります、3時にはミルクボーンが当たる。私は畑仕事しているとわざわざ3時に家に戻ってルビーにオヤツをあげる事はしないですがここ数ヶ月家の工事で職人さんが来て頂くことが多くて、3時の一服を忘れないように心がけています。しかし私が忘れようとしても、ルビーがちゃんと知らせてくれます。彼女の腹時計が頼りになる。 地震直後ルビー用の猪肉を炊いている