森海コラム

森から海へ主催の鹿ツアーで受け取った、意識的に捉えるあり方

森から海へ主催の鹿ツアーで受け取った、意識的に捉えるあり方

11/4、三連休の最終日。 私は一般社団法人森から海へが主催する『鹿と森と人の関係を知る』日帰りツアーへ行ってきました。 当日は新宿駅に集合し、バスで山梨県の道志村へ。 2時間ほどのバスの道中では、元麻布大学教授であり40年以上も鹿の生態系の研究をされている南正人先生のノンストップラジオ(という名の講座とQ&A)。   道志村到着後は、地元で活躍されているハンターの皆さんのガイドで鹿の痕跡を見るべく急斜面の山へ。   その後ハンターの方々のお話を聞き、ランチには捕獲した鹿を使った鹿肉のシチューやボロネーゼ(商品としてレトルトパウチで販売されています)を。   最後に、本日のメインとも言える鹿の解体を体験させていただきました。   非常に受け取るものが多く、その中で私の深いところに触れたものを綴ります。 ※鹿の解体画像を載せてますので、苦手な方はご注意ください   南先生のニュートラルであり続ける姿勢   私が今回最も深く感化されたのは、南先生のあり方です。   森から海への評議員でもある南先生。 評議員、大学教授・・・というお役柄だけ聞くとなんだか堅苦しく感じていたのですが、実際は全く逆。 とてもやわらかくニュートラルな方です。   鹿が増えていることは事実。 それにより、森が枯れて生態系全体に影響が出ていることも事実。 また、農業や林業等の人間の活動にも被害が出ていることも事実。   しかし、南先生は鹿が増えていることを100%「問題」として捉えてはいません。 鹿を悪者にもしていません。 一切、決めつけていません。 このあり方は、40年以上も鹿をめぐる生態系を研究されてきたからこそなのだろうと思います。...

森から海へ主催の鹿ツアーで受け取った、意識的に捉えるあり方

11/4、三連休の最終日。 私は一般社団法人森から海へが主催する『鹿と森と人の関係を知る』日帰りツアーへ行ってきました。 当日は新宿駅に集合し、バスで山梨県の道志村へ。 2時間ほどのバスの道中では、元麻布大学教授であり40年以上も鹿の生態系の研究をされている南正人先生のノンストップラジオ(という名の講座とQ&A)。   道志村到着後は、地元で活躍されているハンターの皆さんのガイドで鹿の痕跡を見るべく急斜面の山へ。   その後ハンターの方々のお話を聞き、ランチには捕獲した鹿を使った鹿肉のシチューやボロネーゼ(商品としてレトルトパウチで販売されています)を。   最後に、本日のメインとも言える鹿の解体を体験させていただきました。   非常に受け取るものが多く、その中で私の深いところに触れたものを綴ります。 ※鹿の解体画像を載せてますので、苦手な方はご注意ください   南先生のニュートラルであり続ける姿勢   私が今回最も深く感化されたのは、南先生のあり方です。   森から海への評議員でもある南先生。 評議員、大学教授・・・というお役柄だけ聞くとなんだか堅苦しく感じていたのですが、実際は全く逆。 とてもやわらかくニュートラルな方です。   鹿が増えていることは事実。 それにより、森が枯れて生態系全体に影響が出ていることも事実。 また、農業や林業等の人間の活動にも被害が出ていることも事実。   しかし、南先生は鹿が増えていることを100%「問題」として捉えてはいません。 鹿を悪者にもしていません。 一切、決めつけていません。 このあり方は、40年以上も鹿をめぐる生態系を研究されてきたからこそなのだろうと思います。...

愛猫の健康を守るためのアレルギー対策:適切なペットフードの選び方

愛猫の健康を守るためのアレルギー対策:適切なペットフードの選び方

猫の健康と快適な生活を保つためには、食物アレルギー対策が重要です。猫も人間と同じく、特定の食材や成分に対するアレルギー反応を引き起こすことがあります。この反応は、かゆみや脱毛、消化不良といった症状として現れ、ひどい場合には命に関わる可能性もあるため、飼い主は慎重にフードを選ぶ必要があります。ここでは、猫の食物アレルギーの原因、症状、アレルギー対応フードの選び方について説明します。 1. 猫の食物アレルギーの原因 猫の食物アレルギーの原因は、主にタンパク質源にあることが多いです。特に以下の成分がアレルゲンとなりやすいとされています: 牛肉と鶏肉 多くのキャットフードに使用される牛肉や鶏肉は、猫が最もアレルギーを起こしやすいタンパク質源の一つです。通常、特定のタンパク質に長期間接していると、その成分に対する耐性が減少し、アレルギーを引き起こしやすくなります。 乳製品 牛乳やチーズなどの乳製品も、猫がアレルギーを起こしやすい成分です。猫は基本的に乳糖不耐症であり、消化に負担がかかるため、下痢や消化不良が発生することがあります。 魚 魚もアレルギー源になることがあり、特にマグロやサーモンなどの一部の魚はアレルギー反応を引き起こすことが報告されています。 2. 猫の食物アレルギーの症状 猫がアレルギー反応を起こすと、以下のような症状が見られることが多いです: 皮膚のかゆみと脱毛 猫はかゆみを感じると、自分でかきむしったり、過剰に毛づくろいを行います。そのため、皮膚に赤みや脱毛が見られることが多いです。 消化器症状 下痢や嘔吐など、消化器系の異常も猫の食物アレルギーの典型的な症状です。これは、アレルゲンが体内で消化されにくく、腸内で炎症を引き起こすためです。 耳や目の分泌物 耳や目に異常な分泌物が現れることがあります。耳の中が赤くなったり、耳垢が増えたりするのもアレルギー症状の一つです。 3. アレルギー対応フードの選び方 アレルギーのある猫に適切なフードを選ぶためには、以下のポイントを考慮しましょう。 限定成分ダイエット(Limited Ingredient Diet) LIDは、成分を最小限に制限し、特定のアレルゲンを排除するフードです。これにより、アレルギーの原因となる特定の成分を避けやすくなります。通常、1種類のタンパク質と1種類の炭水化物のみを使用し、猫がアレルギー反応を示すかどうかを確認しやすくしています。 新奇タンパク質の使用 一般的な牛肉や鶏肉を避け、新しいタンパク源として鹿肉やカンガルー肉、ウサギ肉などを使用したフードを試すのも効果的です。これらの新奇タンパク質は猫にとって初めての食材であることが多く、アレルギーを引き起こしにくいとされています。 穀物不使用(グレインフリー) 小麦やトウモロコシなどの穀物もアレルゲンとなることがあり、グレインフリーフードが好まれる場合があります。ただし、猫は本来肉食動物であり、炭水化物の摂取を必要としないため、無理に穀物を含めたフードを選ぶ必要はありません。...

愛猫の健康を守るためのアレルギー対策:適切なペットフードの選び方

猫の健康と快適な生活を保つためには、食物アレルギー対策が重要です。猫も人間と同じく、特定の食材や成分に対するアレルギー反応を引き起こすことがあります。この反応は、かゆみや脱毛、消化不良といった症状として現れ、ひどい場合には命に関わる可能性もあるため、飼い主は慎重にフードを選ぶ必要があります。ここでは、猫の食物アレルギーの原因、症状、アレルギー対応フードの選び方について説明します。 1. 猫の食物アレルギーの原因 猫の食物アレルギーの原因は、主にタンパク質源にあることが多いです。特に以下の成分がアレルゲンとなりやすいとされています: 牛肉と鶏肉 多くのキャットフードに使用される牛肉や鶏肉は、猫が最もアレルギーを起こしやすいタンパク質源の一つです。通常、特定のタンパク質に長期間接していると、その成分に対する耐性が減少し、アレルギーを引き起こしやすくなります。 乳製品 牛乳やチーズなどの乳製品も、猫がアレルギーを起こしやすい成分です。猫は基本的に乳糖不耐症であり、消化に負担がかかるため、下痢や消化不良が発生することがあります。 魚 魚もアレルギー源になることがあり、特にマグロやサーモンなどの一部の魚はアレルギー反応を引き起こすことが報告されています。 2. 猫の食物アレルギーの症状 猫がアレルギー反応を起こすと、以下のような症状が見られることが多いです: 皮膚のかゆみと脱毛 猫はかゆみを感じると、自分でかきむしったり、過剰に毛づくろいを行います。そのため、皮膚に赤みや脱毛が見られることが多いです。 消化器症状 下痢や嘔吐など、消化器系の異常も猫の食物アレルギーの典型的な症状です。これは、アレルゲンが体内で消化されにくく、腸内で炎症を引き起こすためです。 耳や目の分泌物 耳や目に異常な分泌物が現れることがあります。耳の中が赤くなったり、耳垢が増えたりするのもアレルギー症状の一つです。 3. アレルギー対応フードの選び方 アレルギーのある猫に適切なフードを選ぶためには、以下のポイントを考慮しましょう。 限定成分ダイエット(Limited Ingredient Diet) LIDは、成分を最小限に制限し、特定のアレルゲンを排除するフードです。これにより、アレルギーの原因となる特定の成分を避けやすくなります。通常、1種類のタンパク質と1種類の炭水化物のみを使用し、猫がアレルギー反応を示すかどうかを確認しやすくしています。 新奇タンパク質の使用 一般的な牛肉や鶏肉を避け、新しいタンパク源として鹿肉やカンガルー肉、ウサギ肉などを使用したフードを試すのも効果的です。これらの新奇タンパク質は猫にとって初めての食材であることが多く、アレルギーを引き起こしにくいとされています。 穀物不使用(グレインフリー) 小麦やトウモロコシなどの穀物もアレルゲンとなることがあり、グレインフリーフードが好まれる場合があります。ただし、猫は本来肉食動物であり、炭水化物の摂取を必要としないため、無理に穀物を含めたフードを選ぶ必要はありません。...

愛犬のペットフード選び:量と質の調整による健康への影響と適切な管理方法

愛犬のペットフード選び:量と質の調整による健康への影響と適切な管理方法

犬の健康管理において、ペットフードの「量」と「質」は重要なポイントです。栄養バランスの良いペットフードを適切な量で与えることは、犬の成長、免疫力、活力を保つうえで不可欠です。しかし、犬の年齢や体調に応じて、量や質を見直す必要があり、誤った選択は肥満や栄養不良の原因になることもあります。この記事では、犬のペットフードの量と質を調整する重要性について解説し、犬にとって最適な栄養管理方法を紹介します。 1. ペットフードの量と犬の健康 犬に与えるペットフードの量は、犬種や体重、年齢、活動量によって異なります。適切な量を与えることで、犬の健康を維持しやすくなりますが、以下の点にも気を配ることが大切です。 年齢とライフステージに応じた調整 子犬や成犬、シニア犬では必要なエネルギー量が異なります。例えば、子犬には成長に必要なエネルギーが多いため、量もやや多めに設定されることが一般的です。一方、シニア犬は活動量が減るため、同じ量を与えると肥満のリスクが高まります。 肥満防止のための量の管理 犬の肥満は、関節の負担増加や心臓疾患のリスクを高めます。そのため、飼い主は「おやつ」なども含めた一日の総カロリー量を把握し、適量を守ることが重要です。肥満気味の犬には、カロリー控えめのフードや、満腹感が得られやすい成分が配合されたフードが推奨されることが多いです。 運動量とのバランス 活発に動く犬にはエネルギーが多く必要ですが、運動量が少ない犬には食事量を減らす必要があります。運動量に合わせたフード量を調整することで、犬の体重管理が容易になります。 2. ペットフードの質がもたらす影響 質の良いペットフードは、犬の健康に直接的な影響を与えます。一般的に、質の高いペットフードは消化吸収が良く、内臓にかかる負担が少ないため、健康維持に役立ちます。 タンパク質の質と量 犬は主に動物性タンパク質から栄養を摂取します。質の高いタンパク質源(鶏肉、魚、鹿肉など)は消化が良く、筋肉維持や免疫力の強化に貢献します。安価なフードには質の低いタンパク質が含まれることがあり、これが長期的に健康問題を引き起こす原因になる可能性があります。 添加物と保存料の少なさ 一部の市販フードには人工的な添加物や保存料が含まれています。無添加、オーガニックのフードを選ぶことで、内臓への負担を減らし、長期的な健康をサポートしやすくなります。特に、低アレルゲンの素材で作られたフードは、アレルギー症状を持つ犬にとっても安全です。 ビタミンとミネラルのバランス 質の良いペットフードは、必須ビタミンやミネラルも適切に配合されています。これらは皮膚や被毛の健康、免疫力の強化、骨や歯の発達に寄与します。 3. 量と質を変えるタイミングと注意点 犬の体調や生活環境が変わると、ペットフードの量や質を見直すタイミングが訪れます。 年齢の変化 成長段階に合わせてフードを変えることは重要です。成犬期に突入すると、カロリーの高い子犬用フードは避ける必要が出てきます。また、シニア期には消化吸収に優れたシニア向けフードに変更することが勧められます。 季節の変化 冬は体温維持のために多めのエネルギーが必要な場合がありますが、夏は逆に運動量が減ることも多いため、カロリーの少ないフードに切り替えるなど、季節に応じた調整も役立ちます。 体調不良時 病気の治療中や回復期には、消化の良いフードを少量ずつ与えるなどの対応が必要です。獣医の指導のもと、犬の体調に合わせたフード選びが大切です。 4. 鹿肉を使ったペットフードのメリット...

愛犬のペットフード選び:量と質の調整による健康への影響と適切な管理方法

犬の健康管理において、ペットフードの「量」と「質」は重要なポイントです。栄養バランスの良いペットフードを適切な量で与えることは、犬の成長、免疫力、活力を保つうえで不可欠です。しかし、犬の年齢や体調に応じて、量や質を見直す必要があり、誤った選択は肥満や栄養不良の原因になることもあります。この記事では、犬のペットフードの量と質を調整する重要性について解説し、犬にとって最適な栄養管理方法を紹介します。 1. ペットフードの量と犬の健康 犬に与えるペットフードの量は、犬種や体重、年齢、活動量によって異なります。適切な量を与えることで、犬の健康を維持しやすくなりますが、以下の点にも気を配ることが大切です。 年齢とライフステージに応じた調整 子犬や成犬、シニア犬では必要なエネルギー量が異なります。例えば、子犬には成長に必要なエネルギーが多いため、量もやや多めに設定されることが一般的です。一方、シニア犬は活動量が減るため、同じ量を与えると肥満のリスクが高まります。 肥満防止のための量の管理 犬の肥満は、関節の負担増加や心臓疾患のリスクを高めます。そのため、飼い主は「おやつ」なども含めた一日の総カロリー量を把握し、適量を守ることが重要です。肥満気味の犬には、カロリー控えめのフードや、満腹感が得られやすい成分が配合されたフードが推奨されることが多いです。 運動量とのバランス 活発に動く犬にはエネルギーが多く必要ですが、運動量が少ない犬には食事量を減らす必要があります。運動量に合わせたフード量を調整することで、犬の体重管理が容易になります。 2. ペットフードの質がもたらす影響 質の良いペットフードは、犬の健康に直接的な影響を与えます。一般的に、質の高いペットフードは消化吸収が良く、内臓にかかる負担が少ないため、健康維持に役立ちます。 タンパク質の質と量 犬は主に動物性タンパク質から栄養を摂取します。質の高いタンパク質源(鶏肉、魚、鹿肉など)は消化が良く、筋肉維持や免疫力の強化に貢献します。安価なフードには質の低いタンパク質が含まれることがあり、これが長期的に健康問題を引き起こす原因になる可能性があります。 添加物と保存料の少なさ 一部の市販フードには人工的な添加物や保存料が含まれています。無添加、オーガニックのフードを選ぶことで、内臓への負担を減らし、長期的な健康をサポートしやすくなります。特に、低アレルゲンの素材で作られたフードは、アレルギー症状を持つ犬にとっても安全です。 ビタミンとミネラルのバランス 質の良いペットフードは、必須ビタミンやミネラルも適切に配合されています。これらは皮膚や被毛の健康、免疫力の強化、骨や歯の発達に寄与します。 3. 量と質を変えるタイミングと注意点 犬の体調や生活環境が変わると、ペットフードの量や質を見直すタイミングが訪れます。 年齢の変化 成長段階に合わせてフードを変えることは重要です。成犬期に突入すると、カロリーの高い子犬用フードは避ける必要が出てきます。また、シニア期には消化吸収に優れたシニア向けフードに変更することが勧められます。 季節の変化 冬は体温維持のために多めのエネルギーが必要な場合がありますが、夏は逆に運動量が減ることも多いため、カロリーの少ないフードに切り替えるなど、季節に応じた調整も役立ちます。 体調不良時 病気の治療中や回復期には、消化の良いフードを少量ずつ与えるなどの対応が必要です。獣医の指導のもと、犬の体調に合わせたフード選びが大切です。 4. 鹿肉を使ったペットフードのメリット...

チャチャ日記12

チャチャ日記12

ヨーロッパから日本に赴任して数年間働いた後、久しぶりに故郷に帰った外国人の話が面白かった。 その外国人、自国に帰って一番驚いたことは「なんて街の中に犬の糞が多いんだ!」だったそうである。 来日する前は街の中の犬の糞などまるで気にならなかった。 ところが日本で長く滞在しているうちに、犬の糞がない街の風景に慣れてしまい、故郷の街の不潔さに気付かされたのだという。日本人はとても清潔好きだ。 そして何より他人に迷惑を掛けちゃいけないという教えが徹底している。 犬の糞は飼い主が責任を持って片付ける。おしっこをした場合はペットボトルの水を振りかけて臭いが残らないようにする。そこまで気の遣っている国民は世界中探しても他にはいないだろう。 フランスでは犬の糞を片付けてはいけないのだという。犬の糞を片付ける専門の清掃員の人の仕事を奪ってしまうことになるからだそうだ。 世界中の人が日本にやって来て「街の中がきれいですね。」と言う理由は、もしかしたら犬の糞がないからかもしれない。 僕もチャチャと散歩する時は、チャチャの糞の処理には最新の注意を払う。 しかし、チャチャがどのタイミングで便意を催すかはわからない。辺りの匂いをくんくん嗅ぎ始めて、くるくる回わりだした時は要注意だ。 チャチャには好みのトイレスペースがいくつかある。マンションの前の植え込み、お寺の境内のイチョウの大木の前などは特にお気に入りだ。 でも時には「ここだけは止めてくれ!」と言いたくなる所でもよおすこともある。 その一つが高級マンションのエントランスである。千駄ヶ谷には一区画1億円から3億円もする高級マンションがいくつもある。 そんな億ションのピカピカの玄関の自動ドア前でウロウロし始めた時は慌ててしまう。 「ダメだ、ダメだ、ここだけはダメだ、道路の方に移動してくれ!」と話し掛けながらリードを引っ張る。 チャチャにしてみれば何故だか良くわからない。「何処でもいいじゃないか、ここでしたいんだ!」と言いたげだ。 さらにもう一つ。 チャチャの困ってしまう所は高級外車の前である。 「ここもダメだよ!」と声を掛けるのだが、チャチャは何故だかわからない。 「いいか、チャチャ、これは最高級車なんだ。ベンツSクラスって言うだ。この車の前は避けなきゃイカン!」 そんな忠告を無視して脱糞し始めたチャチャに慌てた。 僕は持ち主が出てこやしないかと冷や冷やながら、チャチャがコトを済ますのを待つしかない。 ベンツやポルシェの前で糞をしたくなるのはセレブな生活に妬みがあるからなのか? 「でもな、毎日鹿肉を食べているおまえだって十分にセレブな暮らしをしてるんだぞ!」と、僕はチャチャに語り掛けたのだった。  

チャチャ日記12

ヨーロッパから日本に赴任して数年間働いた後、久しぶりに故郷に帰った外国人の話が面白かった。 その外国人、自国に帰って一番驚いたことは「なんて街の中に犬の糞が多いんだ!」だったそうである。 来日する前は街の中の犬の糞などまるで気にならなかった。 ところが日本で長く滞在しているうちに、犬の糞がない街の風景に慣れてしまい、故郷の街の不潔さに気付かされたのだという。日本人はとても清潔好きだ。 そして何より他人に迷惑を掛けちゃいけないという教えが徹底している。 犬の糞は飼い主が責任を持って片付ける。おしっこをした場合はペットボトルの水を振りかけて臭いが残らないようにする。そこまで気の遣っている国民は世界中探しても他にはいないだろう。 フランスでは犬の糞を片付けてはいけないのだという。犬の糞を片付ける専門の清掃員の人の仕事を奪ってしまうことになるからだそうだ。 世界中の人が日本にやって来て「街の中がきれいですね。」と言う理由は、もしかしたら犬の糞がないからかもしれない。 僕もチャチャと散歩する時は、チャチャの糞の処理には最新の注意を払う。 しかし、チャチャがどのタイミングで便意を催すかはわからない。辺りの匂いをくんくん嗅ぎ始めて、くるくる回わりだした時は要注意だ。 チャチャには好みのトイレスペースがいくつかある。マンションの前の植え込み、お寺の境内のイチョウの大木の前などは特にお気に入りだ。 でも時には「ここだけは止めてくれ!」と言いたくなる所でもよおすこともある。 その一つが高級マンションのエントランスである。千駄ヶ谷には一区画1億円から3億円もする高級マンションがいくつもある。 そんな億ションのピカピカの玄関の自動ドア前でウロウロし始めた時は慌ててしまう。 「ダメだ、ダメだ、ここだけはダメだ、道路の方に移動してくれ!」と話し掛けながらリードを引っ張る。 チャチャにしてみれば何故だか良くわからない。「何処でもいいじゃないか、ここでしたいんだ!」と言いたげだ。 さらにもう一つ。 チャチャの困ってしまう所は高級外車の前である。 「ここもダメだよ!」と声を掛けるのだが、チャチャは何故だかわからない。 「いいか、チャチャ、これは最高級車なんだ。ベンツSクラスって言うだ。この車の前は避けなきゃイカン!」 そんな忠告を無視して脱糞し始めたチャチャに慌てた。 僕は持ち主が出てこやしないかと冷や冷やながら、チャチャがコトを済ますのを待つしかない。 ベンツやポルシェの前で糞をしたくなるのはセレブな生活に妬みがあるからなのか? 「でもな、毎日鹿肉を食べているおまえだって十分にセレブな暮らしをしてるんだぞ!」と、僕はチャチャに語り掛けたのだった。  

チャチャ日記11

チャチャ日記11

チャチャのお陰で早起きと朝の散歩がルーチンワークになってしまった。 チャチャを飼うまでまるで知らなかった早朝の街では様々な生物が活発に行動している。 中でも驚いたのはハクビシンだ。 頭上で黒い影が動いたことに気が付いて空を見上げると地上10m程の電線の上をハクビシンが歩いていた。 電線から電線、電線から電柱、マンションのベランダへと迷うことなくスルスルスルスルと忍者のように移動していく。 きっとそのルートを毎日辿って繁華街に通うのだろう。 人間たちが眠っている間にハクビシンは僕らの寝室の目と鼻の先を通過しているのだ。5階の部屋だって彼の散歩道だと思うと仰天だ。 鼻のいいチャチャは街のあちこちで隠れている生物を見つけるのが得意だ。 自動販売機の下のネズミ、巣から落ちたスズメ、寒くて動けなくなったシジュウカラなど、これまでに色んな生き物を見つけ出してきた。 中でもよく出会うのは猫である。 チャチャが足を止めて仕切りに車の下を覗き込むので確かめてみると猫がいた チャチャはどんな生物に対しても友好的だから「ねぇ一緒に遊ぼうよ!」と尻尾を振りながら近づいていく。 猫の方はと言うと「なんだよ、うるせぇな、こっち来るんじゃねぇぞ、猫パンチ食らわすぞ・・・」と陰険な目つきで睨み返す。 それでもさらに近づこうとすると「シャーーッ」と唸り声を上げて飛び掛かろうとする。 僕は慌ててリードを引くことになる。 早朝の定番と言えばカラスである。 ゴミ袋を破り残飯を引っ張り出し食べているカラスとよく出会う。 きちんと網を掛けておけばいいのにと思うのだが、カラスは網の隙間からゴミ袋を器用に引っ張り出してしまう。 カラスは賢いのでチャチャが紐に繋がれていると高を括って決して逃げることがない。 チャチャと程よい距離を保ちながら悠然と餌を漁り続ける。チャチャが近づこうとするとスキップするように1m程離れてチャチャの顔を見る。 そして「どうせ紐に繋がれてんだろ。捕まえられるもんなら捕まえてみな!」とからかってくる。 チャチャはどんな生物に対しても友好的だけど、最初から戦闘的な生物もいる。 それは猿だ。 僕の別宅がある湯河原町では猿が町に降りてくる。友好的なチャチャが尻尾を振りながら近づいていく時、猿は最初から戦闘モードだ。 屋根から飛び降りて来てチャチャの目の前の交通標識に掴まってグラングランと揺さぶりチャチャを威嚇する。 物凄い迫力である。 まさに犬猿の中。何百年も前から憎しみ合っていることがよくわかった。 散歩の途中で色んな生物と出会いながら、チャチャも徐々に大人になってきた。 「友達は選んで付き合わなきゃ。」と最近は思っているようである。  ...

チャチャ日記11

チャチャのお陰で早起きと朝の散歩がルーチンワークになってしまった。 チャチャを飼うまでまるで知らなかった早朝の街では様々な生物が活発に行動している。 中でも驚いたのはハクビシンだ。 頭上で黒い影が動いたことに気が付いて空を見上げると地上10m程の電線の上をハクビシンが歩いていた。 電線から電線、電線から電柱、マンションのベランダへと迷うことなくスルスルスルスルと忍者のように移動していく。 きっとそのルートを毎日辿って繁華街に通うのだろう。 人間たちが眠っている間にハクビシンは僕らの寝室の目と鼻の先を通過しているのだ。5階の部屋だって彼の散歩道だと思うと仰天だ。 鼻のいいチャチャは街のあちこちで隠れている生物を見つけるのが得意だ。 自動販売機の下のネズミ、巣から落ちたスズメ、寒くて動けなくなったシジュウカラなど、これまでに色んな生き物を見つけ出してきた。 中でもよく出会うのは猫である。 チャチャが足を止めて仕切りに車の下を覗き込むので確かめてみると猫がいた チャチャはどんな生物に対しても友好的だから「ねぇ一緒に遊ぼうよ!」と尻尾を振りながら近づいていく。 猫の方はと言うと「なんだよ、うるせぇな、こっち来るんじゃねぇぞ、猫パンチ食らわすぞ・・・」と陰険な目つきで睨み返す。 それでもさらに近づこうとすると「シャーーッ」と唸り声を上げて飛び掛かろうとする。 僕は慌ててリードを引くことになる。 早朝の定番と言えばカラスである。 ゴミ袋を破り残飯を引っ張り出し食べているカラスとよく出会う。 きちんと網を掛けておけばいいのにと思うのだが、カラスは網の隙間からゴミ袋を器用に引っ張り出してしまう。 カラスは賢いのでチャチャが紐に繋がれていると高を括って決して逃げることがない。 チャチャと程よい距離を保ちながら悠然と餌を漁り続ける。チャチャが近づこうとするとスキップするように1m程離れてチャチャの顔を見る。 そして「どうせ紐に繋がれてんだろ。捕まえられるもんなら捕まえてみな!」とからかってくる。 チャチャはどんな生物に対しても友好的だけど、最初から戦闘的な生物もいる。 それは猿だ。 僕の別宅がある湯河原町では猿が町に降りてくる。友好的なチャチャが尻尾を振りながら近づいていく時、猿は最初から戦闘モードだ。 屋根から飛び降りて来てチャチャの目の前の交通標識に掴まってグラングランと揺さぶりチャチャを威嚇する。 物凄い迫力である。 まさに犬猿の中。何百年も前から憎しみ合っていることがよくわかった。 散歩の途中で色んな生物と出会いながら、チャチャも徐々に大人になってきた。 「友達は選んで付き合わなきゃ。」と最近は思っているようである。  ...

チャチャ日記10

チャチャ日記10

チャチャが我が家にやって来てからちょうど1年が経過した。 ジャックラッセルテリアはしっかり運動させないと吠え癖、噛み癖などが始まり手が付けられなくなるというので、毎朝1時間半の散歩をしてきた。 「いつまで続くのかな?」と不安に思っていたが、結局1年間休まずに続いた。 スマホのアプリで確認してみると、なんとこの1年間の1日当たりの平均歩数は8800歩。これは驚異的な数字だ。 デスクワークが忙しかったり雨が降ったりしたら当然歩数も減る。スマホを持ち歩かない日だってある。 それなのに9000歩近いということは、連日のように1万歩越えているということになる。 会社勤めをしていた頃、1万歩越える人ってどんなライフスタイルなんだと思っていたけど今なら納得できる。 犬を飼えば誰でも1日1万歩を達成できるのだ。 チャチャは朝の散歩の要領がどんどん良くなっている。 最初の頃は夜明け前から「行こう行こう!早く行こう!!」と寝ている僕を起こしに来たのだが、最近はご主人様の段取りを熟知していて焦ることがない。 「どうせ準備に時間が掛かるんでしょ。」と言わんばかりに自分のベッドでのんびり僕が着替えるのを待っているのだ。 ウィンドブレーカーを着て手袋をして帽子を被り、ウンチ回収セットを手提げ袋に入れて、玄関まで行くと「やっと準備できたか。」と言わんばかりに僕の足元にやって来る。 「おまえがご主人様みたいじゃないか!」 家の外に出るとその途端に、チャチャの足取りが軽くなる。尻尾がピンと跳ね上がり胸を張ってトントントンと調子よく歩き出すのだ。 ところが家に戻ろうとすると一気に足取りが重くなる。「まだ帰りたくない!」と足を踏ん張り「そっちには行かないよ!」と動かなくなる。踏ん張る力はなかなかのもんだ。 そんな時、僕は必殺アイテムを取り出すのだ。手提げ袋の中のスーパーボールを見せると、途端にチャチャの目がキラキラと輝き出す。 車が来ないタイミングを見計らって道路にスーパーボールを転がすと、ウサギのように跳ねてボールを追い掛ける。これを何度も繰り返してるうちに我が家に近づいていくのだ。 しかし、しばらくするとその作戦も見透かされてくる。 「あれっ、家の近くだぞ。」と思うと、チャチャのスピードがダウン。 次に僕が取り出すのは、伝家の宝刀・鹿肉ジャーキーである。 鹿肉ジャーキーが出てくると、チャチャは他に何も見えなくなり、思い切り飛びついてくる。 チャチャのジャンプをうまくかわしながらマンションの裏門に誘導し、扉を開けたところで鹿肉を与える。 いつの間にか家に帰ってしまったチャチャは「あれれっ?」という顔をしながらも「まっいいか、鹿肉ジャーキー食べれたし。」と満足そうな顔をするのである。

チャチャ日記10

チャチャが我が家にやって来てからちょうど1年が経過した。 ジャックラッセルテリアはしっかり運動させないと吠え癖、噛み癖などが始まり手が付けられなくなるというので、毎朝1時間半の散歩をしてきた。 「いつまで続くのかな?」と不安に思っていたが、結局1年間休まずに続いた。 スマホのアプリで確認してみると、なんとこの1年間の1日当たりの平均歩数は8800歩。これは驚異的な数字だ。 デスクワークが忙しかったり雨が降ったりしたら当然歩数も減る。スマホを持ち歩かない日だってある。 それなのに9000歩近いということは、連日のように1万歩越えているということになる。 会社勤めをしていた頃、1万歩越える人ってどんなライフスタイルなんだと思っていたけど今なら納得できる。 犬を飼えば誰でも1日1万歩を達成できるのだ。 チャチャは朝の散歩の要領がどんどん良くなっている。 最初の頃は夜明け前から「行こう行こう!早く行こう!!」と寝ている僕を起こしに来たのだが、最近はご主人様の段取りを熟知していて焦ることがない。 「どうせ準備に時間が掛かるんでしょ。」と言わんばかりに自分のベッドでのんびり僕が着替えるのを待っているのだ。 ウィンドブレーカーを着て手袋をして帽子を被り、ウンチ回収セットを手提げ袋に入れて、玄関まで行くと「やっと準備できたか。」と言わんばかりに僕の足元にやって来る。 「おまえがご主人様みたいじゃないか!」 家の外に出るとその途端に、チャチャの足取りが軽くなる。尻尾がピンと跳ね上がり胸を張ってトントントンと調子よく歩き出すのだ。 ところが家に戻ろうとすると一気に足取りが重くなる。「まだ帰りたくない!」と足を踏ん張り「そっちには行かないよ!」と動かなくなる。踏ん張る力はなかなかのもんだ。 そんな時、僕は必殺アイテムを取り出すのだ。手提げ袋の中のスーパーボールを見せると、途端にチャチャの目がキラキラと輝き出す。 車が来ないタイミングを見計らって道路にスーパーボールを転がすと、ウサギのように跳ねてボールを追い掛ける。これを何度も繰り返してるうちに我が家に近づいていくのだ。 しかし、しばらくするとその作戦も見透かされてくる。 「あれっ、家の近くだぞ。」と思うと、チャチャのスピードがダウン。 次に僕が取り出すのは、伝家の宝刀・鹿肉ジャーキーである。 鹿肉ジャーキーが出てくると、チャチャは他に何も見えなくなり、思い切り飛びついてくる。 チャチャのジャンプをうまくかわしながらマンションの裏門に誘導し、扉を開けたところで鹿肉を与える。 いつの間にか家に帰ってしまったチャチャは「あれれっ?」という顔をしながらも「まっいいか、鹿肉ジャーキー食べれたし。」と満足そうな顔をするのである。