森海コラム

チャチャ日記9

チャチャ日記9

一昨年、野田知佑氏というカヌーイストが亡くなった。 (日本の川を旅する)という著作で川を下りながら旅するカヌーツーリングという遊びを広めたアウトドアマンである。 川旅をする時、彼はいつも愛犬ガクをカナディアンカヌーの前席に乗せていた。 日本の川でもアラスカの川でも愛犬ガクは野田さんの最高のパートナーだった。 日清食品のテレビCMでカヌーにガクを乗せ、チキンラーメンを食べているシーンを覚えている人もいるだろう。 愛犬ガクとスケールの大きな旅をする姿に多くのアウトドアマンが憧れた。 僕もそのうちの1人である。 かつて野田さんと何度も一緒に川を下った経験のある僕は、そろそろチャチャをカヌー犬に育てなくてはいけないのじゃないかと考えた。 目的地はツーリングカヌーのメッカ、茨城県の那珂川。使用するカヌーはフジタのフォールディングカヤック。 木で出来たフレームに強化ビニールのシートを被せてつくる折りたたみ式のカヌーである。 天気は快晴。残暑が残り蒸し暑いくらいの9月だった。 犬用の救命胴衣を身に着けたチャチャの姿がレスキュー隊のようでカッコいい。海猿??いや犬だから違うな。 水遊びが好きなチャチャはいきなり川に飛び込んでずぶ濡れになる。 どうやらカヌー犬の素質はありそうだ。 そんなチャチャを掴み上げてフジタカヌーの前席に放り込んだ。何が始まるのかわからず戸惑うチャチャ。 カヌーを漕ぎ出すとしばらくの間、岸に帰りたい仕草を見せたが、徐々に慣れてきた。 穏やかな流れに乗っている時はコックピットに静かに座っているが、瀬に突入するとその途端に興奮し始める。 キラキラと光る水面、次々とぶつかってくる波頭・・・得体のしれない生き物に取り囲れたと思っているのか、興味津々で水流の動きを追い掛けた。 そして、再び穏やかな流れになると「なんだぁ、つまらないなぁ。」という顔をして居眠りする余裕まで出てくる。 カヌー下りの魅力の1つは川面を渡る風だと思う。 頬を撫でる風がとにかく爽やかで心地よいのだ。そして、自然の絶景がロールスクリーンのように音もなく視界を流れていくところがいい。カヌー下りは実に贅沢な遊びである。 やがて川岸の林の向こうに(鮎)の大きな看板が見えてきた。 「ちょっと寄って行くか・・・」とカヌーを接岸させて、鮎の塩焼き小屋に立ち寄った。 丸々と太った鮎が水槽で泳いでいた。 すぐに竹串に刺して焼いてもらう。 ついでにビールも飲んじゃったりして。 恨めしそうに見上げるチャチャには鹿肉ジャーキーを与えて、2人で川を見ながら佇んだ。 ライフジャケットをつけて正座しているチャチャの横顔が凛々しく見えた。 野田さんとガクの世界に近づけただろうか?いや・・・見ていたのは鹿肉を入れた防水袋なのだと気が付いた。

チャチャ日記9

一昨年、野田知佑氏というカヌーイストが亡くなった。 (日本の川を旅する)という著作で川を下りながら旅するカヌーツーリングという遊びを広めたアウトドアマンである。 川旅をする時、彼はいつも愛犬ガクをカナディアンカヌーの前席に乗せていた。 日本の川でもアラスカの川でも愛犬ガクは野田さんの最高のパートナーだった。 日清食品のテレビCMでカヌーにガクを乗せ、チキンラーメンを食べているシーンを覚えている人もいるだろう。 愛犬ガクとスケールの大きな旅をする姿に多くのアウトドアマンが憧れた。 僕もそのうちの1人である。 かつて野田さんと何度も一緒に川を下った経験のある僕は、そろそろチャチャをカヌー犬に育てなくてはいけないのじゃないかと考えた。 目的地はツーリングカヌーのメッカ、茨城県の那珂川。使用するカヌーはフジタのフォールディングカヤック。 木で出来たフレームに強化ビニールのシートを被せてつくる折りたたみ式のカヌーである。 天気は快晴。残暑が残り蒸し暑いくらいの9月だった。 犬用の救命胴衣を身に着けたチャチャの姿がレスキュー隊のようでカッコいい。海猿??いや犬だから違うな。 水遊びが好きなチャチャはいきなり川に飛び込んでずぶ濡れになる。 どうやらカヌー犬の素質はありそうだ。 そんなチャチャを掴み上げてフジタカヌーの前席に放り込んだ。何が始まるのかわからず戸惑うチャチャ。 カヌーを漕ぎ出すとしばらくの間、岸に帰りたい仕草を見せたが、徐々に慣れてきた。 穏やかな流れに乗っている時はコックピットに静かに座っているが、瀬に突入するとその途端に興奮し始める。 キラキラと光る水面、次々とぶつかってくる波頭・・・得体のしれない生き物に取り囲れたと思っているのか、興味津々で水流の動きを追い掛けた。 そして、再び穏やかな流れになると「なんだぁ、つまらないなぁ。」という顔をして居眠りする余裕まで出てくる。 カヌー下りの魅力の1つは川面を渡る風だと思う。 頬を撫でる風がとにかく爽やかで心地よいのだ。そして、自然の絶景がロールスクリーンのように音もなく視界を流れていくところがいい。カヌー下りは実に贅沢な遊びである。 やがて川岸の林の向こうに(鮎)の大きな看板が見えてきた。 「ちょっと寄って行くか・・・」とカヌーを接岸させて、鮎の塩焼き小屋に立ち寄った。 丸々と太った鮎が水槽で泳いでいた。 すぐに竹串に刺して焼いてもらう。 ついでにビールも飲んじゃったりして。 恨めしそうに見上げるチャチャには鹿肉ジャーキーを与えて、2人で川を見ながら佇んだ。 ライフジャケットをつけて正座しているチャチャの横顔が凛々しく見えた。 野田さんとガクの世界に近づけただろうか?いや・・・見ていたのは鹿肉を入れた防水袋なのだと気が付いた。

チャチャ日記7

チャチャ日記7

毎日のようにチャチャと散歩しているうちにチャチャが好きなモノがよくわかるようになった。「これを見つけたらもう我慢できない!」というモノがチャチャには3つある。 まず1つ目は(芝生)である。 芝生を見つけると急に早歩きになる。 そして芝生に入るやいなやいきなり勢いよく走り出す。あまりのスピードに僕は追いつけないこともしばしばだ。 芝生のあちこちで匂いを嗅いで腹ばいになって、時にはごろごろ寝転がって芝生を満喫するチャチャ。 その感触が余程心地よいのだろう。寝転んでいる時の表情は本当に嬉しそうだ。 2つ目の好物は(ボール)である。 狩猟犬として生まれた犬だからか動くものに目がない。たとえば木の葉が風に吹かれて飛べば歩道を勢いよく走り出す。 ボール遊びをしている子供を見ると、そのボールがほしくてリードを思い切り引っぱる。 だから僕はいつもボールを携帯することにしているのだ。誰もいない広場があるとボールを投げてしばらく一緒に遊んであげることにしている。 困ってしまうのは何時でも何処でも「ボールを投げろ!」と要求してくることだ。車や歩行者がたくさんいる大通りでボールなんか投げられない。無視して歩き続けると、途端にストライキを起こし大の字になって動かなくなる。 そんな時はボールを投げるふりをしながらチャチャを歩かせるしかない。 3つ目にチャチャが好きなものは(うんこ)である。 あちこちの草地で匂いを嗅ぎながら他の犬のうんこを探している。見つけると「あったぞ!」と喜び。放っておくとそれを咥えて「見つけたっ見つけた!」と走り出すのだ。 「止めなさい!」と慌てて綱を引くと「取られてなるものか!」と抵抗しヘタをすると飲み込もうとしたりする。 とんでもない趣味である。 チャチャが好きな3つのモノ「芝生・ボール・うんこ」 これ実は人間の子供も大好きなものだ。 「そんなバカな!うちの娘はうんこなんて好きじゃないわよ!」と言うお母さん!考えてみてください。あの(うんこドリル)の爆発的なヒット。 漢字や算数などのあらゆる学習ドリルの例文に(うんこ)を絡ませる(うんこドリル)は270万部の大ヒットとなり今も売れ続けている。 そしてお台場には(うんこミュージアム)ができてしまった。こちらもオープンと同時に1000人の行列ができ、今では予約も取れないほどの大盛況。 人間の子供もチャチャと同じ、うんこが大好きなのだ。 ただチャチャの場合はそれを食べようとするのがイカン。鹿肉ジャーキーとうんこジャーキーの違いもわからないなんてとんでもない。 そこで僕はいつもの鹿の生肉に加えて鹿肉ジャーキーも注文することにした。 鹿肉ジャーキーを毎日食べて、うんこジャーキーとの差に気付き、うんこには目もくれないチャチャになってほしいと思うのである。

チャチャ日記7

毎日のようにチャチャと散歩しているうちにチャチャが好きなモノがよくわかるようになった。「これを見つけたらもう我慢できない!」というモノがチャチャには3つある。 まず1つ目は(芝生)である。 芝生を見つけると急に早歩きになる。 そして芝生に入るやいなやいきなり勢いよく走り出す。あまりのスピードに僕は追いつけないこともしばしばだ。 芝生のあちこちで匂いを嗅いで腹ばいになって、時にはごろごろ寝転がって芝生を満喫するチャチャ。 その感触が余程心地よいのだろう。寝転んでいる時の表情は本当に嬉しそうだ。 2つ目の好物は(ボール)である。 狩猟犬として生まれた犬だからか動くものに目がない。たとえば木の葉が風に吹かれて飛べば歩道を勢いよく走り出す。 ボール遊びをしている子供を見ると、そのボールがほしくてリードを思い切り引っぱる。 だから僕はいつもボールを携帯することにしているのだ。誰もいない広場があるとボールを投げてしばらく一緒に遊んであげることにしている。 困ってしまうのは何時でも何処でも「ボールを投げろ!」と要求してくることだ。車や歩行者がたくさんいる大通りでボールなんか投げられない。無視して歩き続けると、途端にストライキを起こし大の字になって動かなくなる。 そんな時はボールを投げるふりをしながらチャチャを歩かせるしかない。 3つ目にチャチャが好きなものは(うんこ)である。 あちこちの草地で匂いを嗅ぎながら他の犬のうんこを探している。見つけると「あったぞ!」と喜び。放っておくとそれを咥えて「見つけたっ見つけた!」と走り出すのだ。 「止めなさい!」と慌てて綱を引くと「取られてなるものか!」と抵抗しヘタをすると飲み込もうとしたりする。 とんでもない趣味である。 チャチャが好きな3つのモノ「芝生・ボール・うんこ」 これ実は人間の子供も大好きなものだ。 「そんなバカな!うちの娘はうんこなんて好きじゃないわよ!」と言うお母さん!考えてみてください。あの(うんこドリル)の爆発的なヒット。 漢字や算数などのあらゆる学習ドリルの例文に(うんこ)を絡ませる(うんこドリル)は270万部の大ヒットとなり今も売れ続けている。 そしてお台場には(うんこミュージアム)ができてしまった。こちらもオープンと同時に1000人の行列ができ、今では予約も取れないほどの大盛況。 人間の子供もチャチャと同じ、うんこが大好きなのだ。 ただチャチャの場合はそれを食べようとするのがイカン。鹿肉ジャーキーとうんこジャーキーの違いもわからないなんてとんでもない。 そこで僕はいつもの鹿の生肉に加えて鹿肉ジャーキーも注文することにした。 鹿肉ジャーキーを毎日食べて、うんこジャーキーとの差に気付き、うんこには目もくれないチャチャになってほしいと思うのである。

チャチャ日記6

チャチャ日記6

チャチャを飼い始めてから半年が経ち、そろそろアウトドアデビューさせてみようかと思い始めた。 これまでに僕はセネ・チャッピー・トトと3匹の犬を飼って、それぞれに海山川でのアウトドアを体験をさせてきた。 崖から転落して悲鳴を上げたセネ、登山道から滑って木の根にぶつかったチャッピー、アウトドアでの体験はそれなりにハードなものだった。 転覆隊長が飼犬なのだから多少痛い目に合っても仕方ない。 3月下旬、チラホラと花の便りが聞こえてきた頃、僕はチャチャをロッククライミングに連れ出すことにした。 場所は栃木県の鹿沼岩山である。 標高328mの低い山だがゴロゴロした岩が乱立しその間を鎖やロープを辿りながら歩くルートはスリルがある。 チャチャがどこまで歩けるか楽しみである。 鹿沼岩山への登山道は日吉神社の脇から始まる。杉林の中をしばらく歩くと楢の木ばかりの広葉樹林帯に変わる。 若葉が芽吹いていないので枯れ木だらけの茶色い世界。分厚く堆積した落ち葉をザクザクッ踏みしめながら歩いていく。 鹿沼岩山にはいくつかのピークがあり一番岩、二番岩、三番岩などの名前が付いている。 三番岩から見る景色は爽快だった。 村や田園の風景がまるでテーブルの上のジオラマのように見える。 二番岩に向かう途中で雪が降り始めた。もうすぐ4月だと言うのに雪が降るとは予想外だった。 歌舞伎の紙吹雪のように灰色の空から舞い降りてくる雪片。低山を歩いているのに北アルプスにいる気分になった。 多少の岩場は爪を立てて登ったチャチャも鎖場となるとそうはいかない。 岩の上に僕が運び上げるしかない。 午後になっても気温は上がらなかった。吐く息は真っ白で指先は凍るように冷たかった。ふと気が付くとチャチャがガタガタ震えているではないか。 毛皮を着ているのに寒いはずないと思い体に触れてみると雪が溶けてびしょ濡れになっている。 「これはマズイ!」と慌てて、背中のザックの中に入れてあげることにした。 「甘いなぁ~、甘いなぁ~、隊長、チャチャに甘いよ!」と隊員たちが言う。 確かにこれまでの犬に比べると、かなり甘い対応である。歳をとってから犬を飼うと甘くなるのは仕方ない。 夜になるとしんしんと冷えた。 澄み切った群青色の空に鎌のように細い三日月が鋭く輝いていた。 この日、チャチャはひと口もドッグフードを食べなかった。大好きな鹿の生肉なのにひと口も食べない。 山の中に連れて来られて不安なのだろう。 ここに捨てられたらどうしよう?ご主人様がいなくなったらどうしよう?などと色々考えているのかもしれない。 テントの中で一晩一緒に過ごして僕とチャチャは信頼関係はさらに強くなった。 東京の我が家に戻ると、その途端「あ~~腹減ったぁ~~」と、いつものように鹿肉を夢中で食べたチャチャである。

チャチャ日記6

チャチャを飼い始めてから半年が経ち、そろそろアウトドアデビューさせてみようかと思い始めた。 これまでに僕はセネ・チャッピー・トトと3匹の犬を飼って、それぞれに海山川でのアウトドアを体験をさせてきた。 崖から転落して悲鳴を上げたセネ、登山道から滑って木の根にぶつかったチャッピー、アウトドアでの体験はそれなりにハードなものだった。 転覆隊長が飼犬なのだから多少痛い目に合っても仕方ない。 3月下旬、チラホラと花の便りが聞こえてきた頃、僕はチャチャをロッククライミングに連れ出すことにした。 場所は栃木県の鹿沼岩山である。 標高328mの低い山だがゴロゴロした岩が乱立しその間を鎖やロープを辿りながら歩くルートはスリルがある。 チャチャがどこまで歩けるか楽しみである。 鹿沼岩山への登山道は日吉神社の脇から始まる。杉林の中をしばらく歩くと楢の木ばかりの広葉樹林帯に変わる。 若葉が芽吹いていないので枯れ木だらけの茶色い世界。分厚く堆積した落ち葉をザクザクッ踏みしめながら歩いていく。 鹿沼岩山にはいくつかのピークがあり一番岩、二番岩、三番岩などの名前が付いている。 三番岩から見る景色は爽快だった。 村や田園の風景がまるでテーブルの上のジオラマのように見える。 二番岩に向かう途中で雪が降り始めた。もうすぐ4月だと言うのに雪が降るとは予想外だった。 歌舞伎の紙吹雪のように灰色の空から舞い降りてくる雪片。低山を歩いているのに北アルプスにいる気分になった。 多少の岩場は爪を立てて登ったチャチャも鎖場となるとそうはいかない。 岩の上に僕が運び上げるしかない。 午後になっても気温は上がらなかった。吐く息は真っ白で指先は凍るように冷たかった。ふと気が付くとチャチャがガタガタ震えているではないか。 毛皮を着ているのに寒いはずないと思い体に触れてみると雪が溶けてびしょ濡れになっている。 「これはマズイ!」と慌てて、背中のザックの中に入れてあげることにした。 「甘いなぁ~、甘いなぁ~、隊長、チャチャに甘いよ!」と隊員たちが言う。 確かにこれまでの犬に比べると、かなり甘い対応である。歳をとってから犬を飼うと甘くなるのは仕方ない。 夜になるとしんしんと冷えた。 澄み切った群青色の空に鎌のように細い三日月が鋭く輝いていた。 この日、チャチャはひと口もドッグフードを食べなかった。大好きな鹿の生肉なのにひと口も食べない。 山の中に連れて来られて不安なのだろう。 ここに捨てられたらどうしよう?ご主人様がいなくなったらどうしよう?などと色々考えているのかもしれない。 テントの中で一晩一緒に過ごして僕とチャチャは信頼関係はさらに強くなった。 東京の我が家に戻ると、その途端「あ~~腹減ったぁ~~」と、いつものように鹿肉を夢中で食べたチャチャである。

チャチャ日記5

チャチャ日記5

当たり前のことだが、犬を飼うということは犬のお世話するということだ。 これが意外と大変なのだ。 何より手間が掛かるのは糞尿の世話である。 チャチャが我が家に来たばかりの頃、おしっこ場所がなかなか定まらなくて苦労した。おしっこスマットを敷いて時間を掛けて教えているうちに今ではトイレタイムを失敗することはなくなった。 とは言え、おしっこマットの取り換えや、糞の回収、垂らしたおしっこを拭き取るなどの作業は忙しいのだ。 さらにブラッシングも欠かせない。 毛足の長いチャチャはよく毛が抜ける。 我が家の床はダークブラウンの木の床なのでチャチャの白い毛がよく目立つ。 きれい好きの妻が必死になって掃除してもなかなか追いつかない。 「掃除機かけたばっかりなのにまた毛だらけなのよ。ノイローゼになりそう!!」と妻の悲鳴は毎日のように聞こえてくる。 そして、さらに食事の用意も大変だ。 我が家では鹿の生肉を与えているがそれだけだと栄養が偏るのでドライフードや野菜を混ぜて与えている。 犬は何でも食べてしまうので犬の栄養管理は飼い主がしっかりやらなくちゃならない。 毎朝の散歩、月に2度のお風呂、定期的な動物病院の診察などなどやることはたくさんある。 犬のお世話は大変だけれども意外と楽しみながらやっている。 そんな時、ふと気が付いた。 「やってることは老人介護と同じじゃないか!!」 バランスのいい食事をつくったり、お風呂に入れてあげたり、医者に連れて行ったり、そして何より糞尿の世話をしている。やってることは同じなのに、どうして老人老人介護は憂鬱で犬のお世話は楽しいのだ。 おかしなものである。 その違いは一つしかないのだ。 犬は可愛いけれど老人は可愛くない。 可愛いければ糞尿の世話も苦にならないということなのだ。 歳老いた老人の外見はお世辞にも可愛いとは言えない。しかも、人間にはプライドがある。若い者より長く生きてきたんだというプライド。ましてや企業の管理職にでもなった人は「俺は偉かったんだぞ。」などと心の底で思っている。 そんなニュアンスで若い人に接すればますます可愛くない。 老人介護が憂鬱なのは人間独特の性分によるものなのである。 チャチャのお尻の糞を拭きながら、僕は歳をとったら可愛い老人になった方がいいと思った。 明るい色の服を着てユーモアのあることを言っていつも笑っている。 時にはバカな失敗もやる。バカだと言われてもニコニコしている。 立派な老人じゃなくて可愛い老人になろう。そうすれば多少お漏らししても許してくれるだろう。 「おじいちゃん、またこんな所におしっこしちゃって!ダメでしょ!!」と怒られたら「ワン」とだけ応えて尻尾を振れば介護も明るくなる

チャチャ日記5

当たり前のことだが、犬を飼うということは犬のお世話するということだ。 これが意外と大変なのだ。 何より手間が掛かるのは糞尿の世話である。 チャチャが我が家に来たばかりの頃、おしっこ場所がなかなか定まらなくて苦労した。おしっこスマットを敷いて時間を掛けて教えているうちに今ではトイレタイムを失敗することはなくなった。 とは言え、おしっこマットの取り換えや、糞の回収、垂らしたおしっこを拭き取るなどの作業は忙しいのだ。 さらにブラッシングも欠かせない。 毛足の長いチャチャはよく毛が抜ける。 我が家の床はダークブラウンの木の床なのでチャチャの白い毛がよく目立つ。 きれい好きの妻が必死になって掃除してもなかなか追いつかない。 「掃除機かけたばっかりなのにまた毛だらけなのよ。ノイローゼになりそう!!」と妻の悲鳴は毎日のように聞こえてくる。 そして、さらに食事の用意も大変だ。 我が家では鹿の生肉を与えているがそれだけだと栄養が偏るのでドライフードや野菜を混ぜて与えている。 犬は何でも食べてしまうので犬の栄養管理は飼い主がしっかりやらなくちゃならない。 毎朝の散歩、月に2度のお風呂、定期的な動物病院の診察などなどやることはたくさんある。 犬のお世話は大変だけれども意外と楽しみながらやっている。 そんな時、ふと気が付いた。 「やってることは老人介護と同じじゃないか!!」 バランスのいい食事をつくったり、お風呂に入れてあげたり、医者に連れて行ったり、そして何より糞尿の世話をしている。やってることは同じなのに、どうして老人老人介護は憂鬱で犬のお世話は楽しいのだ。 おかしなものである。 その違いは一つしかないのだ。 犬は可愛いけれど老人は可愛くない。 可愛いければ糞尿の世話も苦にならないということなのだ。 歳老いた老人の外見はお世辞にも可愛いとは言えない。しかも、人間にはプライドがある。若い者より長く生きてきたんだというプライド。ましてや企業の管理職にでもなった人は「俺は偉かったんだぞ。」などと心の底で思っている。 そんなニュアンスで若い人に接すればますます可愛くない。 老人介護が憂鬱なのは人間独特の性分によるものなのである。 チャチャのお尻の糞を拭きながら、僕は歳をとったら可愛い老人になった方がいいと思った。 明るい色の服を着てユーモアのあることを言っていつも笑っている。 時にはバカな失敗もやる。バカだと言われてもニコニコしている。 立派な老人じゃなくて可愛い老人になろう。そうすれば多少お漏らししても許してくれるだろう。 「おじいちゃん、またこんな所におしっこしちゃって!ダメでしょ!!」と怒られたら「ワン」とだけ応えて尻尾を振れば介護も明るくなる

チャチャ日記2

チャチャ日記2

昨年10月から犬を飼っている。 犬の種類はジャックラッセルテリア。 ヤンチャな顔付きが気に入って即決した。しかし、ジャックラッセルテリアをネットで調べてみると、最初に出てくるキィワードは(ジャックラッセルテリア・飼ってはいけない)なのである。 多くの運動量を必要とするこの犬は毎日散歩を欠かせない。運動不足になると噛み癖吠え癖が出てきて手に負えなくなり途中で放り出す飼い主が多いからだと言う。 一時は思い留まりそうになったが、僕は一日中大人しくソファーで寝ているような人形のような犬は好きじゃない。 そうかと言ってマンション住まいの僕は大型犬を飼う訳にはいかない。犬にとっても不幸なことになる。 犬に服を着せたり犬を乳母車に乗せたりするのも嫌だ。犬は犬らしく元気に飛び回る方がいい。時にはアウトドアにも連れ出したいと思うと、やっぱりジャックラッセルテリアになってしまう。 毎日の散歩をきちんと続けられるかどうかわからないが頑張るしかないと覚悟を決めた。 幸いにも僕は5時過ぎには目が覚めてしまう。だから朝一の散歩ならばできるかもしれないと思った。 僕が目を覚ます頃、既にチャチャは起きている。僕のベッドの横でじっと座って待っているのだ。 「おおっ、起きていたか、散歩に行くか・・・」と声を掛けて、チャチャにベルトを装着し夜明けの街へと歩き出すのが日課だ。 この散歩、既に3カ月以上も続いているからビックリだ。 僕はこれまでにジョギング、水泳、スクワット、エアロビ、スキップ歩行、ジム通いなど、様々なトレーニング方法をトライしてきたけど毎回挫折してきた。 寒さや雨で挫けたり、出張や深夜残業で途切れたり、一度躓いてしまうとその翌日から続けられなくなってしまうのだ。 ところが今回は途切れなく続いている。 理由はチャチャがいるからである。 たとえ僕が出掛けなくなくてもチャチャは行く気満々。僕の目を見て静かに座っているチャチャと目が合うと行かざるを得なくなってしまうのだ。 少しタレ目の黒目だらけの瞳で、何も言わずに僕をじっと見つめる。この表情が堪らない。思わず「わかったよ、行くよ。」ということになる。 毎朝1時間半の散歩の結果、驚いたことに僕の体重が5キロも減ってしまった。 毎週ジムで腹筋をし続けてきてもまるで凹むことのなかった腹も凹んでしまった。僕の体重は15年前と同じ体重だ。 「すっきりした体型になりましたね。」と友人にも言われて嬉しくなった。 チャチャのための散歩なのに、いつの間にか自分のためになっている。チャチャエクササイズの絶大な効果である。 何かしてほしいことがある時、チャチャはただじっと僕の目を見つめる。 そのアクションにやられてしまい、今日もまた「わかったよ。散歩行くよ。」とか「わかったよ、鹿肉もう少し増やしてやるよ。」と応えてしまう犬ライフなのである。    

チャチャ日記2

昨年10月から犬を飼っている。 犬の種類はジャックラッセルテリア。 ヤンチャな顔付きが気に入って即決した。しかし、ジャックラッセルテリアをネットで調べてみると、最初に出てくるキィワードは(ジャックラッセルテリア・飼ってはいけない)なのである。 多くの運動量を必要とするこの犬は毎日散歩を欠かせない。運動不足になると噛み癖吠え癖が出てきて手に負えなくなり途中で放り出す飼い主が多いからだと言う。 一時は思い留まりそうになったが、僕は一日中大人しくソファーで寝ているような人形のような犬は好きじゃない。 そうかと言ってマンション住まいの僕は大型犬を飼う訳にはいかない。犬にとっても不幸なことになる。 犬に服を着せたり犬を乳母車に乗せたりするのも嫌だ。犬は犬らしく元気に飛び回る方がいい。時にはアウトドアにも連れ出したいと思うと、やっぱりジャックラッセルテリアになってしまう。 毎日の散歩をきちんと続けられるかどうかわからないが頑張るしかないと覚悟を決めた。 幸いにも僕は5時過ぎには目が覚めてしまう。だから朝一の散歩ならばできるかもしれないと思った。 僕が目を覚ます頃、既にチャチャは起きている。僕のベッドの横でじっと座って待っているのだ。 「おおっ、起きていたか、散歩に行くか・・・」と声を掛けて、チャチャにベルトを装着し夜明けの街へと歩き出すのが日課だ。 この散歩、既に3カ月以上も続いているからビックリだ。 僕はこれまでにジョギング、水泳、スクワット、エアロビ、スキップ歩行、ジム通いなど、様々なトレーニング方法をトライしてきたけど毎回挫折してきた。 寒さや雨で挫けたり、出張や深夜残業で途切れたり、一度躓いてしまうとその翌日から続けられなくなってしまうのだ。 ところが今回は途切れなく続いている。 理由はチャチャがいるからである。 たとえ僕が出掛けなくなくてもチャチャは行く気満々。僕の目を見て静かに座っているチャチャと目が合うと行かざるを得なくなってしまうのだ。 少しタレ目の黒目だらけの瞳で、何も言わずに僕をじっと見つめる。この表情が堪らない。思わず「わかったよ、行くよ。」ということになる。 毎朝1時間半の散歩の結果、驚いたことに僕の体重が5キロも減ってしまった。 毎週ジムで腹筋をし続けてきてもまるで凹むことのなかった腹も凹んでしまった。僕の体重は15年前と同じ体重だ。 「すっきりした体型になりましたね。」と友人にも言われて嬉しくなった。 チャチャのための散歩なのに、いつの間にか自分のためになっている。チャチャエクササイズの絶大な効果である。 何かしてほしいことがある時、チャチャはただじっと僕の目を見つめる。 そのアクションにやられてしまい、今日もまた「わかったよ。散歩行くよ。」とか「わかったよ、鹿肉もう少し増やしてやるよ。」と応えてしまう犬ライフなのである。    

チャチャ日記1

チャチャ日記1

犬を飼ってみようと思った。 2人の娘たちは既に海外で暮らしていて、僕は古希を迎え、妻も母もボケが激しくなり覇気がなくなってきたので、我が家に元気を振りまく存在が必要だと思ったからだ。 手に負えないいたずらをしたりバカをやったり笑いを振りまく存在がほしい。 認知症の患者が犬を飼ったことで症状が改善したという報告もある。 犬を家族に迎えて若返りを図りボケ防止をしようという作戦だ。 妻に話してみるとあっさり否定された。 「犬なんて絶対に無理よ!自分のことだけで精一杯なのに犬なんか来たら面倒見切れないでしょ!!」と言う。 しかし、妻は無類の犬好きだから犬と会えば考えが変わるのじゃないかと思い、 「飼わなくてもいい。どんな犬がいるかだけ見に行かないか!」と提案した。 数日後、僕の好きな犬種・ジャックラッセルテリアのブリーダーをネットで見つけて妻と群馬県まで出掛けた。 「見るだけ見るだけ。今日はお気軽!!」 高速を降りて田園地帯を走り、野中の一軒家のブリーダー宅にたどり着くと、50匹ほどのジャックラッセルテリアが溢れていた。。珍しい犬種だと聞いたのにあまりの数の多さに戸惑う。 販売してるのはそのうち生まれて半年ほど経過した3匹だけだと言う。 早速、その3匹とご対面した。 ジャックラッセルテリアのロングヘア―はなかなか愛嬌がある。 子犬を抱き上げた妻が「こんなに可愛くちゃ選べないわ。こっちもいいけどこっちもいい!どれにしようかなぁ??」などと叫び出した。 「はぁ????」 いきなり買う気満々じゃないか!! そして結局、妻はその場で即決したのである。あまりの急展開に仰天した。 必要なワクチンと注射を済ませて1か月後に子犬は我が家にやって来た。 子犬の名前をチャチャと名付けた。チャカチャカ忙しく動くからチャチャである。 新しい環境に慣れなかったチャチャはしばらくの間、食欲がなかった。 既成のドッグフードを与えても食べない。犬が好きだというオヤツさえも食べない。どんなモノでも我武者羅に食べるのが犬だと思っていたのにまるで違う。 このままじゃ痩せてしまうと僕は焦った。 そこでドッグフードに鶏肉を混ぜてみたらなんとか食べた。しかし、ボロボロこぼしてお皿の中のドッグフードは残ったままだ。 そこでドッグフードに鹿肉のミンチを混ぜてみた。すると、どうだろう? 夢中になって食べ始めたのだ。 あっという間に食べきり何もなくなったお皿をしつこく舐める。あまりに舐めすぎてお皿を壁の端まで押し込んでいく。しばらくすると再び戻って、もう一度お皿を舐めている。まるで犬の食器洗い機。 鹿肉がそんなにも好きだとは思いもしなかった。天然・無添加の鹿肉の旨さが犬にもわかるんだなぁ~。 それ以来、チャチャの主食は鹿肉となった。最近ではあまりにグルメなチャチャに「たまには庶民のドッグフードも食べてくれ。」と頼んでいる毎日である。

チャチャ日記1

犬を飼ってみようと思った。 2人の娘たちは既に海外で暮らしていて、僕は古希を迎え、妻も母もボケが激しくなり覇気がなくなってきたので、我が家に元気を振りまく存在が必要だと思ったからだ。 手に負えないいたずらをしたりバカをやったり笑いを振りまく存在がほしい。 認知症の患者が犬を飼ったことで症状が改善したという報告もある。 犬を家族に迎えて若返りを図りボケ防止をしようという作戦だ。 妻に話してみるとあっさり否定された。 「犬なんて絶対に無理よ!自分のことだけで精一杯なのに犬なんか来たら面倒見切れないでしょ!!」と言う。 しかし、妻は無類の犬好きだから犬と会えば考えが変わるのじゃないかと思い、 「飼わなくてもいい。どんな犬がいるかだけ見に行かないか!」と提案した。 数日後、僕の好きな犬種・ジャックラッセルテリアのブリーダーをネットで見つけて妻と群馬県まで出掛けた。 「見るだけ見るだけ。今日はお気軽!!」 高速を降りて田園地帯を走り、野中の一軒家のブリーダー宅にたどり着くと、50匹ほどのジャックラッセルテリアが溢れていた。。珍しい犬種だと聞いたのにあまりの数の多さに戸惑う。 販売してるのはそのうち生まれて半年ほど経過した3匹だけだと言う。 早速、その3匹とご対面した。 ジャックラッセルテリアのロングヘア―はなかなか愛嬌がある。 子犬を抱き上げた妻が「こんなに可愛くちゃ選べないわ。こっちもいいけどこっちもいい!どれにしようかなぁ??」などと叫び出した。 「はぁ????」 いきなり買う気満々じゃないか!! そして結局、妻はその場で即決したのである。あまりの急展開に仰天した。 必要なワクチンと注射を済ませて1か月後に子犬は我が家にやって来た。 子犬の名前をチャチャと名付けた。チャカチャカ忙しく動くからチャチャである。 新しい環境に慣れなかったチャチャはしばらくの間、食欲がなかった。 既成のドッグフードを与えても食べない。犬が好きだというオヤツさえも食べない。どんなモノでも我武者羅に食べるのが犬だと思っていたのにまるで違う。 このままじゃ痩せてしまうと僕は焦った。 そこでドッグフードに鶏肉を混ぜてみたらなんとか食べた。しかし、ボロボロこぼしてお皿の中のドッグフードは残ったままだ。 そこでドッグフードに鹿肉のミンチを混ぜてみた。すると、どうだろう? 夢中になって食べ始めたのだ。 あっという間に食べきり何もなくなったお皿をしつこく舐める。あまりに舐めすぎてお皿を壁の端まで押し込んでいく。しばらくすると再び戻って、もう一度お皿を舐めている。まるで犬の食器洗い機。 鹿肉がそんなにも好きだとは思いもしなかった。天然・無添加の鹿肉の旨さが犬にもわかるんだなぁ~。 それ以来、チャチャの主食は鹿肉となった。最近ではあまりにグルメなチャチャに「たまには庶民のドッグフードも食べてくれ。」と頼んでいる毎日である。