国産フードなら安心ですか?

先日、原材料表示だけでフード選びはできる?!というタイトルでブログを書かせていただきました。

原材料表示を見る必要ないとまでは言いませんが、そこから分かることはごく一部であるということが理解いただけたかと思います。

では、「国産」と書かれたフードであればすべてのドッグフード、キャットフードにおいて安心・安全と言い切れるでしょうか?

これについて回答するにはまず、ペットフード安全法について知っておく必要があります。

ペットフード安全法では、ペットフードを販売する業者には、ペットフードの外袋に原産国を表示する義務があることが記されています。

さらに、原産国をどのように定めればよいかのルールも決まっています。

具体的には、ペットフードによっては様々な国から原材料を集めて日本以外の国で製造しているものもあれば、いくつかの国から原材料を集めているものの製造工場は日本にあるもの、原材料は全て日本で準備しており製造工場も日本にあるものなどいくつかのパターンが考えられます。

もちろん、原材料も日本、製造工場も日本である場合、原産国は「国産」あるいは「日本」と表示して良いのは明確です。

さらに、複数の国から材料を集めてきて、製造工場が日本でない場合、原産国が「国産」あるいは「日本」にならないことも明らかです。

では、いくつかの国から材料を集めてきて、日本の製造工場で作られたペットフードの原産国はどこになるのか?

その答えはペットフード安全法のルールに則ると「国産」あるいは「日本」になります。

なぜなら、ペットフード安全法では、「原産国は、ペットフードの製造工程のうち、最終加工工程を完了した国を記載します」としているからです。

ちなみに最終加工工程とは、「実質的な変更をもたらす行為が最終的に行われた国」のことになるので、海外で袋詰めが完了した商品に日本でラベルやシールだけを貼っても原産国表示を「国産」あるいは「日本」にすることはできません。

しかし、原材料が日本のものでなくても「国産」と表示されている商品が存在するのは事実です。

鹿のめぐみは、ドライフードもウェットフードもジャーキーも日本のものであり、国産の商品です。

これは噓偽りのない事実ではありますが、同じく「国産」と名乗るドッグフードやキャットフードの中には、ペットフード安全法のルール上は「国産」でも、原材料が実は国産ではないものも存在しています。

もし気になる「国産」の商品があれば、「原材料表示にある○○は、どこで収穫されましたか?」と製造者に問い合わせてみるのも良いかもしれません。

実際に私はこの方法で「国産」と表示されたドッグフードの原材料の一つであるえんどう豆がフランスで収穫されたことを教えてもらったことがあります(笑)

ここで正直な情報を提供してもらえるかどうかも、誠実なペットフードメーカーかどうかを見極めるポイントになるかもしれないですね。

原材料や原産国の表示に関する情報が、わんちゃん、ねこちゃんの飼い主様のフード選びの参考になれば幸いです。

執筆者/小島香澄

執筆者について
猫と犬の手作りごはん、鹿肉販売をおこなう【モノクロキッチン】代表。
取得資格:愛玩動物看護師、ペット食育協会Ⓡ指導士、ペット栄養管理士、ペットフード販売士

ご相談は下記へお願いします。
E-mail:kojima@morikaraumie.com
URL :https://monochrome-kitchen.com