【夢旅 031】旅する水

 

雨の季節に水のことを考えてみた

「本日、関東地方が梅雨入りしました」。
ああああぁ〜、来たよ、来たよ、来ちゃったよ、ついに、一年で一番憂鬱な季節が…。

梅雨(つゆ)、ああ、なんて水っけの多い湿った言葉なんだろ。グレー、灰色、どよ〜ん色。色までなんだか湿っぽい。梅雨って言葉を聞くだけで無条件にやる気がなくなるし、テンションも爆下がりになっちゃう。
なんでかって?
だって、猫ですから〜。
猫はたいてい水が苦手。ボクはしっぽの先が濡れるだけでも飛び上がってしまうくらい水が大っキライ。だから雨も大っキライ。したがって、梅雨も大っキライってわけ。

というわけで、今週、ボクはどこへも行かずにホーリーの枕をベッドがわりにして(最近お気に入りの昼寝場所)ただただダラダラと眠ることにした。
でも、さ、眠ってるはずなのに、なぜかいろんなこと考えてたりするんだよね。
最初に考えたのが、なんで「梅(うめ)の雨(あめ)でつゆ?」ってこと。もちろん、「ばいう」とも読むけど、テレビのお天気おねーさんが「ばいう入りしました。」とは言わないよね。「つゆ入りしました。」って言うじゃない。あれ、なんで?
で、調べてみると、やっぱりそうだ。梅雨もこういう自然にかかわる言葉にありがちな「諸説あります系」の言葉だったんだよね。

「梅雨」の語源は、「梅の実が熟す頃に降る雨」のことを、昔、中国の長江流域で「梅雨(ばいう)」と呼んでましたって説がひとつ。そしても、「黴(かび)が生えやすい時期の雨」ということで「黴雨(ばいう)」って呼んでいたんだけど、「かび」じゃテンション上がらなくね? みたいなことから「黴」の代わりに「梅」の字をあてて「梅雨(ばいう)」って呼ぶようにしたという説がひとつ。

「梅雨」を「つゆ」って呼ぶようになった由来になると4つもあるらしいよ。
・「露(つゆ)」からきた。
まぁ、そんなこともあるかもね。
・梅の実が熟す時期ということで「つはる(つわる)」から連想された。
って、「つ」はあるね。でも、「ゆ」はどした?
・梅の実が熟して潰れる時期だから「潰ゆ(ついゆ)」が「つゆ」になった。
うんうん、「つ」もあるし「ゆ」もあるね。
・カビのせいで物がダメになる「費ゆ(ついゆ)」からきた。
カビが出てくるのはなんだか後出し感あるなぁ。

どれも今ひとつパンチと説得力に欠けるけど、そういうことみたいだね。なんとなくモヤモヤが残るけど、「つゆ」なんだからスカッといかないのもしょうがないか。

雨の音を聞きながらウトウトしてたら(この状態、サイコーに気持ちいい。雨は大っキライだけど、雨の音は好き)、あら不思議、だんだん雨のことが気になってきた。

そういえば、「雨」って、どこから来てどこに行くんだろう?

雨は水だ。
そして、ボクは猫で、水が苦手。
あまり多くの水を飲まないし、水に濡れるなんて考えただけでもしっぽがパンパンに膨れちゃうから、水にはできるだけ近づかない。だから、水のことをあまりよく知らない。でも、夏の冷たい水は、「うにゃ〜!」って唸ってしまうほど美味しいので(ホーリーも夏にアワアワした水を飲むたびに唸っている)、水のことを少しは知っておこうと思う。

で、調べてみたんだ。(もちろんグーグル先生)
そしたら、どんだけ使っても無くなることなんてないって思ってたけど、水って無限じゃないんだね!  ボクたちが住んでる「地球」ってとこは表面の約70%が水で覆われてて「水の惑星」なんて呼ばれてるんだよね。でもね、地球の水の約97.5%が、あのしょっぱくて辛くて痛くてなんだこりゃ〜な海の水なんだって。つまり、そのままじゃとてもじゃないけど飲むことなんかできない水ってこと。

じゃあ、しょっぱくない水、つまり、海水じゃない淡水はどのくらいなのかっていうと、地球の水のうちのたった2.5%くらいしかない、ってマジかよ。そして、淡水のうちの1.76%が氷河で、0.76%が地下水、0.01%が川や湖などの水なんだって。ボクたちが普段飲んでる水って、ほぼ川とか湖の水だよね。てことは、な、な、なんと、地球の水のたった「0.01%」しかないってことになるんだね。うわ、やばっ! なんか、どうしたらいいのか分かんないけど、こうしちゃいられないよね。

だけど不思議だなぁ。地球には猫や犬、人間以外にも数えきれないほどの動物が川とか湖の水を飲んでるのに川も湖も枯れないよね。それってなんでだろ…。

そこで、さらにつっこんでグーグル先生に聞いてみたら、水がグルグルと旅をしていることが分かったんだ。(今週も「グルグル」がキーワードになったね)

太陽の光と熱によって海の水が蒸発して水蒸気になるでしょ。水蒸気は、上昇気流に乗って空高く運ばれて雲になるんだって。で、カタチを変えて雲になった水が風に乗って陸地にやってくると、今度は雨や雪にカタチを変えて地上に降ってくるんだ。地表に降った水は、地下を経由して川や湖に流れ出したり、地表を流れて川や湖に流れ込んだりするんだ。森に降った雨や雪も川や湖に移動するんだって。そして、川に合流した水は、そのまま流れ流れてまた海に戻る。

海に出た水は、太陽の光と熱によって蒸発して…。
って具合に、ね、グルグルでしょ。水が海から森へ、森から海へ旅してるでしょ。だから川も湖も枯れないんだ。

すごいね〜、自然って。
でも、海も、森も、川も湖も、ちゃんと「健康」じゃないと、水の旅が途切れちゃうかもしれないよね。水の旅が途切れたら、もしかしたら、川や湖の水が飲めなくなっちゃうかもしれない。ボクは水がキライだけど、「うにゃ〜!」って唸るほど美味しい水は飲みたい。だから、水が旅をする海や森、川や湖をもっと大切にしなきゃいけないなって思ったよ。

ただ、ボクは猫だから何もできない。だから、ホーリー、ボクの代わりにお前がやりなさい!