【夢旅 044】 続 ボクが、そばに、いるよ。

 

 

 

謎の筋肉痛

先週、流行り病に倒れ、ボクとねぎま先輩の1週間にわたる手厚い看病のおかげで月曜日に復活したホーリーは、その後どうなったか。

なんと、あろうことか、復活した翌日、再び倒れた。
その日は朝早くに家を出て、千葉の野田(醤油が有名な街だね)というところに撮影の仕事で出かけたホーリー。撮影といっても、ホーリーが写真を撮るわけじゃなくて、彼はカメラマンのそばであーだこーだと口出しするだけ(ホーリーは「ディレクション」と言い張るけどね)なので仕事自体は大したことない。
じゃあ、なんで倒れたか。流行り病との闘いで、本人が思ってる以上に体力を消耗してて、めちゃくちゃ疲れやすかったんだろうね。3キロ近く痩せたって言ってたし。

 

でも、再ダウンの直接の原因は「謎の筋肉痛」らしい。どの辺が「謎」なのかって言うと、普通、筋肉痛って、激しくスポーツしたり、筋トレしたりしたあとにやってくるでしょ(筋トレマニアの間ではそれを「贈り物」などと呼ぶ)。でも、ホーリーの筋肉痛は、スポーツも筋トレもな〜んにもやってないのに唐突にやってきた。いきなり。最初は右ケツ。あっ、乱暴な言葉でごめんあそばせ。右のお尻ね。右ケ…じゃなくて、右のお尻にきた筋肉痛は、それはそれはひどいもので、片足スクワットを1,000回やったり、右足だけのケンケンで高尾山に登ったみたいだって言ってた(実際にはどっちもやったことないくせによく言うよ)。まぁ、そのくらい痛かったってことだろうね。実際、電車で座ってて、降りる駅に着いたから立とうとしたら「ピッキーーーーーン!」って右ケ…、いや、右のお尻が痛くなって手すりにしがみつかないと立っていられなかったんだって。
その話を聞いたとき、ボクは「なんだかギックリ腰みたいだね。」って言ったんだけど、確かに似たような痛みだったみたい。ギックリ腰ならぬギックリケ…、あっいや、ギックリお尻だ。

このギックリお尻、笑えることもあるんだけど、笑いごとじゃないくらい痛いらしいよ。例えば、仮に道路に500円玉が落ちてたとする。いつものホーリーなら躊躇なく0.5秒で拾い上げるところだけれど、この日、そういうシチュエーションに出くわしたら一瞬の躊躇のあと通り過ぎるだろう、だってさ。痛すぎて500円もらってもしゃがみたくないそうだ。
で、これは実際に、右ケ…いやいや、右のお尻の筋肉痛のせいでまともに歩けない、靴下がはけない、靴下が脱げない、便座に座るときに声が上がる、階段が永遠に感じる、パンツがはけない、パンツが脱げないなどなど、日常生活の中にいろんな困りごとができちゃうらしい。でも、もしかしたら、片ケ…ダメダメ、片方のお尻だけで不幸中の幸いだったのかもしれないね。もしもこれが両ケ…だからダメだってば、両方のお尻が痛かったら、歩けない、座れない、立てないってことになって、あとは寝るしかない。

そんな右のお尻の猛烈な筋肉痛が4日続いたのち、土曜日になって痛みは左肩へ。ホーリーは特別なにもしていないのだけれど、筋肉痛は彼の体の中を徘徊しているみたいだ。
幸い、左肩の筋肉痛は1日だけで引いていった。その日の夜、明日はつくばで例の「ディレクション」仕事(仕事という名のおしゃべり)があるから、痛みがなくなってよかったってホーリーが喜んでたんだ。
ところが翌日、日曜日の朝、ホーリーが浮かない顔で起きてきた。「どした?」って聞いたら、「今度は左手首がモーレツに痛い…」って、ちょっと気の毒になるほど痛そうな顔してんだよね。筋肉痛の徘徊は続いてたらしい。ホーリーは左手でスマホも持てないようだった。

左手首が痛いと、ほぼ左手まるっと1本使えなくなるらしいということがホーリーを見ているとよくわかる。左手が使えなくて不便なことを箇条書きにしてみた。(ホーリーは右利き)

◎コンビニのおにぎりを食べようと思ってもうまく包みを開けられない。
◎ペットボトルのキャップを開けるのにひと汗かく。
◎左の靴下がうまくはけない。
◎右手が洗えない。
◎茶碗とかお椀とか、食べるときに器を持つことができない。
◎フライパンをあおれない。(料理はほぼムリ)
◎キーボードが打てない。(片手打ちはめっちゃ疲れる)
◎写真が撮れない。(片手だとブレる)
◎Tシャツが脱げない。(着るのはなんとかなる)
◎アイスコーヒーについてくるガムシロのポーションが開けられない。

まだまだあるけど、だいたいこんなところらしい。できないことのスケールがものすごくちっちゃい感じがするけど、これはこれでできないと困るんだろうなぁ。


ホーリーの左手首の筋肉痛は、これを書いている月曜日も続いている。微熱というおまけまで付いて。ワミさんに「ロキソニンを飲め!」と言われて飲んだおかげで痛みは少し和らいでるみたいだけど、よく見ると左手首が腫れている。本当なら今頃、ボクとホーリーは君津で虫の声を聞きながらキャンプしてるはずだったんだけど、筋肉痛のおかげでキャンセル。秋のキャンプと鹿ジャーキー食べ放題は来月までおあずけだ。

それにしても、流行り病(COVID-19)の後遺症らしき「謎の筋肉痛」はいつまでどこまで徘徊するんだろう。もしも右手にきたら…。きっとできないことだらけになるんだろうなぁ…。と、ホーリーは戦々恐々としている。
「C’est la vie.」とボク。ホーリーよ、セラヴィ、それも人生だよ(完全にヒトゴト)。

というわけで、「謎の筋肉痛」のせいで、今週も写真と文章の間にはなんの関係性もありません。