【夢旅 043】ボクが、そばに、いるよ。

 

 

 

 

執事のピンチを猫の手が救う?

ホーリー(何度も言うが、ホーリーとは猫語で「執事」の意味)が倒れた。
流行り病にかかってしまったのだ。先にワミさんが寝込み、2日後にホーリーが寝込んだ。
ワミさんが先に寝込んだので、ホーリーは「ゼッタイ自分もやられる」って思って、急いで買い物に行って1週間分くらいの食べ物を仕入れてきたんだ。買い物から帰ってきたホーリーにボクは「鹿ジャーキーは?」って聞いたんだけど、「ゴメン、ぽんずさんのことまでアタマが回らなかった…」って言うんだ。ひどくない?
ワミさんとホーリーがかかった流行り病は、ヒト→ネコ感染が確認されてるっていうのに。タンパク質がたっぷりの鹿ジャーキーがないなんて、クリープを入れないコーヒーみたいじゃないか(って、ちょっと違うか。しかも古っ)。

ホーリーがどんな具合だったかっていうと、初日は、買い物から帰った午後、少し熱っぽいかなぁ、喉がイガイガするなぁ、ちょっとアタマ痛いかも、くらいで熱も37度台後半。まぁ熱あるね、くらいのもの。その3時間後に38度台半ばまで熱が上がったけど、あとは上がったり下がったりの繰り返し。体の表面がヒリヒリしたり寒気がしたりしてたみたいだけど、そんなに辛そうじゃなかったな。夜中にいきなり起き上がって今川焼きをムシャムシャ食べてたくらいだから。

発熱2日目、ホーリーは病院で診てもらおうとしたんだけど、近くで電話のやりとりを聞いてたボクがブチ切れそうになるほどいろんな病院に断られてた。「朝8:30に電話してください。あっ、でも、秒で予約が埋まっちゃうからダメだと思いますけど。」とか「まずオンライン診察の予約をしていただいて、オンラインで診察をしてもらって、終わったら来院してください。お支払いはペイペイで。」って、結局行くんかい?! しかも、支払い方法がペイペイ一択ってどうなのよ? といった具合。どこもできれば来てほしくないっていう本音が見え見え。ボク、まじ腹立っちゃったよ。結局、8件目くらいにかけた医院で夕方診てもらうことになったみたいでよかったけどね。どこでも普通に診てもらえるなんて伝説か神話の中でのお話。

 

ホーリーが言うには、今回いちばんしんどかったのは発熱3日目なんだって。それまでは38度くらいの熱と、ちょっとした喉の痛みと鼻水やくしゃみで、風邪プラス花粉症って感じだったんだけど、3日目の夜中に真打がお出ましになったんだって。喉の激痛、マックスの寒気、超倦怠感、39度を超えるウンウン唸ってしまうほどの高熱。先生の言いつけを守って解熱剤に頼らず、捨て身の丸腰でウイルスに闘いを挑んでいたさしものホーリーもここでギブ。闘いに疲れて解熱剤に手を出した。効き目の強いロキソニンではなく、優しい効き目(”あまり効かない” じゃないのか?)のカロナールを選んだところは褒めてつかわす、と、お医者さんが言ったとか言わないとか。効く方使えばいいじゃんってボクは思うけど、このヘンなこだわりって、禁酒を宣言した人があっという間に「ムリ!」になって飲んじゃったけど、ウイスキーじゃなくて、アルコール度数の低いビールを選んでエライエライ。っていうのに似てるかも?(似てないか)

ホーリーの具合は4日目以降、徐々に回復に向かったんだ。闘病中の彼に朝から朝までずっとそばにいて様子を見守っていたのがボクとねぎま先輩。鹿ジャーキーを忘れたことも許して、彼が寝ている足元や枕元、ときには布団の中に潜り込み、パジャマのヒモでちょいちょい遊びながらずっと一緒にいてやった(上から目線)。そして、退屈するとねぎま先輩を誘って、寝ているホーリーの足元でバタバタとニャンプロに勤しんだりした。

ワミさんが先に寝込んだので、ベッドはワミさんが使い、ホーリーはリビングに布団を敷いてそこで闘病生活を送っていた。猫というものは、部屋の模様替えのようなちょっとした環境の変化にも敏感で、環境が変化することを好まないんだけど、今回の変化は別物。硬い床の上に突如として柔らかい布団が登場したのだから、ボクもねぎま先輩も大歓迎のウェルウェルウェルカムだったんだ。もちろん、ホーリーのことは心配で、だからこそずっとそばにいてやったんだよ(あくまでも上から目線)。ねぎま先輩なんて、「大丈夫? 辛くない? 熱は下がった?」なんて言いながらゴロンゴロン転がってたくらいだ。5回に1回くらい「オイ、腹へった!」って言ってるのをボクは聞き逃さなかったけどね。

ボクたちの献身的な看病のおかげで、1週間後にホーリーは復活した。この一週間、ボクとねぎま先輩がめちゃくちゃ心配して、親身になって看病したことに彼は心から感謝し、今後は今まで以上に尽くしてくれるだろうと思う。
ホーリー、ボクたちの看病はキミの「心の薬」になったかい?(なったよな!)

さて、皆さんもうすでにお気づきのことと思うけど、今回の話と写真とは何の関係もございません。ホーリーは闘病、ボクは看病。この1週間、ふたりとも家のリビングに敷いた布団の上で過ごしていたのであしからず。
ところで、ダックスフンドとパピヨンの老犬の写真、なんとも言えない生命力を感じません?

ボクはこの写真を見たとき、思わず、「生きたい! って気持ちが伝わってくるし、生きたい! って気持ちにさせられる」って感じたんだ。

ホーリー、この1週間、キミに生きるチカラを与えていたのはボクとねぎま先輩だよね?
そうだろ? そうだよな?

「チョコモナカジャンボ。」と、ホーリーが即答。

はぁーーーーーーーーっ?