【夢旅 032】渡る世間は犬ばかり

伊勢崎レイニーブルー。雨のマルシェは犬ざかり

あ〜暑い、暑すぎる、ジメジメムシムシ、原稿書く気になれないヨォ。だって、あまりにも暑すぎるんだもん。ここは熱帯のジャングルかと思うほど(行ったことないけど)高温多湿なのだ。
というのも、あろうことか、ボクがいつもこの夢旅の話を書く部屋には、あのひんやり冷たくてさらりと爽やかな風を出してくれるエアコンというものがない。なので、夏はクッソ暑く、冬はクッソ寒い。冬はまだいい。ボクのお腹をポカポカと温めてくれるホットカーペットというスグレモノがあるから。問題は夏だ。日当たり良好の部屋には情け容赦なく陽光が降り注ぎ、というより突き刺さり、全開の窓からはぬる〜い、ってか、暑〜い風が入ってくる。マジかんべんしてほしい。

毎年夏になるたびに ”エアコンを入れろ!” デモを繰り広げてはみるものの、ワミさんにはガン無視され、ホーリーは「節電になっていいじゃん。」なんてホザく。
アンタたちはいいよ。毛が少ないから。でもね、ボクは毛だらけなの、夏でも毛皮着てるの。暑さハンパないっての。

いいですか、ワミさんもホーリーもよ〜っく知っておきなさい。人間と違って猫や犬は汗腺が圧倒的に少ない。だから、アンタたちみたいに汗かいて体温を調節するってことが苦手なんだ。ボクたちには手足の裏、そう、ほぼ肉球にしか汗腺がないの。人間は、かいた汗が気化したときに出る気化熱を利用して体温を下げることができるけど、ボクたちはそれができないんだ。犬は、口を開けてハーハーして(パンティング)体温を調節する。猫は、主に鼻や耳から熱を放出したり、体を舐めて唾液が蒸発するときの気化熱を利用して体温調節してるんだ。
どう、わかった?
わかったら早いとこエアコン入れろ、ボケェェェェ〜!

なんてグチってる場合じゃなくて、旅の話をしなきゃ、だよね。
最近いろんなところで犬まみれになってるんだけど、今回も犬まみれ。猫なのになぜか犬まみれ。で、今回のまみれ現場は伊勢崎のマルシェ。ここんとこ毎月のようにホーリーがあちこちのマルシェにお店出して楽しそうにしてるんだよね。ヤツは、いたらいたでウザイんだけど、放置されるのもシャクだし、マルシェがどんなものか気になるからたまに一緒に行ってやってるんだ。

伊勢崎でのマルシェは、梅雨どきらしく雨。前回、水がキライで梅雨も大っキライって話をしたばっかりなのに雨のマルシェに行っちゃった。でも、急きょ会場が屋根のある場所になったから、びしょ濡れになってホーリーに当たり散らすこともなく会場内をぶらぶらできたんだよね。

とある会社の敷地内で行われたマルシェは「ワンワンふれあいマルシェ」。その名の通り、犬とのふれあいを楽しむマルシェだね。そんなところに猫のボクが潜入するのもどうかと思うけど、あちこちで犬まみれになってて、もはや自分が猫なんだか犬なんだか若干分からなくなってるから大丈夫。まぁ、それにしても世の中いろんな犬がいるよね。ここにもデッカイ犬、小さい犬、足の短い犬、鼻ぺちゃな犬、モフモフな犬、スベスベな犬、洋犬、和犬、ミックス犬。犬っていう生き物はホント、種類によって全然違うから見ていて飽きないよなぁ。

ボクは、このマルシェにくることをすご〜く楽しみにしてたんだ。というのも、森から海へがお店を出すから。森から海へがお店を出すということは、そこには当然、ボクの大好物「鹿のめぐみ  鹿ジャーキー」があるはず。もちろん試食もできるはず。これは並んででも食べるでしょ。

ということで、さっそく試食の列に並んだ。ボクの前には柴犬。必然的にボクは柴犬のお尻を見ることになるんだけど、かわいいんだ、コレが。柴犬のお尻って犬の中でサイコーにキュートだと思うんだよね。まるっとしてて歩くとお尻が交互にプルンプルンって揺れるんだ。お尻の穴が丸見えでこれがかわいさを増し増しにしてる。ふわっとしてくるっと丸まったしっぽがとどめのキュンです。あああ、ボクは柴犬のお尻フェチかも。コレって猫なのにヘン?

柴犬のお尻にキュンキュンしてる間に試食はボクの番に。
「低脂肪・低カロリーでミネラルもしっかり入ってるからいっぱい食べても大丈夫よ。」とお店のおねえさん。もちろんたくさん食べることに異存などあるわけもなくバクバク食べる。でも、ボクのすぐ後ろに並んだオーストラリアン・シェパードがニコニコしながら「早くしろよ!」って圧をかけてくるので一旦離脱。もちろん、おねえさんにまた食べに来てもいいか確認することは忘れない。
その後、おねえさんの「何度来てもいいわよ。」という笑顔付きの言葉を間に受けて試食の列に並ぶこと3度。夕飯を食べなくても大丈夫ってくらい鹿ジャーキーを堪能させてもらったんだ。やっぱ鹿ジャーキーはサイコーのご馳走だわ。ありがとう、おねえさん!

 

鹿ジャーキーに大満足したあと、会場内をグルグル巡っていたら、な、な、なんと、猫に遭遇。しかも、白くてちっちゃい女の子。ボクはここでもキュンです。
子猫って、もう無条件にかわいいよね。思わず連れて帰ろうかなんて思っちゃう。ちょっと大きめな耳、ふわふわの毛、小さな肉球、たまんねー。一年も経てば大人になっちゃうんだけど、それだけに短い子猫期間にかわいさがギュギュっと詰まってるんだろうね。

さて、ホーリーはどうしているかと思ったら、いろんな犬の写真を撮ってた。一応、森から海へのお店の一部を借りて写真を展示したりグッズを売ったりしてるみたいなんだけど、お店もボクのことも完全放置。
何やら物憂げなミニチュア・ダックスフンドや有袋類の子供みたいにバッグの中にちんまり収まってるチワワ、カメラ(ホーリー)に向かってアッカンベーをするフレンチ・ブルドッグなんかを夢中で撮ってる。

「ホーリー、まだ何にも売れてないみたいなんだけど、ほっといていいの?」
「いいんだ、円より縁が大事だから。」

なんてわけのわからないことを言ってる。そんなこと言ってるからいつまで経ってもボクが好きなだけ鹿ジャーキーを食べることもできないし、猫タワーだってグラグラのまんまなんだよ。
ってか、ちゃんととグッズ売ってエアコン入れてくれよ!