「ぽんずの夢旅つづり005」 キラキラ星、まさかの大爆発!
猫は固まり、犬跳び上がる。
星の柄の布団の上で眠りながら、本物の星っどんなものなんだろう、キラキラ光ってるって聞いたけど本当なのかなぁ、なんてことを考えた。
星の光ってなんだろうね。何万コーネンとか何億コーネンって、見えてる光って、実は、すーーーーーっごく昔の光なんでしょ。光って腐ったり石になったりしないんだね。不思議だなぁ。
いまボクがいる所には、頭のすぐ上にいっぱい星があるんだ。オレンジ色っぽい星が木にくっついて光ってる。壁にぶら下がってる星もあるよ。みんなキラキラ光っててすごくキレイ。
周りにいる人たちはこの星のことを「イルミネーション」って呼んでるみたいだけど、この光も「コーネン」の光なのかなぁ。
ここは軽井沢ってところで、標高1,000メートルなんだって。さっき、一緒に木になる星を見てたセラピードッグのジュレに教えてもらった。ゴールデン・レトリーバーっていう大きな犬なんだけど、すごく気のいいヤツで、ボクがフサフサのしっぽをチョイチョイしても、タルンと垂れた耳に猫パンチしても笑ってるんだ。
もしかして、あんたバカ? って思ったけど、けっこういろんなこと知っててビックリしたよ。
標高が100メートル上がるごとに約0.6℃気温が下がるから、ここはボクが住んでるところより5℃以上気温が低いんだって。寒っ! ユ○クロのフリース持ってくればよかった…。
すぐ近くでやってる「マルシェ」っていう、いろんなお店があってお祭りみたいに賑やかなところのこともジュレが教えてくれたんだ。
マルシェには行ったのかって? もちろん、行ったさ。だって、軽井沢ってとこは犬に優しい街だっていうし、犬に優しいところは猫にも優しいはずだからね。それに、みんな笑っててすごく楽しそうだったから。
あれっ、なんか、めっちゃいいにおいがする。
クレープ、パニーニ、おやき……、カレーもあるじゃん!
さんまの塩焼きは……クンクン、うーん、ないな。
でも、おおおおおおおおーっ!
いろんなにおいに混じって、ボクの大好物「鹿ジャーキー」のにおいをキャッチ!
ぽんずさん、鹿ジャーキーどうぞ!
ったくもう、またホーリーついてきちゃってるし…。
ハイハイ、いわれなくてもいただきますよ。
あのさぁ、「試食用」とか「小さくちぎって」なんてケチなこと書かないでほしいなぁ。でも、ボクは字が読めないフリしてお腹いっぱい食べちゃった。完食。
食後はまた星のなる木のところに行って、キラキラ光る星を見上げてぼんやりしてた。隣では見知らぬ犬がいびきをかきながら爆睡中。のんきだねぇ。って、オマエもな、っていわれそうだけどね…。とにかく、ものすごくボヤ〜ッとした心地よさの中で、ボクは星を見てたんだ。
と、突然、星が爆発した。ヒューーーン、ドッカ〜ン! ババンバンバン!
赤、青、白、黄色……いろんな色の光がすごい勢いで飛んで、そんで、そんで、頭の上で大爆発したんだ。わけわかんなくて、目も頭もクラクラして、なんにも感じなくなって…。
そして、ボクは固まった。
あとでホーリーに聞いたら、この状態を「フリーズ」っていうんだね。フリースは確か家に置いてきたはずなのにフリーズしちゃった。
隣で寝ていた犬は大大大パニック。チョー不安な目でギャンギャン吠えてピョンピョン飛び上がってた。猫はフリーズ、犬はパニクる。
それにしても、あのクラクラ光とバカデカ音はいったい何? 星が大爆発したの?
いや、でも、木になる星も壁のぶら下がり星も、爆発のあとも見えてたような…。
これもあとでホーリーに聞いたんだけど、あの爆発は「花火」っていって、すごく華やかな光のショーで大人気なんだって。
でも、猫にとっても犬にとっても迷惑なもんで、あのときは、1万コーネンの彼方まで意識がぶっ飛んだね、ホント。コーネンの光恐るべし。