【夢旅 039】 ぽんずの夏休み日記②

みんなぐでんぐでん

◉8月8日(火)
きょうは「立秋」。りっしゅー?!
な、な、なんと、本日より秋の気配が立つ。(のだそうだ)
猫のボクにはサッパリ分からないことなので、グーグル教授にお伺いを立てる。すると、立秋というのは、「二十四節気の第13。七月節(旧暦6月後半から7月前半)。現在広まっている定気法では(って、みんな知ってるってことかいな?)太陽黄経135度のときで8月7日ごろ。」とのこと。そして、天文学では「日」ではなく「瞬間」をいうそうだ。つまり、天文学上では、秋の気配が立ち始めるまさにその瞬間を「立秋」と呼び、今年、2023年のその「瞬間」は、8月8日の18:23であるとのこと。これはぜひ大晦日の時のように盛大にカウントダウンせねば。
って、あちゃ〜、もう過ぎてるじゃん!

◉8月9日(水)
どんよりと曇っている。時々雨も降っている。凶暴な太陽の光はないんだけど、その代わりとんでもなく蒸し暑い。おーい、秋の気配、どこ行ったー。

◉8月10日(木)
入道雲がもくもくスクスク健やかに元気よく成長している。きょうもすこぶる暑い。
おーい、秋の気配、どこ行ったー。秋の気配全国指名手配中。

◉8月11日(金祝)

きょうは「山の日」。猫にとっては「それがどーした」って話だ。ホーリーが「きょうは山の日だから高尾山とか行く?」って誘ってきたけど、丁重にお断り申し上げた。猫は高いところが好きだから、きっと山も好きなんだろうと思ってのことなんだろうけど、猫は超局所的に高い場所が好きなんであって、時間かけてジワジワ登って行ってようやくついた頂上で「うわぁー、高い高い、こーゆーとこめっちゃ好き!」なんてことには、ゼッタイに、ならない。でも、家の中に山があったら、大至急登る。

◉8月12日(土)
朝、いつもより少しだけ早く起きたホーリーが「ぽんずさん、タマドー行こう!」と誘ってきた。
タマドー? どこそこ? 新しくできたドーナツ屋さん? と、ボクが首をかしげていると、
「タマドーブツコウエン」とのこと。ああ、多摩動物公園ね。って、もうじゅうぶんクソ暑いのに外を歩くなんて狂気の沙汰だ。ソッコー断ろうとしたら、ホーリーのやつ「ぽんずさんさぁ、白黒動物の研究するんだよね?」なんて言うんだ。猫の弱みにつけ込みやがって。

ということで、モノレールに乗って多摩動物公園へ(モノレールって、高い所を走るからまさに猫向きの乗り物だ)。動物園のためだけにあるような「多摩動物公園駅」を降りると、すぐに動物園の入場口となる。さっそく猫用入場券を買って中へ。(多摩動物公園はペットの入場不可なので、そんなチケットは存在しません)

 

世間的にはお盆休みなので混んでいるかと思いきや、割と空いている。って、それも当たり前、とにかく暑いのなんの。セミがジージーミンミン鳴きまくり、日向は肉球バーベキューができそうな暑さ。こんなんじゃ動物の皆さん、秘密基地に引っ込んじゃってるんじゃないかと思ったら、まさにその通り。
タスマニアンデビル、いねーし。
タヌキ、いねーし。
チンパンジー、いねーし。
トナカイ、いねーし。(寒い所の動物だから出たら溶けちゃう)
ユキヒョウ、いねーし。(名前に「ユキ」が付くのだから暑いところに出るわけがない)
チーター、いねーし。
ライオン、おお、いた!  でも、倒れてる…。も、もしかして死んでる? いやいや、生きてる。ボクと同じ格好でぐでんぐでんになってるんだ。やっぱ猫だ! だとしたら、ヘソ天でぐでんぐでんになることがあるかもしれない。いつか見たいぞゼッタイ見たいぞ、ライオンのヘソ天!

カンガルーもぐでんぐでん。園内のほぼほぼ皆さんがクソ暑さにぐでんぐでんになってる中、VIP級の特別扱いを受けていたのがコアラの面々。空調完備の高級マンションのような建物の中は外とは別世界、異空間。涼しいのなんの。コアラの皆さん、まじ快適そうにスヤスヤとお休みになっておられました(VIPには敬語を使う)。木の壁にコンクリートの床、リビング&トイレのユニット、風呂なし、エアコンなしの超格安物件にお住まいのヤギさん(暑い中での我慢を強いられている同士という仲間意識からさん付け)との格差ったら。コアラの無垢な寝顔とヤギさんのやってらんねーぜ感満載で、どこか達観というか諦観したような表情の違いが忘れられないのであった。
ヤギさんに愛のエアコンを!  ボクの執務室にもエアコンを入れなさ〜い!

実は今回、ボクがぜひ会いたいと思っていたのが「オオカミ」。孤高で気高く神秘的でカッコイイあの犬科の彼らに会うのを楽しみにしてたんだ。ところが、彼らがいるはずのエリアにはボウボウに伸びた草とアメンボしかいない池だけ。オオカミ、いねーし。
見えない時は屋内に行ってね的な案内に従ってオオカミ舎らしき建物の中に入ってみても、やっぱいねーし。諦めかけたところで目にしたのが部屋のずーーーーっと奥のほうで口を半開きにしてぐでんぐでんになってるオオカミ。マジかぁ〜。家で本に寄りかかってぐでんぐでんになってるボクと同じじゃないですかぁ〜。オオカミに対して持っていたイメージがガラガラと崩れ落ちた真夏の午後でした。オオカミさん(せめてもの敬意を表してさん付けで)にもこの暑さはこたえるんですね。涼しくなったらまた会いにきますね。

 

◉8月13日(日)
よせばいいのに、所沢航空記念公園で散歩。モーレツに蒸し暑いんだけど、木陰や小川のそばに行くとサラッとした涼しい風が吹くんだよね。
同じく散歩中のミーアキャットに会う。名前に「キャット」がつくけど猫とは関係なくて、マングースの仲間だよ。

◉8月14日(月)
雨が降ったり止んだり。以上。
って、やけにオザナリだけど、もう字数がいい感じだからいいのだ。
また来週!