6/11-12 行政視察

6月11日(土)森から海が主催する「ニホンジカが伝えてくれる森のこと」ツアーに佐久市柳田清二市長、山田環境部長、柳沢経済部長が参加されました。視察した森林の様子は柳田市長だけでなく参加者全員が抱いている「森」という景色ではなく、下層の植物の種数が少なく、虫や鳥、他の動物たちの気配を感じることができない静かな森が出来上がっている(多様性の低下)。場所によっては土留してくれる木々やスポンジの役割の腐葉土がなくなり土砂の流出が始まっている場所さえあるような森でした。ニホンジカが増えると何故この様な森の姿になってしまうのかの説明に熱心に耳を傾け、不明な点はしっかりと質問をされた柳田市長は直ぐに行動を起こし、佐久地域振興局高橋局長へ連絡をし7月20日に県と市の合同の視察が行われました。6月のツアー参加から1ヶ月ほどで企画され実現に至るという速さでした。それほどに柳田市長が危機感を持つ森林状態だったということだと思います。20日は午後5時20分からの限られた時間の中での視察のため車中でも森林の説明をしながら視察を行いました。ツアーをアテンドしていていつも感じることは、初めはなんとなくラフな雰囲気で始まるのですが、現場を見ていくうちに誰もが驚き、真剣な表情になっていくということです。今回もそうでした。

「下層植生の大切さは知ってはいたが、生物の多様性の低下が進むことで土砂の流出が始まり、やがて斜面が崩れるということは、これまで考えたことはなかった」という地域振興局長の言葉が表すように、これまで想定したいなかったことが森の中で起きています。局長は「県に多様性の低下が土砂の流出につながること。実際にその様な場所があることを把握しているかを確認します」とのことでした。また、柳田市長からは「これから県と市とで協議していくこと」を提案され地域振興局長もそれに同意されました。

農林業という経済につながる被害ではなく、誰かにどのようにつながる…というような固定された被害ではなく、誰にも等しく関わると思われる、そしてその時の被害は大きなものになると想定されるけれど、まだそれを知っている人は少ないと思われる現場に行政が来てくれたということは大きな意味を持っているというように思いたい数時間の視察でした。

柳田市長がその時の様子を、すぐにブログにUPされたのでシェアします。(柳田市長から承諾を得ています)

森海のツアーがきっかけとなった一歩です。

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