鹿のめぐみは犬と猫のためのオーガニック食品?

「オーガニック食品」とは、農林水産省が定める有機JASという厳格な基準を満たした食品のことである。この基準には農薬や化学肥料の使用に関してや、遺伝子組み換えでないかどうかなどが盛り込まれている。では、森から海へが取り扱う鹿肉を使用したフード、「鹿のめぐみ」はオーガニック食品に該当するのだろうか。

 

オーガニック、ペットフード、ドッグフード、キャットフード

 

確かに、鹿のめぐみシリーズに使用される鹿肉は長野県小諸市で捕獲された国産のものである。ドライフードである一般食には有機野菜や有機穀物が使用され、製造場所は熊本県の工場である。原材料へのこだわりは日本で一番であると言っても過言ではない。しかし、この部分だけを見れば良さそうに思えても、ペットフードである以上は「オーガニック食品」として認めてもらうことができないという現状がある。

なぜなら、農林水産省が定める有機JASの認定対象は人間の食品のみだからである。そのため、正直な話をすれば、鹿のめぐみは「オーガニック食品」の基準を満たすために原材料を選んで製造しているということはない。もちろん、認定されないからといって中身について言えないようなことをしているわけではない。飼い主様から問い合わせがあれば原材料についての情報を可能な限りお伝えし、希望があれば長野県小諸市にある鹿肉を処理している小諸市野生鳥獣商品化施設への見学にご案内することも可能である。また、鹿のめぐみの製造や販売に関わる人たちは、鹿を捕獲するハンターから原材料の製造元や製造工場、営業や販売に携わるスタッフも含め、顔の見える形で飼い主様に対応することへ賛同している。これは私たちの家族の一員であるわんちゃんやねこちゃんにも、安心して安全な食事を喜んで食べてもらいたいという共通した想いがなければできないことである。このような見える化をしたペットフードの製造と販売は、「オーガニック食品」として認められることとは別の意味にはなるが、ペットフードを購入する際の大きな安心材料の一つになると考えられる。

以上より、鹿のめぐみはペットフードであるためオーガニック食品になることは2021年現在では不可能であるが、オーガニックとは別のところで安心と安全を保障しているフードであると言える。わんちゃんやねこちゃんの食事にオーガニックを取り入れたいという飼い主様が多いのは事実である。しかし、フード選びの際はオーガニック食品の基準を満たすことだけが安全のすべてではないと捉え、広い視野と柔軟な考え方で対応していただくことを私は推奨する。