環境ライターの箕輪弥生様に、鹿ツアーにご参加いただきました!

生態系はつながっているということは頭ではわかっていても、今回のツアーで鹿が増えすぎたことが森林の生態系にどれほど大きなインパクトを与え、それが土砂崩れや赤水の原因になっていることがリアルに腑に落ちました。
美しいブナの自然林「カヤの平」では振った雨を歯が受け止めて優しく土壌に落とし、幹を伝わってブナの根本に水を送る「樹幹流」が見られ、森の更新によって自然界の生と死を受け止めて続いていくことを感じることができました。

 

それに対して、春日鹿角渓谷では、鹿に食べられたシダやササの葉、樹木があり、雨水が土壌にたたきつけられ、受け止められなかった雨水が土砂と共に流れ出している、それを目の当たりにしました。森の更新が途絶えてしまうかもしれない危機感も感じました。

「森は少しづつ変化している、その警告を受け止めないとある時大変な被害につながる」という池田雅子さんの言葉を土砂降りの中、その現場を一緒に見ていただいた佐久市長も重く受け止めていただけたのではないかと思います。

 

この鹿問題の解決策の正解はまだないと思いますが、素人なりに考えてみました。
猟友会とは別の、もしくは連携したプロフェッショナルな捕獲技術者と南正人先生や池田さんのような森林や鹿の生態学に精通した方との連携、そこからの知見を得ての解体場の運営と拡大、出口としての販売先の開拓などによる新たなビジネスモデルの構築が待たれるのではないのではないかと思います。鹿肉、鹿革、鹿骨など鹿の命をすべて活かすことも大事なポイントだと思います。なかなか大変なことですが・・・。
さまざまな気づきといただきありがとうございました。

 

以下ツアー写真:環境ライターの箕輪弥生さんよりご提供いただきました

ブナの木にくっきりわかる樹幹流(カヤの平)

雨を森の土壌が受け止められず土砂と共に流れ始めた場所(春日鹿角渓谷)

 

ガイドをしてくださった南正人先生(左)と池田雅子さん(右)