あんずちゃんは3代目シーズ犬、7人兄弟の1匹です
「この子で3代目のシーズ、名前はカスミ、あんず、さくら、と言い全て花の名前をつけているの。
なんでシーズばっかり飼っているかというと、静かなの、よっぽど変な人でなければ吠えないのよね。ちょっとビビリやで人混みが苦手、いつもはお父さんが朝早くの散歩なのでいいのですが、今日みたいに夕方の散歩になると人を避けての散歩はあんずにとってはちょっと大変なんです。
ペットフードのカリカリはほとんど食べないの。鹿肉というよりは鶏肉がほとんど肉食、魚はほとんど食べません、野菜も茹でて食べさせます。国産の食材を使っています。ちょうどトリマーさんのところに行ったばかりなので、毛が短くなっているのですこし寒いかも。1ヶ月に一回は切ってもらいます。シーズは毛がすこし長くなると毛玉ができて大変なのです。」
ここまでが今一緒に散歩をしているあんずちゃんのお話でした。
夕方の人通りのお多い商店街を歩きながらのお話だったのにも限らず楽しそうにお話をしてくれました。そして話は次に発展していくのです。
「この子のお母さんはさくらと言って一回に七匹の子供を産んだことがあって、その時は本当に大変で、黙っているとすぐ痩せてしまうから、とにかくさくらにいっぱい食べさせました。母乳で育てるわけで、それが出ないと子犬達が育たないので、さくらにいっぱい牛乳を与えていました。レントゲンで出産前からオスとメスが何匹になるかがわかっていたので、もらわれ先は決まっていました。3ヶ月の間は我が家で全ての子供達と過ごしました。夫婦二人は犬小屋の中に住まわせてもらっているという状況です。でも大変だったけど本当に楽しかったのよ」 もうびっくりのお話、わたしには絶対できないなって、家中がワンチャンだらけですよ。昔「101匹ワンチャン」という漫画もあり、映画もありましたよね。あのシーンは今思い出すとちょっと優雅な感じのレディがなんとかという白と黒ブチの101匹のワンチャンの物語でした。メイドさんや執事が居てって感じでしたよね。あれ自体ちょっと異常なシチュエーションですがそれを面白おかしく描かれていましたが、まんざらフィクションの世界では無いとは想像できますが、今日のお話をしてくださったさくらちゃんのお母さん達からはそれに匹敵するほどの日本版101匹ワンチャン物語があるのではって。
もう一度会ってその辺りのお話が聞けたら楽しいだろうな。 あいにく何もお渡し出来なかったのよね。 こんな時にちょっと引っ込み思案の渡邊が顔を出します。 最初にあんずはドックフードのカリカリは食べないのよねなんて言われちゃって、すこし萎えちゃってました。
でも鹿肉って良いっていうじゃ無い、どうしてなの?と聞かれたので、 それはオオカミと鹿は天敵なのよね。だからワンチャンにとっては鹿肉はそのDNAからして良いんです。とお答えしました。きっと間違っていないと思います。 ご縁が有ればまた再会できるでしょう。 今日もワンチャンとの素晴らしい人生を伺うことができました。