【夢旅 051】公園は自然な出会い系
もっと公園に行こう
公園が好きだ。
ボクは、公園と呼ばれるところならどんなところでも好きだけれど、なかでも誰でも自由に出入りできて一日中遊んでも誰にも文句を言われない、入園料のかからない公園が好きだ。ホーリーと一緒に歩き旅をしていて、その日の寝場所探すとき、野宿場所の第一優先として物色するのが公園だ。大きな公園にはたいてい芝生の広場があるし、雨がしのげる東やが建つ公園もある。水道があるから飲み水には不自由しないし、トイレも完備されている(ボクは砂や柔らかい土があれば事足りるんだけれど、ホーリーにはトイレが必要だ)。こんな公園は野宿場所として「最優良物件」と言える。
公園は基本的に自由な空間だ。天気の良い日に木々の中をそぞろ歩いて、ほどよく疲れたらおやつの鹿ジャーキーを食べて、ポカポカの陽だまりで昼寝三昧。ふかふかの芝生が最高級ベッド並みの寝心地の良さなんだ。ときどきアリが体に乗ってきてくすぐったいけど、それも公園昼寝の醍醐味のひとつ。
横ではホーリーが本を読みながら、例のアワアワした黄金色の水(ビールと言うらしい)を飲みながらボクの鹿ジャーキーを盗み食いしてたりする。家での盗み食いには厳重な指導が入るけど、心のゆとりのためか公園ではスルーしてあげている。
気持ちよく寝ていると、ふわりと体を撫でる風が少し冷たいなぁ、と思って起きたら2時間も経っていたりしてビックリしちゃうこともあるんだよね。
アンタ、ずいぶんヒマだねぇ、って言われれば、まぁその通りなんだけど、でもさ、どうよ、この贅沢な時間の使い方(無駄な使い方と言う人もいるかもしれないけどね)。これだけのんびりゆったり幸せな時間を堪能してもお代は “タダ”。めっちゃお得!
そして、公園にはもうひとつ、いろんな友だちと出会えるという魅力があるんだ。少し前に所沢航空記念公園で遊んだときは、マシンガントーク炸裂のおばちゃんもタジタジになるほどよくしゃべる3頭の犬たちと友だちになった。
「アンタちょっと聞いてよ。最近、ウチのご飯が変わったんだけどね、大きいのよ、粒が。アタシは小さいほうが好きなのにさ。わかってないっつーの。」
「あらやだ、ウチなんて、マグロからサバよ、サバ。いくらマグロが高いからって、サバはないわよね〜。」
「そうそう、あんたたち、きょうのお弁当何?」
「お弁当? あらやだ、あそこに猫がいるわよ、猫が。ねえアンタ、サバ食べない?」
※基本的に人の話を聞かないで思いついたことを喋り倒すのがトークの極意(らしい)。
といった具合におしゃべりな犬たちだった。
芝生の広場では猫とも出会った。2匹の猫たちは、賑やかな犬たちとは対照的に、太陽の光を浴びながら静かに物思いにふけっていた(何も考えていないのかもしれないけど)。そして、迎えがくると、バッグに乗り込んでアライグマのようなしっぽを外に出したまま去って行った。
公園で知り合うのは犬や猫だけではない。ちょっと風変わりな動物と出会うこともあるんだ。このとき出会ったのはミーアキャットとウサギ。
ミーアキャットって、”キャット” とはいうものの猫じゃないんだよ。オランダ語で「湖の猫」という意味だけど、実際はマングースの仲間。猫とは何の関係もないんだ。そして、”湖” といっても水辺で暮らしているわけでもない。アフリカ南部の開けた荒れ地や乾いたサバンナで群れで暮らしてる穴掘りが得意な連中だよ。ミーアキャットには「砂漠のギャング」とか「暴徒」なんていう別名があって、かわいい容姿からは想像できない強面なところがあるんだって。彼らにもボクと同じように「臭腺(肛門腺」があって、雄は繁殖期になると「お前スカンクかよ!」っていうほど強烈な臭いを出すらしいよ。
ところで、そもそも「公園」ってどんなものなんだろうね? どんなふうに分類されてどんな種類のものがあるんだろう? と、ここはやっぱりグーグル教授にお出ましいただこう。
教授によると、「公園」はまず「営造物公園」と「地域性公園」の2つに分類されるんだって。地域性公園というのは「国立公園」や「国定公園」や「都道府県立自然公園」というように、自然の景観を保ことが主な目的の公園。ボクたちが旅をするときに行くようなところだね。
そして、ボクたちがよく散歩したり芝生で昼寝したりするところは「営造物公園」というところで、そこはさらに「国の営造物公園」と「地方公共団体の営造物公園」に分類されるんだよ。
<国の営造物公園>
・国民公園(皇居外苑、京都御所、新宿御苑)
・都市公園(国営昭和記念公園など)
<地方公共団体の営造物公園>
・都市公園(代々木公園や所沢航空記念公園のような公園)
・その他の公園(特定地区公園など)
ボクたちが「公園に行こう!」って行くのは「都市公園」なんだね。そこは分かった。でもさぁ、都市公園って何なのよ? 教えて、教授!
ってことで、再びグーグル教授にお出ましいただく。教授、またたく間にボクの疑問に答えてくれる。教授は何でも知っている。
で、「都市公園」とは、都会的な街にある公園とは限らず、「都市公園法に定められた国または地方自治体が設置した公園」のことだって。ふーん、そうなんだ。都市公園は大きく5つに分類されるらしいけど、猫なのでそこは聞かなかったことにする。
ボクたちが遊ぶ、「都市公園」ってところは、わりと動物に優しくて、猫も犬もウサギもミーアキャットも自由に入れて一日中遊べて昼寝もできるしいろんな友だちと自然に出会えてしかもお金がかからない、あ〜、まさにパラダイスだよ。
そうだ、もっと公園に行こう!