【夢旅 015】 教えて、おいぬ様! 雪の東京肉球ジンジン散歩

 

ゆーきーやゴンゴン、あーら……って、寒すぎだろ!

東京に雪が降っている。久しぶりのことで大変に珍しいことだけど、いかんせん寒い。「雪」という童謡の歌詞のなかに「雪やこんこ」という言葉が出てくるけれど、あれは「雪よ、来い来い」とか「雪よ、もっと降れ降れ」っていう意味らしい。冗談じゃない。現状、もうすでにゴンゴン降っている。とにかく寒い。こんな日は、ぬくぬくの聖地こたつのなかで健やかな昼寝を楽しむのが猫のシアワセってもんだよねー。

で、こたつ布団に猫穴を掘っていたら、ホーリーがやってきて「ぽんずさん、散歩行こ!」だって。「はぁ? このクソ寒いなか、なぜ散歩? イヤだね。」と、即拒絶。ところが、GKR(ギックリ腰)から立ち直った我が執事は、「これは夢旅。夢のなかの旅だから、寒くなんかないんだよ。早く行こ! すぐ行こ」と攻めてくる。でもまぁ、考えてみればなるほど〜とも思えるので、あまり深く考えず散歩に出かけた。
で、12秒後。すでに肉球がジンジンする。ついでに後悔。

ざっけんなよ! リアルにめっぢゃざみ〜ざん!(寒すぎてボクは早くも口がまわらない)

とりあえず、家から40mほどのところにある「御嶽神社(みたけじんじゃ)」に行く。雪ゴンゴン。昼と夜の違いはあれど、ほぼ大晦日の「ゆく年くる年」の世界。人っ子ひとりいない。ウチに鹿ジャーキーをねだりにくる自由猫のピーさんも当然いない。狛犬さんたちの頭には雪が積もっていて、白いズラをかぶってるみたいでちょっとカワイイ。

この御嶽神社って、青梅の御岳山頂にある武蔵御嶽神社にゆかりのある神社で、狼信仰の神社でもあるらしいんだ。もしかしたら、この辺りにも昔はオオカミがいて、村の人が「おいぬ様」って呼んで崇めてたのかもしれないなぁ。それでなのかはわからないけど、この神社の二体は、どちらもに妙に歯並びがいい。オオカミだからなの? 教えて、おいぬ様。

そういえば、なんで神社には狛犬さんがいるんだろう。なんで猫じゃない?ということで、「狛犬、理由」と、スマホ様でサクッと検索。(もちろんホーリーにやらせる)すると、「狛犬は邪気をはらい、神前を守護するための魔除け」なんだそうだ。そして、基本、獅子と狛犬が一対になっていて、しかも、向かって右側が口を開けた「阿形(あぎょう)」のもので、左側には口を閉じた「吽形(うんぎょう)」のものが構えているんだって。「阿吽(あうん)」だね。僭越ながら、全国の狛犬さんには、ぜひ、神前にいる猫を寒さから守るという役目も担ってほしいと思う。今すぐにでも担っていただきたい。(だって、マジ寒い)

さぁ、もう十分だ。雪は堪能した。咲いたばかりの梅の花も雪まみれになっている。見るからに寒い。さっさと帰ろう。

雪やこんこの歌の歌詞にもあるけど、雪の日には、「猫はこたつで丸くなる」ものなんだ。ボクはなんでこんなゴンゴン雪が降る中を歩いてるんだろ。夢旅ができるんだったら、雪なんか降らないあったかいところに行けばいいんじゃね? だよねー。で、とりあえずお天気アプリで確認。まずは現在地(多摩のほう)「0℃  寒い」。そうそう、寒いよね。どのくらい寒いかっていうと、猫だけど風呂に飛び込みたくなるくらい寒い。
次に那覇。「21℃ ちょうどいい」。に、にじゅういちどぉ?! ちょうどいい?! ちょうどいいって、なんて素敵な響きでしょう。何ごともほどほどが一番。ちょうどいいがちょうどいい。熱々の道路で日陰を選んで歩く必要もなく、寒いだの、寒いだの、寒いだのいわなくてすむなんて、サイコー! そういえば、ボク、まだ沖縄には行ったことなかったなぁ。猫は「ちょうどいい」をこよなく愛している。ちょうどいいのなら夢旅じゃなく、リアルの旅で行ってもいいぞ。そこで、なんの脈絡もなしに突然思い出したけど、そういえば、ホーリーは熱い風呂が大好きっていってたな。43℃が “ちょうどいい” って。沖縄の気温と風呂の温度を比べるのもどうかと思うけど、ちょうどいいか、そうでないかは本人次第ってことかもしれないなぁ。
試しにハワイで検索。すると「羽合(鳥取県)」と出て、「5.3℃ 寒い」だそうだ。ハワイって鳥取県だったんだ。しかも、寒いって…。

おあとがよろしいようなので、さぁ、帰ろう。とっとと帰ろう。
帰って、こたつでぬくぬくしながら出来たての味噌汁でも飲もう。って、ダメダメ。湯気がたってるような熱いものなんて飲めるわけないじゃん。だって、猫ですから。
冷えた体に温かい飲み物は美味しいはずなのに、猫はなんで熱いものが苦手なんだろう。教えて、おいぬ様!

ちなみに、京都の金刀比羅神社や新潟の南部神社には「狛猫」がいるそうだ。ぜひ対面して見たいと思う。