【ぽんずの夢旅つづり】 猫は甘いものがお好き?

 

 

 

猫は甘いものがお好き?

猫と山羊と伊豆高原の森のプリン。

 

 

 

 

 

 

 

 

ボクは、ホーリーのスマホを毎日見てる。

そうそう、初回にも言ったけど、「ホーリー」って、猫語で「執事」っていう意味だからね。
ボクの方がエライんだ、エヘン!

でも、なぜだかわからないけど、ホーリーはいつもボクの夢旅についてくる。
そして、なぜかタメ口。そのホーリーのスマホを、ボクは毎日見てるんだ。
正確にいうと、スマホに貼ってある1枚の丸いシールを見てる。

なぜかって?
それは、そこにある1匹の動物の絵が描かれてるからなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

その絵はただの線なんだけど、4本の足があって、
長い耳みたいなものもあって、あごの下にピヨンと何かが生えている。

ボクはその動物が何者なのか知らないし、もちろん会ったこともない。

でも、気になって仕方がないから、この前、ホーリーにその絵のことを聞いてみた。

「その動物はボクより大きい?」
「その動物にも “いのち” はある?」
「その動物には、どこに行けば会える?」
「それで、その動物はおいしい?」

その絵は「ヤギ」という動物で、漢字で書くと「山羊」。
静岡の伊豆高原に「弥太郎さん」という知り合いの山羊がいるって、
ホーリーが言ってたから、ボクはさっそく弥太郎さんに会うために眠りに落ちた。

「山羊の弥太郎さん」には、拍子抜けするほどあっけなく会えちゃったんだ。伊豆高原で。
弥太郎さんは巨大だった。ボクの10倍以上、鹿と同じくらいかも。
絵に描かれていた長い耳のようなものは「ツノ」、あごの下のピヨンは「ヒゲ」って呼ぶんだって。
そして、ボクやホーリーと同じように、弥太郎さんにも “いのち” があった。
だって、息をしてたし、口がモグモグしてたし、温かかったもん。
空気を吸って、ごはん食べて、心臓が動いてて、血が流れてるんだなぁ、生きてるんだなぁ、って思った。

 

 

 

 

 

 

 

山羊は「山のヒツジ」って書くけど、ウシの仲間で、世界のあちこちで会えるんだよ。

山登りが得意で、急な崖でもスイスイ登っちゃうらしいよ。
普段は草を食べてるんだけど、紙も食べちゃう。

でも、コウゾとかミツマタっていうものから作った和紙ならいいけど、
コピー用紙とか食べちゃうと死んじゃうこともあるんだって。

ボクは紙なんて食べないけど、弥太郎さん、紙を食べるときは気をつけてね。
沖縄県では、山羊汁とか山羊刺しが伝統食になってて、昔から山羊を「郷土の恵み」としておいしくいただいてるみたい…。

あれ? ホーリーがいない…。
と思ったら、執事のくせにボクより先に森の中で休憩してるじゃん! しかも、なんか食べてる! 

ボクがしっぽをパンパンに膨らませて近づいていったら、ニコニコしながら
「甘くておいしい森のプリンだよ。ぽんずさんもどう?」だって!
もうっ、なんっにも知らないんだから!

 

 

 

 

 

 

 

人間って、スイーツっていう甘い食べ物が大好きだよね。

犬も甘いものをとてもおいしそうに食べる。

それは、「甘さ」を感じる「味蕾(みらい)」っていうものが人間や犬にはたくさんあるからなんだ。

でも、猫にはそれがないんだよね。だから、猫はスイーツを食べても、「別に…」ってカンジ。
ただ、プリンみたいに牛乳の味がすると、ちょとそそられるかなぁ…。

ホーリー、そのプリン、ちょっとちょうだぁ〜い!