かわいい鹿たちが起こす、生物多様性の損失

金華山ツアーにご参加いただいた原田様よりご感想を頂きました!

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小さな島に野生の鹿が700頭ほど生息している景色。
観光目線では奈良鹿よろしく和やかな雰囲気です。

芝がキレイに刈られ整備が行き届いているフィールド、
所々に背の低い草花や岩肌が顔を出し、それが小島のようにも見える。
大きな空、青い海、緑の大地に野生の鹿達。
惑星観がはんぱない!

非日常な世界に飛び込んでワクワク胸が躍りました。
が、しか(鹿)し、です。

実は、この芝が広がるフィールドは、観光整備されたわけではなく、鹿が食べ尽くした景色でした。
残された草花は、棘や毒があるなど鹿が食べない植物。
南先生、樋口先生と共にフィールドワークし、
この島の鹿の問題をお聞きし理解を深めていくと、鹿の問題が島の動植物全体のシリアスな話に繋がっていく。

鹿の繁殖が進み、個体が増えすぎることで食べ物が不足し、食べ尽くされるが故に、
草花が育たず、本来受粉して数を増やす草花に群れる蝶々もいなくなる。
動物だけでなく昆虫も減少し、生物多様性が失われ生態系ピラミッドが崩れていく。

植物が育たず減少することで土壌が痩せ、踏ん張る力を失い、洪水や土砂災害が起こりやすくなる。
森が力を失い、そして森自体が失われていく。

天敵がいない、狩猟も行われない金華山で暮らす鹿と眼前に広がるフィールドの様子は、
他地域でも問題視されている生物多様性の損失問題、地球環境問題の縮図であると感じました。

こんなにかわいい鹿だけど、増えすぎることで生態系のバランスが崩れ、
様々な悪影響が出ることを知り、そもそも寒さが厳しい東北の地で鹿達が越冬できるようになったのは地球温暖化。

その大きな要因が人間にあることを私たち1人1人が考え行動する必要がある、と感じました。
今まさに、SDGsが声高に叫ばれ、SDGsに取り組む事が正義というムーブメントの中、
形に囚われず、自分の目で見る、問題の本質を知り考える、
そして自らアクションを起こしていくことの重要性に気づき向き合ったことが、今回のツアーに参加した収穫でした。

さて何をしようか。日々考え行動したいと思います。