【夢旅 009】 一 富士、二 鷹、三 鹿ジャーキー
ボクの一年は91日
また新しい年がやってきたね。2023年。ボクにとっては8回目のお正月。
毎年お正月になるとホーリーとワミさんは、朝から「お酒」っていう不思議な水を飲んで楽しそうに笑ってる。ボクは密かに「笑い水」って呼んでるんだけど、笑っちゃうほど楽しい水もたくさん飲むとコロンと横になって寝ちゃうんだからますます不思議な水だよなぁ。
ふたりしてコロンってなると、ボクの温もりの聖地 “こたつ” のなかに4本の足がズボッと入ってきてジャマったらありゃしない。おまけに4本とも少しクサイ。
そんな日がもう3日も続いてる。ふたりともすっごいポンコツ。
そういえば、ホーリーが笑い水を飲みすぎてポンコツになる前に「初夢」について語ってたなぁ。年が明けて初めて見る夢のなかに出てくると縁起のいいものが3つあるってことを。
一つ目は富士山。コレはわかる。ニッポンで一番高い山だからね。で、次は鷹。コレはどうなのよ。猫的にはナットクいかないよなぁ。だって鳥でしょ。なんかちょっと目つき悪いし。でもまぁ、高くまで飛べるってことでヨシとするか、猫は高いとこ好きだし…。問題は3つ目の茄子。コレは認めない。ぜったいダメ。だいたい猫は茄子を食べない。それに、あのヘタのところを触るとトゲが刺さって痛いってのもなんだかムカつく。「成す」ってことから縁起がいいっていうけど、津軽弁だといいこと無しの「無し」と「茄子」、どっちも「ナス」じゃね?
初夢って、その年の縁起を占うっていう意味もあるんだろうけど、ボクには縁起なんかよりも一年の重さの方が問題だ。
なぜかって?
これは、猫や犬と暮らしてる人たちにはちゃんと知っておいてほしいんだけど、猫や犬にとっての一年と人間にとっての一年とでは、重さがぜんぜん違うんだ。ボクたち猫や犬にとっての365日は、ただの一年じゃないんだよ。人間よりもずっと長く、深く、貴重な365日なんだ。
ボクたちは、人間の約4倍のスピードで年をとっていく(猫、中・小型犬の場合)。人間の年齢に換算すると、生まれてから1年で、人間でいう「成人」、ハタチくらいになっちゃう。そして、そのあと「1年で4歳ずつ」年をとっていくんだ。つまり、365日の4分の1、約91日でひとつ年をとるってことになる。3ヶ月に1回誕生日がきちゃう計算になるんだよね。
誕生日プレゼントが年4回ももらえてお得じゃん、って、そういう問題じゃないっつーの。ボクたちにとっての1年は、人間にとっての4年、4倍の重みがあるってことをわかっていてほしいんだ。だから、ボクたちとの時間を丁寧に過ごしてほしいんだよね。わかる? たのむよ!
猫や犬の年齢を人間のそれに換算する方法はいくつかあるけど、わかりやすいのを教えるから、猫や犬と一緒に暮らしてる人は計算してみて。
えええ〜っ、もうこんなにトシなの?!ってビックリするかもね。
<猫や犬の年齢の簡単な計算方法>
◎猫、中・小型犬の場合
20+(ペットの年齢−1年)×4
◎大型犬の場合
12+(ペットの年齢−1年)×7
ボクはいま7歳だから、「20+(7−1)×4」ってことになって「44歳」。
うわっ、オジサンじゃん。って自分で驚いてどーするよ!
夜になって、ホーリーとワミさんがまた例の「笑い水」を飲みはじめた。ボクをほったらかして飲んで、食って、寝て、また飲んで…。やれやれだ。明日はふたりにボクの一年の重さについて説教しないと。なんて、いささか呆れながらボクはフツーの水を飲んで鹿ジャーキーを食べてる。
そうそう、ボクの今年の初夢に出てきたのは、この大好きな鹿ジャーキー。鹿は古来から縁起のいいものっていわれてるんだよ。こじつけ感満載の茄子とは違うのさ。奥深い由緒があるのさ。
だから、縁起のいい初夢は「一 富士、二 鷹、三 鹿ジャーキー」だね!
今年もヨロシクね!