チャチャ日記 7

毎日のようにチャチャと散歩しているうちにチャチャが好きなモノがよくわかるようになった。「これを見つけたらもう我慢できない!」というモノがチャチャには3つある。
まず1つ目は(芝生)である。
芝生を見つけると急に早歩きになる。
そして芝生に入るやいなやいきなり勢いよく走り出す。あまりのスピードに僕は追いつけないこともしばしばだ。
芝生のあちこちで匂いを嗅いで腹ばいになって、時にはごろごろ寝転がって芝生を満喫するチャチャ。
その感触が余程心地よいのだろう。寝転んでいる時の表情は本当に嬉しそうだ。
2つ目の好物は(ボール)である。
狩猟犬として生まれた犬だからか動くものに目がない。たとえば木の葉が風に吹かれて飛べば歩道を勢いよく走り出す。
ボール遊びをしている子供を見ると、そのボールがほしくてリードを思い切り引っぱる。
だから僕はいつもボールを携帯することにしているのだ。誰もいない広場があるとボールを投げてしばらく一緒に遊んであげることにしている。
困ってしまうのは何時でも何処でも「ボールを投げろ!」と要求してくることだ。車や歩行者がたくさんいる大通りでボールなんか投げられない。無視して歩き続けると、途端にストライキを起こし大の字になって動かなくなる。
そんな時はボールを投げるふりをしながらチャチャを歩かせるしかない。
3つ目にチャチャが好きなものは(うんこ)である。
あちこちの草地で匂いを嗅ぎながら他の犬のうんこを探している。見つけると「あったぞ!」と喜び。放っておくとそれを咥えて「見つけたっ見つけた!」と走り出すのだ。
「止めなさい!」と慌てて綱を引くと「取られてなるものか!」と抵抗しヘタをすると飲み込もうとしたりする。
とんでもない趣味である。
チャチャが好きな3つのモノ「芝生・ボール・うんこ」
これ実は人間の子供も大好きなものだ。
「そんなバカな!うちの娘はうんこなんて好きじゃないわよ!」と言うお母さん!考えてみてください。あの(うんこドリル)の爆発的なヒット。
漢字や算数などのあらゆる学習ドリルの例文に(うんこ)を絡ませる(うんこドリル)は270万部の大ヒットとなり今も売れ続けている。
そしてお台場には(うんこミュージアム)ができてしまった。こちらもオープンと同時に1000人の行列ができ、今では予約も取れないほどの大盛況。
人間の子供もチャチャと同じ、うんこが大好きなのだ。
ただチャチャの場合はそれを食べようとするのがイカン。鹿肉ジャーキーとうんこジャーキーの違いもわからないなんてとんでもない。
そこで僕はいつもの鹿の生肉に加えて鹿肉ジャーキーも注文することにした。
鹿肉ジャーキーを毎日食べて、うんこジャーキーとの差に気付き、うんこには目もくれないチャチャになってほしいと思うのである。

執筆者

本田 亮 ほんだ りょう
CMプランナーとして、ピッカピカの1年生など数多くのキャンペーンを企画・制作してきた。
サラリーマン転覆隊隊長として、世界中の海山川を旅し、その体験をアウトドア雑誌などで連載中。
環境マンガ家として、様々な社会問題を取り上げ楽しくわかりやすく解説している。