鹿ツアー 参加者の声①

以下の感想は、築地で牛肉を生業としている方からの感想です。

今回のご案内をいただく静岡県伊豆の現地の方々は「プロの猟師」と聞いていた。
朝セブンイレブンの待ち合わせ場所に到着すると、さっそくご紹介に預かった。
私は「猟師」ってものは頑固もので、こわおもて(強面)で、とっつきにくく、今回も祝日にわざわざ案内するなんてありがたいと思え!」って感じだろうと、勝手に思っていたのだが、第一印象はこうだった「あれ やさしい!口調も穏やか!えっ!まじ!」
そしてここから、濃密な1日がかりの山の実態を体感することになるのだった。

私が一番印象に残ったのは
鹿の存在意識がハンターの人たちでも天と地のように違うことだった。
自然破壊の源の一つが「鹿」であるとすると 本気で獲らなければ山が死ぬ!
自然はそう甘くはない! もうすでに死にかけているのだ! という早川さんの言葉には怖さほど感じる。

この現実があるから逆算して、生体のバランスを考慮して捕獲するのだが、そこにはハンター同士の縄張り争い、スポーツハンターとの意識の違い、そして行政らしい対応の遅さなどなどが加味され、混沌とした むなしい現実となって今、目の前の「枯れた山」として エネルギーを感じない「はげ山」となって表れているのだ。

そしてハンターの方の話が印象的だったのは
我々の後継者を育てたいとおっしゃっていた。
生き物の命をいただくことの有難さ、あり方をしっかり租借できる人が、命をいただく猟師として携わるべきであると彼の言葉から私は感じ取った。
それは、銃の技術・罠の技術だけではなく、動物を愛しているからできる「プロの猟師」の本物のことばだったのではないだろうか?
鹿も必死に生きているのを理解しての行間を感じた。

築地も魚・肉・野菜と命をいただきながら、それを生業としている。
「感謝」という言葉の重さを、改めて痛感させられた伊豆の視察であった。

自分に何ができるのか、今一度心に問いかけてみようと思う!

今回の視察を企画してくださった方々、そして現地のハンターのお二人、集まった皆さん、ありがとうございました。本当に本当に感謝いたします。

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