身近なお肉と比べる鹿肉⑥~豚肉×栄養素~

今回は鹿肉の栄養素と
豚肉の栄養素を比較します。

フォーカスするのは
牛肉や鶏肉と同様に、
三大栄養素の中から
タンパク質と脂質、
そしてミネラルの一つである
鉄です。

まずは豚と黒豚を
それぞれの部位別に
見ていきたいと思います。

下のグラフが豚100gあたりの
部位別の成分比較になります。

タンパク質が多く、
脂質は少なめ、
さらに鉄はもっと少ないことが
分かります。

実際の数値で見てみると、
タンパク質を最も多く含むのは
ロースで100g中に22.7g、
最も少ないのは肩ロースで
100g中に19.7g含まれます。

脂質を最も多く含むのは
肩ロースで100g中に7.8g、
最も少ないのはモモで
100g中に3.6g含まれます。

鉄に関しては
最も多く含むのが肩と肩ロースで
100g中に0.0011g、
最も少ないのがロースで
100g中に0.0007gです。

続いて黒豚100gあたりの
部位別の成分比較です。

黒豚も豚と同じく
タンパク質が多く、脂質は少なめ、
さらに鉄はもっと少ない印象かと
思います。

脂質に関しては
豚より少なく見える部位も
ありそうですね。

こちらも実際の数値で見てみると、
タンパク質を最も多く含むのは
ロースで100g中に22.9g、
最も少ないのは肩ロースで
100g中に20.6g含まれます。

脂質を最も多く含むのは
肩ロースで100g中に6.8g、
最も少ないのはヒレで
100g中に1.7g含まれます。

鉄に関しては
最も多く含むのが肩ロースで
100g中に0.0013g、
最も少ないのがロースで
100g中に0.0006gです。

豚と黒豚では
数値はわずかに違いますが、
含まれる成分の大小は
部位で大きく異なることは
ないようです。

この情報を頭に入れて
鹿肉のグラフを見てみると…

鹿肉は高タンパク、
低脂質なので、
グラフ上は豚や黒豚と
似たような感じに見えますね。

部位別のデータはありませんが、
鹿肉100gあたりに含まれる量は、
タンパク質が23.9g、脂質が4.0g、
鉄が0.0039gです。

タンパク質と脂質は
部位によりますが、
鉄に関しては豚と黒豚の
どの部位よりも鹿肉の方が
多く含まれていることが
分かります。

平均した数値を
グラフ化して見てみると…

このようになるので、
ぎりぎりタンパク質は
鹿肉の方が多く含まれ、
脂質は似たり寄ったり、
鉄は微量なので
グラフ上では
何とも言いづらいのですが、
鹿肉の方が多いと言えます。

今回の豚肉と黒豚に限らず、
グラフ化して可視化することで
高タンパクとは言え差はこの程度、
低脂質と言っても
ほんの少ししか違わない、
鉄に至っては
とても小さな数字の世界…

と言った発見、気付きが
あったのではないかと思います。

もちろん、
このわずかな差で食材を選びたい!
という考え方もありですし、
このくらいの差なら気にせずに
いろいろなものを食べさせる!
という判断も
どちらも間違いではありません。

「多い」
「少ない」
「高い」
「低い」
これらはそれぞれの表現の仕方、
伝え方、捉え方で幅があると
個人的には考えています。

何と比べてどのくらい多いのか?
または少ないのか?
高いのか?
低いのか?

ここまで冷静に考えて
おうちのわんちゃん、ねこちゃんの
食生活をより豊かにして
健康に過ごしていただけたら
幸いです。

しかし、
世の中にはたくさんの情報、
噂が存在し、
迷うことや惑わされることも
多々あると思います。

私自身、動物看護師として
ペットフードである鹿のめぐみを
犬や猫の飼い主さんに販売しながら、
誤解がない情報を伝えるために
悩む毎日です。

このブログ内では
伝えきれないことも多いので、
気になった部分や
おうちの子の個別相談は
お問い合わせいただけたらと
思います。

それでは
身近なお肉と比べるシリーズ、
閉幕です!

次回からは馬肉や猪肉など、
ちょっと珍しいお肉と鹿肉を
比べていく予定です。

執筆者/小島香澄

執筆者について
猫と犬の手作りごはん、鹿肉販売をおこなう【モノクロキッチン】代表。
取得資格:認定動物看護師、ペット食育協会Ⓡ指導士、ペット栄養管理士、ペットフード販売士

ご相談は下記へお願いします。
E-mail:kojima@morikaraumie.com
URL :https://monochrome-kitchen.com