森から海へ 鹿ツアー 前編

森から海へ事務局です。

先日森から海への鹿ツアーが開催されました。

2日間に渡って長野県小諸市を中心に鹿害の現状の調査と今後の対策などを、大手企業や専門家、行政の方も含め皆で話し合いました。

今回はツアーの様子を、前編、後編に分けてご紹介します。

1日目は小諸市にある鹿の解体場の視察と,深刻な被害がでている森入り、当財団の理事である池田雅子さんと南先生たっぷりと森の現状を説明してもらいました。

森から海への鹿の恵みペットフードの原料である鹿肉は長野県小諸市から供給されています。長野県小諸市は鹿の頭数過多の影響が深刻です。

農作物への被害ばかりではなく、鹿が新芽を食べることで本来木の根で固まっているはずの地盤が緩くなってしまい、結果地滑りや土砂災害などの原因になります。

その対策の一環として、小諸市は鹿の解体場の運営を数年前にスタートしました。ここでは、地元の猟師から鹿を買い取り高品質な鹿肉にするための処理をしています。最近では、鹿肉の需要も高まり1日に10頭以上の鹿が持ち込まれているそうです。

池田さんと南先生が二つの森を案内してくれました。

一つ目は平尾山パラダ、そして望月高原牧場です。前者は鹿の影響が少なく、後者は鹿による森林の破壊が顕著でした。例えば、平尾山は所狭しと小さい葉っぱが地表を覆っていましたが、望月高原牧場の周辺の森では、茶色い地面が剥き出しになっています。

 

鹿に食べられた笹の葉。葉っぱがないので光合成ができず、枯れてしまっています。

鹿の足跡

鹿が山を登った形跡もありました。鹿が斜面を登ると土が押し下げられてしまい、その度に土砂が崩れ落ちてしまいます。

当日はぽつぽつと雨が降り出したところでしたが、側溝の水はほぼ満杯でした。これは、山の斜面に充分に雨を受け止める木々が少ないため、雨がそのまま山の下の方に流れてしまいます。水が流れることでまた土も削られ、より地表が薄くなってしまいます。

単に作物への被害だけではなく、森のバランスを保つためにも鹿害に対する取り組みは急務です。しかし、鹿肉すべてを食用で提供できるわけではありません。食卓に並べない鹿がほとんどで、それらは残念ながら焼却処分されていました。

そんな鹿の命を無駄にしたくない、そんな想いから私たちは「鹿の恵み」のペットフードを作っています。

その後、鹿の影響を調査するためさらに2箇所視察しましたので、後編でご紹介します。