シカとカモシカの食べ物の違い – Dr.南の生きものがたり

日本には大型の草食獣が3種類います。シカとカモシカとイノシシです。草食獣といっても、イノシシは木の根やイモ、どんぐりなど植物質を中心とした雑食性で、葉をたくさん食べるわけではありません。カモシカはウシ科、シカはシカ科に属し、葉を主食とする反芻する動物です。同じく葉を食べるのですが、おもに食べている葉が違います。カモシカは、木の葉をおもに食べています。木の葉は草に比べると栄養価が高く、カモシカはその木の葉の中で好きな葉を選んで食べています。植物は苦かったり棘があったり、さまざまな動物に食べられないように防御しているものもあるので、カモシカは栄養価が高く「美味しい」葉を選んでたべているようです。

 

一方で、シカはカモシカよりも大きいこともあって、より多くの食料が必要です。シカは大量に生えてくる草をあまり選択せずに食べています。草は木の葉よりも栄養価が低いので、より多く食べなくてはならないので、選択している余裕はないようです。しかし、シカも木の葉を食べないわけではありません。むしろ、食べられるなら木の葉も大好きです。シカがたくさんいる場所では、シカが立ち上がって届く高さの木の葉は食べ尽くされています。サクラなどの葉が落ちるのを見ると、走り寄ってきて、その落ち葉を食べます。しかし、食べられる木の葉を探してばかりいては食べて行けません。簡単に手に入り、どこにでもある草を食べないと生きて行けないというわけです。