「ぽんずの夢旅つづり」ボクは、海を、みたよ。

驚愕の広さと戦慄の塩味。海ってなんなの?

 

 

ボクたち猫は、ざっくりとひとくくりに「イエネコ」っていわれてるんだけど、ご先祖さまは「リビアヤマネコ」といって、北アフリカのカラッカラに乾いた土地で暮らしてたんだって。そこは砂だらけで水の少ない土地だったらしいんだ。

だから、ほとんどの猫は水に慣れてないし、水がコワイ。(毎日水を飲むんだけどね…)

 

ボクは、いま、静岡の伊東というところを旅してるんだけど、そこに「海」っていうものがあることをし知らずに来ちゃった。朝ごはんの前の散歩に、地元の彫刻家の作品が置いてある公園に行ったら、なんか「ザッパーン、ザッパーン!」って音がするんだよね。それで、公園の端っこのコンクリートの手すりにヒョイとのったら。

 

「……………。」

 

 

なんなの、あのデッカイ水のかたまりは?

一体どこまで続いてるの?

なんで生きてるみたいに動いてるの?

 

あれは「海(うみ)」っていって、地球の約71%を占めてるんだよ。

いま。ぽんずさんが見ているのは「太平洋」っていって、広さは「165,200,000平方キロメートル」もあるんだ。東京からアメリカのサンフランシスコまでは「約8,850キロ」。遠いね。動いているのは「波」。主に風や海水の動きによってできるんだよ。

 

なんだよ、ホーリーったら、またついて来ちゃったんだ…。

でもまぁ、いろいろ教えてくれるのはありがたい。

 

ぽんずさん、海の水飲んでみなよ。と

 

、ホーリーが両手を差し出した。その手にはいつも飲んでる水と同じ透明な水が入ってた。ホーリーが一瞬ニヤッとしたのが気になるけれど、まずはクンクン。なんかちょっと魚っぽい匂いがするけどキライな匂いじゃない。というか、むしろ好きな匂いだ。

そこで、ちょっとひと舐め。

 

ウギャーーーーーーッ! しょっぱい辛い、辛いしょっぱい、しょっぱい痛い! 痛いしょっぱい! なんだこりゃ!?

あの一瞬の笑みはこういうことだったのか…。ホーリーのヤツめ、帰ったら爪研ぎしてやる。

 

 

 

それにしても、この水のしょっぱさはなんなんだ?

「塩」っていうものの味に似てるけど、ときどき盗み食いするサンマの塩焼きはおいしい。海の水のしょっぱさとは全然違うよなぁ。

ホーリー、ちょっと教えてよ。どうせスマホの中にいろいろ入ってるんでしょ。

 

海の水は「約96.6%の水」と「約3.4%の塩分」でできてるんだよ。100mlの海水には約3.4gの塩分が含まれてるってことだよね。

ちなみに、猫に必要な塩分は1日に約0.33gだから、海の水約10mlってことになるよね。つまり小さじ2杯くらいってこと。犬の場合は1日約0.18gだから、小さじ1杯とちょっと。

ほんのちょっとの量なのに塩分がたっぷり入ってるってことだから、海の水なんか飲んだら、すぐに塩分摂りすぎになっちゃうよ。

だって。

 

ドヤ顔は気に入らないけど、そのあとホーリーのヤツ、すごく気になることをいったんだよなぁ。

 

海と森はつながってるんだ。血管みたいに張り巡らされた川が海と森をつないでるんだ。

森も川も海もぜんぶつながってるんだよね。だから、どれかひとつでも元気がなくなると、みんなダメになっちゃう。

森から川へ、川から海へ、そして、雨になって海から森へ。水はグルグル回ってる。水って大切だよね。

 

なるほど〜、そうなんだ…。

なんか、そんなに大切なものならもっと水を知らなきゃ、って思っちゃった。

森にも行って、川を見て、そして、また海に来るんだ。

 

でも、水はキライ! だって、猫だから。